この記事では寝袋に使われる素材の化繊とダウンのメリットデメリットを解説します
それぞれの特徴を解説しつつ、おすすめのポイントなども紹介
この記事を読めばあなたにはどちらの素材が向いているかが分かります
寝袋は主に「化繊」か「ダウン」どちらか
寝袋に使われている保温材は主に「化繊(化学繊維)」「ダウン」のどちらかです(ウールなどが使われた寝袋もありますが大半を占めるのが化繊かダウンです)
比較をするとそれぞれにメリット、デメリットがあり、一概にどちらがいいとは言い切れません
使用する環境や、用途、条件でどちらが適しているかも変わってきますので素材について知り、自身に合った寝袋を見つけるための基礎を知っておきましょう
結論:どちらか迷うならダウンにしておけば失敗しない!
これについて結論をいうと、
ダウン製の寝袋が絶対におすすめです
ダウンの寝袋にしておけば失敗はありません!(詳しい理由は後半で解説)
そうは言っても化繊の寝袋が合っている人もいます
化繊とダウン、それぞれの特徴を詳しくみていきましょう
化繊(化学繊維)
化繊とは「化学繊維」の事でナイロン、ポリエステル、アクリル、ポリウレタンなどの素材の事を総称して化繊と呼びます
レーヨンなどの再生繊維も化学繊維の一つです
化学繊維とは別に天然繊維があります
主に綿、麻、羊毛、カシミヤ、生糸などが天然繊維です
メリット
水濡れに強い
化繊は水に濡れても保温力が損なわれないので雨に濡れてしまったとしても保温力を維持してくれます
登山などでは雨に濡れて保温力が損なわれてしまうと死活問題です
悪条件での使用に備えるなら化繊の寝袋はおすすめです
速乾性の高さ
速乾性が高いので、汗をかいたり、雨で濡れてしまっても乾きやすいのも特徴
素材だけでの話で言えば、ランニングや登山、スノーボードなど運動量が多く、汗をたくさんかくシーンでは化繊は速乾性が高いので活躍してくれます
メンテナンスのしやすさ
他の洋服などと同じように洗濯機の普通コースで丸洗いできるものが多く、化繊の方がメンテナンスの手間はかかりません
ガシガシ洗えるのはいいですね
保管もダウンは天然素材なのでケアが必要ですが、化繊の場合、多少雑に扱っても問題ないのもいいところ
価格が安い
価格は選ぶ時に重要な要素ですよね
ダウンと比べて価格が安いのも化繊のメリットです
デメリット
同等の量では保温力はダウンに軍配
中綿の量が同じ場合、化繊の方が保温力が低いです
化繊で保温力が高い寝袋は多くの中綿が必要になるため、同時に重量も重たくなります
重量が重い
ダウンと同等の保温力を得ようとするにはそれだけ多くの化繊が必要になるので重量も重たくなります
コンパクトさ
ダウンと比べるとかさばります
ダウンほどコンパクトにはならないので装備をできるだけ軽量・コンパクトにしたい人には向かない素材です
化繊がおすすめなのはこんな時
- 悪条件で使用する人
- コンパクトさが必要ない人
- メンテナンスの手間をかけたくない人
- コストを抑えたい人
長期縦走などでは天候によって悪条件に対応しなければならないこともあります
そんな時に濡れても保温力が損なわれない化繊の寝袋は活躍してくれます
コンパクトさを気にする必要がない人にも化繊はおすすめです
例えばオートキャンプや車中泊がメインなら、キャンプ地までの運搬は苦になりません
コストが安いので経済的ですしメンテナンスも楽なので選択するメリットは十分にあります
化繊のおすすめ寝袋
おすすめの化繊の寝袋を3つ紹介します
冬キャンプデビューにもおすすめ!イスカ アルファライト700X
3シーズン用の寝袋ですが、最低使用温度がマイナス6℃と冬キャンプや、冬の低山にも対応できるアルファライト700X
出典:アマゾン
重量1300グラム、収納時サイズがφ19×35cmと携帯も可能なサイズです
何よりこのスペックで価格が19800円(税込)とかなりリーズナブルな価格です
(価格は2023年2月時点の価格です)
予算をできるだけ抑えて冬キャンプデビューをしたい人にアルファライト700Xはおすすめ!
寒さを感じたくない人に!イスカ アルファライト1000EX
寒さを感じたくない人にはグレードを一つあげてアルファライト1000EXがおすすめです
出典:アマゾン
最低使用温度マイナス12℃なので広く冬キャンプに対応していけるモデル
登山での使用となると重量が1720グラムなので現実的ではないかもしれないですが、車中泊やオートキャンプ用に考えている人にはおすすめ!
アルファライト700Xと同様に価格も魅力!
アルファライト700Xと迷うなら、コンパクトささえ気にならないならアルファライト1000EXがおすすめです
価格重視の3シーズン用!Snugpak(スナグパック) マリナー マミー
エントリーモデルとしてコスパを重視した寝袋のおすすめはコレ
出典:アマゾン
快適使用温度は3℃なので3シーズンでの使用がメインで、重量が1750グラムと携帯するには向かないですが、オートキャンプや車中泊で活躍する寝袋です
足元がマミー型とスクエア型から選ぶ事もできるのでゆったりしたいひとはスクエア型もおすすめです
ダウン
ダウンは水鳥からとることができる羽毛のことです
出典:ナンガHPより
一羽の水鳥から採取できる量は限られていて、貴重な素材
グース(がちょう)やダック(あひる)からとれるのがダウンです
ダウンの品質はFP(フィルパワー)で表され、数値が高いほど高品質のダウンといえます
メリット
軽さ・コンパクトさ!
軽量で、コンパクトになるのがダウンのメリットです
軽く、コンパクトになるということは、装備をバックパックひとつにまとめる登山やハイキング、キャンプにおいて大事な要素になってきますよね
FP(フィルパワー)の高い高品質なダウンはより軽量でコンパクトになります
フィルパワーはダウンの測定基準で、「ダウンの強度」「その圧力に対する反発力」「かさ高さ」を数値で表したものです
フィルパワー数値がが高いダウンの方が膨らむので少量のダウンでも高い保温力を発揮します
高い保温力
使用するダウンと化繊が同じ量の場合、保温力が高いのもダウンのメリットです
さらにフィルパワーの高い高品質なダウンをたくさん使っている寝袋は3000m級の厳冬期の山岳地帯や、海外の高山など極地での使用が可能なモデルもあります
デメリット
水に濡れると損なわれる保温力
ダウンは羽毛の間にデットエアー(空気を溜め込む)を作り出すことで保温力を発揮します
水に濡れる事で羽毛が潰れてしまい、ロフト(膨らみ)がなくなることでデッドエアーを保持できなくなり保温力が低下してしまいます
メンテナンスの手間
ダウン製品は化繊に比べてメンテナンスの手間が多いです
例えば洗濯をするにしても洗剤をデリケート洗い用の洗剤にしたり(専用の洗剤もある)する必要があります
保管する時も携帯用の収納袋にいれたままではダウンに負担がかかってしまうので保管用の袋にいれて風通しのいいところでの保管が必要だったりと化繊に比べるとデリケートです
ダウンの寝袋は圧縮したままで収納すると使う時にダウンが膨らみにくくなってしまって保温力の劣化してしまうこともあるので注意が必要です
貴重なのでその分値段も高い
ダウンは素材そのものが貴重なので化繊と比べて価格が高価です
一羽の水鳥からとれる羽毛の量は限られていますし、さらに品質のいいダウンともなるとより貴重になります
貴重な素材なので高価なのは当然とも言えるのですが、初期投資としてかかる予算は化繊よりも高いです
ダウンがおすすめな理由
最初に結論としてお伝えした通り、私は化繊かダウンどちらかといえばダウンをおすすめします
その理由は、
寝袋が必要な状況の全てに対応できるからです
キャンプでも、登山でも、ハイキングでも車中泊でも使うことができます
化繊寝袋が使えないわけではありません
化繊寝袋はダウンと比べて重かったり、かさばるので装備をコンパクトにしにくいデメリットがあります
後になって軽く、コンパクトな寝袋がいいって思った時には買い換えるしか方法がありません
その点ダウンの寝袋なら軽く、コンパクトに携帯することができます
軽く、コンパクトな分には車中泊でも使えますし、オートキャンプでも使えます
デメリットである水濡れに弱い点はカバーをしたりすることで対策できますし、寝袋によっては防水性の高い生地を使って水濡れ対策をしていたり、ダウンそのものに撥水加工をすることで弱点を克服している寝袋もあります
価格が高価なところは対策のしようがないですが、実際に使ってみるとその品質に納得できるので価格と品質は見合っていると感じます
化繊の寝袋を買って、携帯性などの理由からダウンの寝袋が必要になった時に買い替えるよりもはじめからダウンの寝袋を持っていた方が経済的です
メンテナンスの手間もありますが、使用後にちょっと手間をかけるだけで洗濯はしなくても十分ながくつかうことができます
メンテナンスについて詳しく知りたい人はこちらの記事もごらんください
- 軽さ・コンパクトさを重視する人
- キャンプ、登山、車中泊などオールラウンドに使いたい人
ダウンのおすすめ寝袋
ほぼ4シーズン使える!ナンガ オーロラライト450DX
3シーズン用の寝袋ですが、快適使用温度が0℃、下限温度マイナス5℃なので標高の低いところであれば冬でも使用可能なオーロラライト450DX
重量も1000グラムを切るので軽量で、コンパクトなので装備を軽くしたい人にもおすすめできます
私も実際に使っている寝袋で、年間を通して1番出番の多い寝袋です
オーロラライト450DXについて詳しくはこちら
コストも考えるなら!ナンガ オーロラ750STD
寒さに不安のある人、でもコストもできるだけ抑えたい人にはオーロラ750STDがおすすめです
オーロラライトに比べてスペックは劣りますが、それでも冬キャンプに対応できるスペックです
快適使用温度マイナス6℃で下限温度がマイナス14℃ですのでかなり寒い環境でも使用することができます
過去にマイナス10℃の中で雪中キャンプ(暖房器具なし)をしたときにこのオーロラ750STDを使いましたが寒さを感じることなく眠ることができました
軽さとコンパクトさのバランスがいい冬用寝袋 オーロラライト600DX
軽さとコンパクトさを重視するならオーロラライト600DXもおすすめです
快適使用温度マイナス4℃、下限温度がマイナス11℃なので冬に使用するのにぴったりな寝袋です
インナーなどの対策をすればより寒い環境での使用もできます
寒がりな人にはオーロラライト750DX
オーロラライト600DXでは寒さに不安という人には一つグレードを上げたオーロラライト750DXがいいでしょう
快適使用温度マイナス8℃、下限温度マイナス16℃なので安心のスペックです
寒さにちょっとでも不安のある人に絶対おすすめなのがオーロラライト750DXです
石油ストーブやホットカーペットなど暖房器具使う人には暑くて寝袋に入っていられないほどです
600DXか750DXで迷っている人はこちらの記事をごらんください
参考:化繊とダウン、それぞれの寝袋のスペック比較
イスカの寝袋で、最低使用温度がマイナス6℃の化繊とダウンの寝袋のスペックを比較するとこうなります
(横にスクロールできます)
素材 | 重量 | 収納サイズ | 価格(税込) | |
アルファライト700X | 化繊 | 約1300g | φ19×35cm | ¥19,800 |
ダウンプラスポカラ | ダウン(720FP) | 約1060g | φ17×34cm | ¥31,900 |
エアドライト480 | ダウン(750FP) | 約870g | φ16×32cm | ¥44,550 |
エアプラス450 | ダウン(800FP) | 約840g | φ16×32cm | ¥51,700 |
比較してみると特徴の違いが分かりやすいかと思います
ダウンだけで見ても品質で価格はだいぶ違ってくるので予算とスペックのバランスを見てあなたに合った寝袋を探しましょう
まとめ
メリット | デメリット | |
化繊 | ・水に濡れても保温力が維持される ・速乾性が高い ・メンテナンスが簡単 ・安価 | ・重い ・コンパクト ・保温力 |
ダウン | ・軽量 ・コンパクト ・高い保温力 | ・水濡れによる保温力低下 ・メンテナンスが大変 ・高価 |
- 悪条件で使用する人
- コンパクトさが必要ない人(オートキャンプや車中泊で使いたい人)
- メンテナンスの手間をかけたくない人
- コストを抑えたい人
- 軽さ・コンパクトさを重視する人
- キャンプ、登山、車中泊などオールラウンドに使いたい人
おわりに
寝袋に使用される素材、「化繊」と「ダウン」のメリットデメリットの解説でした
昔に比べてダウンと化繊の性能の差は縮んていると感じます
技術の発展により、化繊でもコンパクトで保温力の高いものがどんどん開発されています
自身に合った寝袋が選べるように素材についてのメリット・デメリットを知っておきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました
何かみなさんの寝袋選びの参考になれば嬉しいです