ずっと気になっていたMSRの高効率バーナー「ウインドバーナーパーソナルシステム」を釣りやキャンプ、登山でガッツリと使ってきました
MSRウィンドバーナーは調理時間を短縮を短縮させたい人におすすめのバーナーセットでした!
この記事ではMSRウィンドバーナーパーソナルシステム(以下ウィンドバーナー)の特徴をお伝えしつつ、実際に使ってみて感じたことを解説します
も、比較してみたのでぜひ見てみてください
ウィンドバーナーの特徴
本日紹介するMSRウィンドバーナーは見た目からも普通のバーナーとは違います
他のバーナーとは違う見た目にはメリットになる特徴がいっぱい!
- 専用のポットがバーナーを覆う
- ポットの底に形状
- ラジエントバーナー機構
- プレッシャーレギュレーター付き
- ポットとバーナーが固定できる
- 取り外し可能な耐熱グリップ
- 1リットルのポット
- 食べるのに便利なボウル
- ポットとボウルの両方に取り付け可能なフタ
- 付属のスタンドで安定感向上
- 完璧な収納状態はカバー(袋)いらず
- イソプロカートリッジは残量確認が容易
さっそく特徴を詳しく見ていきましょう
専用のポッドがバーナーを覆うから高い耐風性

一般的にガスバーナーは火力(出力)が強いのである程度の風がある状態でも問題なく使うことはできますが、風がある状態では多少の影響を受けます
ウインドバーナーは使用時に専用のポットがバーナーの燃焼部を覆う状態になります
これによって風の影響をほぼ受ける事なくポットに熱を伝える事が可能なんです

通常のガスバーナーは風を遮るためのものは何もない(その分軽量)
通常のガスバーナーと比べるとメリットは一長一短ですが、風への影響を受けにくいのはウィンドバーナーのメリットです
ポッドの底の形状が熱伝導を高める
通常のクッカーと比べるとだいぶ形状に違いがあります


専用のポットの底にはフィンがついているような形状になっていて、この形状が燃焼効率を高める役目をしてくれています
ラジエントバーナー機構で高効率・低燃費

ウィンドバーナーの最大の特徴でメリットとも言えるのがラジエントバーナー機構が採用されていることです
ラジエントバーナー機構とは一次空気だけを使用して燃焼する構造のことです
通常のガスバーナーは燃焼時に一次空気と二次空気が混ざります
ウィンドバーナーは一次空気のみを使って燃焼するので効率が良く、また低燃費なバーナーです
一次空気とは、カートリッジとの接続部分から供給される空気のことで、二次空気とは燃焼している周りから取り込む空気のことです

プレッシャーレギュレーターがついているので外気の影響を受けずに点火する事ができる

プレッシャーレギュレーターとはカートリッジの中に充填されているガスを一定の量で噴射させるための機械の事です
プレッシャレギュレーターが付いていて、どんな環境でも一定のガスを噴射させる事ができるので外気温に影響されることなく使う事ができます
例えば、アルコールストーブは低温環境では火力が安定しなかったり、そもそも点火できないこともあります
ガソリンバーナーも点火するためにプレヒート(予熱)が必要なタイプもあります
ガスバーナーにはプレッシャーレギュレーターがついているため予熱なども必要なく、点火する事ができます
ポットとバーナー本体がロックできる

ポットには本体との接続部分にロック機能が付いていて接続した状態でしっかりとロックする事ができます

(ロックした状態で持ち上げている写真)
しっかりとロックした状態では横にしても外れたりしないので安定感は抜群です
持っても熱くない!取り外し可能な耐熱グリップ

グリップ(持ち手)も通常のクッカーとは違うユニークなハンドルで、ポッドを覆うようになっています
このグリップは加熱していても熱くならないので直接つかむ事ができます
滑り止め効果もあるのでポットを直接掴んでもいいし、グリップになっているところを掴んで使ってもOK
取り外しも可能で、ポットで直接調理などをした後にはグリップを取り外して洗う事ができるので衛生的です



レバーを引くだけで簡単に取り外しが可能
1リットルのポット

メインのポットは1リットルの容量があり、実際には一度に最大で800〜900mlほどのお湯を作る事ができます
食べるのに便利なボウル付き
ウィンドバーナーに付属しているボウルは袋麺などを食べるのに便利なサイズ
容量は約500mlで、実際に測ってみたところ、ボウルいっぱいに水を入れた状態で494mlの水を入れる事ができました

実際には400mlくらいが実用的な容量です

計量に便利な目盛り付き


ウィンドバーナーのポットとボウルには計量するのに便利な目盛りがそれぞれについています
ポットには300mlから800mlまで100ml単位の目盛り付き
ボウルには120ml、240ml、360mlの目盛りが付いています
目盛りがついていることで水の無駄も減らせるし、分量も簡単に計る事ができるので便利です
ポッドとボウルの両方に取り付けできるフタ

ポットとボウルの両方に取り付ける事ができるフタは注ぎ口が2種類あって、用途によって使い分ける事ができます

スタンド付きで安定感抜群

大小どちらのカートリッジにも対応できるスタンドは安定感の向上させるのに便利です
ウィンドバーナーはその形状から高さがあるので、スタンドを使う事でしっかりと安定させることができます
考え込まれた収納方法でカバー入らず

ポットの中に必要なものを全て収納可能!中に入らないボウルは外にスタックさせることができます
ピッタリと入るので専用の収納袋などは必要なく、そのままでバックパックの中に入れる事ができます

写真に写っているものを全てポットの中に入れる事が可能(ボウルは外にスタック)
イソプロガスカートリッジは残量確認が容易にできる
ガスカートリッジのデメリットは残量の確認ができない事です(できるけどめんどう)
MSRのガスカートリッジは水に浮かべる事で簡単に残量が確認できます


水にどのくらい浮くかで残量が分かるのは便利です
使い方
- バーナー本体にカートリッジを取り付ける
- バルブを開けて点火する
- バーナーにポッドを取り付ける
バーナー本体にカートリッジを取り付ける


バルブを開けて点火する


バーナーにポッドを取り付ける

点火したら本体にポットを取り付けます


300mlのお湯が沸くまでの時間を比較
私が持っているストーブで300mlのお湯が沸くまでの時間を比較してみました
- MSRウィンドバーナー
- プリムス・フェムトストーブ
- オプティマス・スベア
- エバニュー・チタンアルコールストーブ

結果はこんな感じ
MSR ウィンドバーナー | プリムス フェムトストーブ | オプティマス スベア123R | エバニュー Tiアルコールストーブ |
1分31秒 | 2分01秒 | 3分28秒 | 4分40秒 |
ウィンドバーナーは1分31秒で沸かす事ができました
他のストーブと比較すると圧倒的な速さです
ちなみにそれぞれのストーブの火力(出力)は以下の通り
MSR ウィンドバーナー | プリムス フェムトストーブ | オプティマス スベア123R | エバニュー Tiアルコールストーブ |
1765kcal/h | 2100kcal/h | 1300kcal/h | 記載なし・不明 |
火力(出力)としてはプリムスの方が高いですが、ウィンドストーブの方が熱伝導や、高効率であることからお湯は早く沸かすことができます
デメリット
ここまでは特徴とメリットをお伝えしてきました
ここからはウィンドバーナーを使ってみて感じたデメリットをお伝えしていきます
- 着火装置がない
- 専用のポットしか使えない
- 付属のボウルは熱いもの入れると持てない
- ガスバーナーとしては値段が高い(かなり)
- MSRのガスカートリッジも他と比べて価格が高い
- 流通量の少なさ(カートリッジの入手がしにくい)
- 重い
着火装置がない
ウィンドバーナーには自動点火装置が付いていません

ライターを必ず携帯する必要があります
点火してからポットをはめ込まなければならないのも手間としては面倒に感じました
せっかくだからポットをセットした状態で点火ができればもっと使いやすいのにちょっと残念なポイントです
火が付いたか分かりにくい
ウィンドバーナーはガスを噴射した時の音が小さく、さらに炎も見えにくいので火が付いたかが分かりにくいです
暗い所でなら分かりやすいですが、明るい所ではけっこう分かりにくいです


専用のポットしか使えない
燃焼部は専用のポットを取り付けるための形状になっているため、他社のクッカーなどは使えません

キャンプなどにおいて色々な料理を楽しみたい場合にはウィンドバーナーは不向きです
専用ポットは深型で食べにくい

登山に行った時にウィンドバーナーを使って袋麺を作って食べてみました
実際に食べてみると、
ポットが深いので食べにくいです

私は普段も深型のクッカーはよく使うのですが、それよりもさらに深いので食べにくいと感じました
付属のボウルは熱いものを入れると持てない

フリーズドライ食品やミニカップ麺などを食べるのに便利な付属のボウルですが、
実際にお湯を入れて使ってみると熱くて持てません
これには手袋をするとか、コジーを使うなどの対策が必要になります
ガスバーナーとしては値段が高い(かなり)

2023年5月時点での価格は税込で31,900円です
ガスバーナーとしてはかなり高いので予算を抑えたい人にとってこの価格はかなりのデメリットとなります
MSRのガスカートリッジも他と比べて価格が高い
本体価格だけでなく、カートリッジも価格は高めです
カートリッジに関しては使うことのできる温度帯の幅が広いので納得できる部分もありますが、私の使っていたプリムスのカートリッジと比べるとやはり値段の高さは感じてしまいます
MSR イソプロ110 | ジェットボイル ジェットバナー100 | プリムス IP110 | EPI パワーカートリッジ |
770円(税込) | 605円(税込) | 561円(税込) | 583円(税込) |
他社のカートリッジと比べてもその価格は高く、低燃費な事を考えたとしても、本体の初期費用とランニングコストは高めです
流通量の少ないために入手が難しい
プリムスやEPIなどは流通量が多く、ホームセンターなどで購入する事もできますが、
MSRはそこまで流通量が多くはないので、カートリッジひとつ買うにもアウトドアショップに行かなければ行けません
重い
本体にカートリッジを入れた状態での重量は670g
(ちょっと使用してから重量を計ったので実際はもう少し重いです)

ウルトラライトな装備を求める人にとって調理器具一式の重量が670グラムになってしまうのはデメリットと言えます
低燃費であることから長期のトレイルとなった場合には燃料を含めて考えた場合にトータルで軽くなってくる事は考えられるものの、日帰りや数日ではウィンドストーブは重い装備となってしまいます
実際に使ってみて感じたこと
実際にウィンドストーブを1ヶ月ほど使い込んでみてお湯が沸くスピードには毎回びっくりしました
お湯が沸く速さは登山や釣りの時に「食べる事」への億劫な気持ちを軽減してくれたのは間違いありません
と、いつもよりも休憩の時間を楽しむ事ができるようになりました
一方でガスバーナーとの火力の比較を考えた時に重量とのバランスを考えると他社のガスバーナーの軽さを実感したのも事実です
熱伝導の高さやお湯が沸くまでのスピードはメリットですが、キャンプ場での調理用として考えると使いにくいです
焚き火での調理をメインに、翌朝にスープとコーヒーの分のお湯を沸かすのにちょっと使う分には便利でした
カッコ良さは全てを覆す
使ってみてデメリットを感じたところもありますが結局「カッコよさ」は全てに勝るんだとも思いました
好みは人それぞれになりますが、
私はMSRのアイテムって見た目もカッコよくて好きだったりします

多種多様であることや高機能であることも道具を選ぶときに重要なポイントですが、カッコよさも同じくらい重要だと私は思っています
だって、
カッコいいと思っている道具を使っている時の満足感は高いから
道具は見た目も重要です
ウィンドバーナーのスペック詳細

ウィンドバーナーをより便利に使うためのオプションパーツ
ウィンドバーナーをより便利に使うためのオプションパーツも豊富にあります
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出典:モチヅキHP
ハンギングキットを使えば木やリッジラインに吊るして使うことができるのでハンモックに横になりながらの使用も可能
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出典:モチヅキHP
コーヒーを楽しむためのコーヒープレスキットや、炒め物をするためのスキレットもあります
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出典:モチヅキHP
ローダウンリモートストーブアダプターを使うことで2.5Lポットや4.5Lポットを使っての調理ができるようになり、大人数にも対応していく事ができます
まとめ
- 専用ポットがバーナーを覆うので風の影響を受けにくい、熱をロスなく伝える(300mlのお湯を沸かすのにかかる時間は1分31秒)
- ポット底の形状が効率よく熱を伝える
- 一時空気を使用して燃焼するラジエントバーナー機構なので燃焼効率が高く、低燃費
- プレッシャーレギュレーターがついているので外気の影響を受けずに使う事ができる
- ポットとバーナー本体がロックできるので安定感が高い
- 耐熱グリップは取り外しできるので衛生的
- ポットとボウルには目盛りが付いているので水を無駄なく使う事ができる
- ポットとボウルの両方に取り付け可能なフタは穴が空いているから注ぎやすい
- スタンド付きなので安定感が高い
- 考え込まれた収納方法でカバー入らず
- イソプロガスカートリッジは残量確認が容易にできる
- 着火装置(イグナイター)がない
- 専用のポットしか使えない
- 付属のボウルは熱いもの入れると持てない
- ガスバーナーとしては値段が高い(かなり)
- MSRのガスカートリッジも他と比べて価格が高い
- 流通量の少なさ(カートリッジの入手がしにくい)
- 重い
ウィンドバーナーはこんな人におすすめ!
- できるだけ調理の時間を短縮させたい人
- お湯を使ってアルファ米やフリーズドライなどを食べるのがメインの人
- 悪天候でも使うシーンを想定している人
- 長期トレイルを歩く人
おわりに
MSRウィンドバーナーの紹介でした
この手のバーナーは使うのが初めてだったのですが、使ってみてお湯が沸くまでの速さにびっくりしました
釣りに行った時は夢中になってしまい、ご飯を食べる時間ですら惜しいと思うこともありますが、ウィンドバーナーなら一瞬でお湯が沸かせるので重宝してくれそうです
最後まで読んでいただきありがとうございました