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レビュー【エバニュー Ti Mug pod 500】老舗アウトドアブランドが作る「定番ULクッカー」の使用感

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こんにちはopoです(opo_85)

ULで使いやすいクッカーがほしい

そんな人におすすめなのが「エバニュー チタンマグポット500」です

昨年Ti Mug pod500(チタンマグポット500)を購入し、半年ほど使ってみてよかったので紹介します

軽量・コンパクトでULクッカーとして優秀だったところを解説しつつ、使ってみて感じたデメリットもしっかりとお伝えしていきます

チタンマグポット500は実用性と携帯性のバランスがいいクッカーでした!アルコールストーブや固形燃料と組み合わせてもいいし、ガスバーナーとの相性もよかったです

ざっくり自己紹介
  • キャンプ歴20年以上
  • 渓流釣り(テンカラ)5年目
  • アルプスから低山まで山登り
  • 装備はできるだけ軽く、ULなスタイルで(現在ベースウエイト4.5kg)←装備について詳しくはこちら

エバニュー Ti Mug pod500

チタンやアルミの調理器具だけでなく、ハイキングギアを幅広く取り扱うエバニューは2025年で101年を迎える老舗アウトドアメーカーです

エバニューには代表作ともいえる製品がいくつもありますが、その一つといえるのが紹介するチタンマグポット500。特にUL界隈ではど定番といえるクッカーです

私自身、初めて購入したクッカーはエバニューのアルミクッカーセットでした。それからもエバニューのクッカーを使うことが多く、気づけばフライパンも合わせて8つのクッカー(カップ)を使ってきました

チタンマグポットはUL装備で泊まりの参考に持ち出したいと思って購入したクッカーです

早速仕様など見ていきましょう

Ti Mug pod500の基本情報

サイズ径97×深さ87mm
容量550ml(目盛付き)
重量75g
素材純チタン製
付属品タイベック製収納袋
価格(税込)¥5,940

※価格は2025年1月

特徴

  • 厚さ0.3mmのチタン製で重量は75g
  • 容量550ml(すり切りまで入れると約600ml)
  • 目盛り付き
  • 注ぎ口がある
  • ハンドル付き
  • フタがカチッとハマる構造

魅力

  • 一食に必要なお湯の確保ができる容量
  • 実用性と携行性のバランスが絶妙
  • 調理システムをオールインできるサイズ感
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使ってみて感じたこと

北アルプスや八ヶ岳、奥多摩、丹沢などで使ってきて感じたことをレビューします

実用的に扱える容量は500mlで一食に必要なお湯の確保ができる

メーカー公式では容量は550mlとなっていますが、満水で約600ml(すりきりまで入れた状態)まで入ります。ですが、満水まで入れた上での使用は現実的には難しく、実用的に扱える容量のMAX値が500mlくらい

500mlの容量であれば湯戻しをベースとする食事にちょうどいいサイズ。

例えばアルファ米やフリーズドライスープに必要な水は180〜200mlくらい。主食(アルファ米)にフリーズドライスープ(200ml)を合わせると400mlとなり、500mlのクッカーで一食分の水が一回で作れます

軽量化の観点から湯戻し調理をベースにするULハイカーに500mlの容量のサイズが人気になるのも納得です

300〜400mlのサイズのクッカーはより軽いですが長期となるとやはり不便さを感じますから

200ml単位である目盛りが便利

お伝えした通り、アルファ米やフリーズドライスープに必要な水は200ml前後。

チタンマグポットには200ml、400mlの目盛りがあるため必要な水の量を計測しやすいのも使いやすいポイントです

ちなみに、10、15oz(オンス)の目盛りもついています

  • 10oz=約295ml
  • 15oz=約443ml

覚えておくと便利です(日清カップヌードルなんかは300ml〜320mlのお湯を使うので10ozを目安にすればOK)

ハンドル付きで実用性が高い

ベースウエイト(食料や水、燃料を抜いた状態の装備の重量)は4〜4.5kgに抑えるのがUL(ウルトラライト)ハイキングにおいての平均値かなと感じます

装備の軽量化をするにあたってクッカーのハンドル「あり」か「なし」かは好みが分かれるところ

ノンハンドルのクッカーを使うことで数グラムの軽量化になりますし、1gでも削りたいカリカリ派ならハンドルはいらないでしょう

私は軽量化を目指していますが、やっぱりハンドルは欲しい派です

ノンハンドルのカップも使ってきましたし、使うこともありますが、ハンドルがあることで扱いやすさは格段に上がります

ノンハンドルのクッカーにポッドリフターやシリコンバンドを巻くことで対策もできますが、「だったらハンドル付きでいいじゃん」というのが考えになりました

チタンマグポットはハンドルが付いているので実用性が高いです

ハンドルの形状は風防を使った時に干渉しないのがいい!

小さめのハンドルが付いているチタンマグポット。軽量化を図るためにハンドルがギリギリまで小さく設計しているんだくらいに考えていましたが、実際に使ってみるとこのハンドルの小ささにも意味があるのだと感じました

ガスストーブに比べ、火力の弱いアルコールや固形燃料を使用する際には「風防」の使用が必須になります。風防でストーブを覆った時にチタンパグポットのハンドルが干渉しにくくなっているんです(たまたまかもしれませんが)

ハンドルは指2本くらいしか入らないし、持ちにくさを感じますが、このコンパクトさが扱いやすさに繋がっていると気づいた時にエバニューのもの作りのこだわりを感じました

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ただし、熱くなるから注意

チタンマグポットにはシリコンバンドがついておらず、ハンドルはストーブの熱によって熱くなりますので持つ時には注意しましょう

私は冬はグローブ、夏は手拭いで対処していますが、難燃性のシリコンをつけるのもあり

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湯戻し調理において「注ぎやすさ」は重要

耐熱容器やジップロックを使い、湯戻し調理をする際、「注ぎやすさ」は重要です

チタンマグポットには注ぎ口があり、容器に注ぎやすくなっているため、湯戻し調理がしやすくなっています

細かなことですが、使ってみるとやっぱり便利でした

アルファ米を食べる時は口が大きく開く容器に注ぐのでそんなに気にならないですが、飲み口の小さい容器へ移す時の使いやすさは抜群です

山の中では水は一滴も無駄にしたくないのでこぼしにくい形状になっているのはポイントですね

フタがカチッとハマる便利さ

クッカーの「フタ」にもさまざまな形状があり、一長一短です。チタンマグポットはフタがカチッとハマる形状になっています

これは注ぐ事を前提としたクッカーに多くみられる構造で、最後の一滴を注ぐためにクッカーを傾けた際、フタが外れるのを防止するためかと思われます(実際に使うと便利)

フタには小さい穴が空いており、わざわざフタを外して確かめなくとも沸騰を知ることができます。加熱中に沸騰の確認などでクッカーに触ると思わぬトラブル(転倒とか)に繋がるため、この小さな穴一つにも便利さを感じます

どんな火器とも合わせやすい

チタンマグポットの直径は97mm。このサイズはどんな火器とも相性がいいです

登山やハイキングにおいての火器として主流なのがガスストーブ、軽量化を図るのであればアルコール、カリカリに削るなら固形燃料って感じですかね

チタンマグポットはガス・アルコール・固形燃料のどれと合わせても扱いやすかったです

というのも、直径97mmのサイズが絶妙で、これよりも径が小さいクッカーになると、ガスストーブにしてもアルコールストーブにしても炎が効率よくクッカーを加熱してくれず、非効率になってしまいます(ストーブの形状にもよりますが)

どんな火器とも使いやすいクッカーのサイズとして、チタンマグポットは最小クラスと感じます

実体験ベースから、具体的には110缶カートリッジの入る90mmから100mmくらいがベストバランスかなと(これより小さいと私はクッカーとしては使いにくい)

110缶が入る外径

クッカーの中には110缶サイズのガスカートリッジを入れることができます

これにより調理に必要なアイテムを全て収納することが可能(収納例は後半で紹介)

残念なところ

いいところばかりではありません。使ってみて気になったところも紹介します

汎用性を考えるなら底面がフラットなMP500 Flatを選んだ方がいい

チタンマグポットには専用のスタンドがあり、そのスタンドと合わせて使用することが前提のため底面に約4mmの段差があります

これによりクッカーのサイズは97mmありますが底面の径は81mmになるため、通常のゴトクを使用する際は安定感が若干低くなります

使用に際して気になることはありませんが、専用のスタンドを使用することを考えていない人は底面がフラットになったモデルを選ぶことをおすすめします

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収納力が低い

フタがハマる構造になっているのはメリットとして紹介しましたが、この構造は収納力が低くなってしまうのが残念なところ

フタの高さが約9mmなので、そのクッカーに対して収納できるスペースが狭くなります

110缶のカートリッジを入れることはできますが、ガスストーブまで入れるとフタがきちんと閉まりません

私が持っているガスストーブの中できちんと収まるのはBRS300Tのみでした

BRS バーナー BRS3000T および予備シール

スタッキングの相性が悪い(限られる)

チタンマグポットは同エバニューの製品を含め、スタッキングするのにぴったりなクッカー(カップ)のバリエーションが多くありません。

ワンサイズ小さいTi 400FDはハンドルが干渉してしまうため最後までスタッキングできず。チタンマグポットの中にTi Demitasse220 FDは入りますが、収納力は低くなってしまいます

クッカーを複数携帯したい人にとっては扱いにくさを感じてしまうかも・・・

ただ、そこはエバニューも考えていたようで、2024年に発売したTi 250 cup NHはチタンマグポットの中にピッタリとハマります。Ti Mug pod500にぴったりな相棒を探している人にはおすすめ

調理しやすさを考えるなら「アルミ」

クッカーの容量が500mlになると、視野に入ってくるのが「調理」です

山の上で食べる鍋料理やラーメンなどは格別。お米もですね。炊き立てのお米を山頂で食べれるとしたら贅沢に感じる人は少なくないはず

ですが、チタンマグポットはチタン性のため、調理には不向き。熱伝導はアルミが高く、調理には向いています。煮込みならチタンでも差はでませんが、炊飯はアルミクッカーに軍配が上がります(チタンクッカーでうまく炊けた経験ありません)

縦型クッカーは調理には不向き

素材面ですが、形状も調理のしやすさに大きく影響してきます

クッカーは大きく「縦型」と「平形」がありますが、調理しやすいのは「平形」です

底面が広い方が炎が当たる面積が大きくなるため、より均一に加熱することができるためです

湯戻し調理をベースに考えている人は気にならないですが、調理をすることも考えている人にとっては縦型にするか、平形にするかは好みが分かれるところ

チタンマグポットを検討している時点で湯戻し調理に全振りするのがいいと思います

容量が中途半端

調理をするにはチタンマグポットの容量は小さく感じるでしょう。湯戻し調理ならいいですが、調理するには小さい

さらにいうと、湯戻し調理だけの最低限のクッカーとしてはすこし大きめ

一食で、アルファ米、スープ、コーヒーを楽しみたい人にとってはチタンマグポットはおすすめのですが、クッカーを小さくすることで軽量化を図りたい人にとってはおすすめできません

限界まで軽量化させたい人におすすめなクッカーとしてはTi400NHあたりでしょうか

Ti400NHのレビューはこちらから

Ti Mug pod500に全て収納する調理システムを公開

実際に私が使う調理システムをアルコールストーブとガスストーブでそれぞれ紹介します!

パターン1:アルコールストーブで12月の奥多摩テント泊

アルコールストーブの調理キットはこんな感じです

  • アルコールストーブ:自作(カップにカーボンフェルトを入れただけ)
  • 台座:トランギア ジェルフューエルバーナーのフタ
  • ゴトク:エバニュー T0.3 triveTi
  • 風防:自作(Amazonで購入したチタンをカット)
  • ライター:Bic mini
  • アルコールボトル:子供の風邪薬が入っていた容器(60ml)
  • コップ:Wildo fold a cup

無積雪期で、なおかつ湯戻し調理のみで済ませる時に持ち出すことが多いのがアルコール。以前はエバニューのアルコールストーブを使っていましたが、今は自作したアルコールストーブを使っています。MAXで15mlのアルコールを入れることができ、約400mlのお湯を作ることができるので満足しています(エバニューのゴトクにぴったり合うのもお気に入り)

アルコールボトルは子供の風邪薬が入っていたボトルを流用(容量60ml)これならチタンマグカップの中に収納可能(エバニューのアルコールボトルは30mlは入るけど、60mlは入らない)

左が使用している容器。右はエバニューのアルコールボトルで、わずか数ミリの差でクッカーの中にピッタリと収まる

パターン2:ガスストーブで厳冬期の南アルプステント泊

  • ガスストーブ:BRS3000T
  • ライター:Bic mini
  • カートリッジ:MSRかプリムスのカートリッジを状況によって使い分け

南アルプスの南御室小屋でテント泊をした時の調理システム。チタンマグポットでガスストーブを使う時は収納面からBRS3000T一択です

キャニスターまでは入らないので、収納袋に入れています

BRS3000Tはマイナス20℃の南アルプスでも問題なく使用することができましたが、耐候性(特に風)が弱いので注意が必要です

南アルプス・南御室小屋は冬も枯れない水場があると言うことでカートリッジは小さい110缶にしました

雪を溶かして水を確保するような時には250サイズにします(チタンマグポットの中には入りませんが)

マイナス20℃まで下がった1月の南アルプス・南御室小屋でのテント泊。とにかく寒かった

お役立ち情報

チタンマグポットを使ったお役立ち情報を紹介します!

サトウのご飯を温める方法

これはX(旧Twitter)でUL ski Hikerさんがやっているのをみてマネした方法です

山の中でも白米が食べたい!けどアルファ米は買いに行くのも手間だし、なんか飽きも感じるし、時間かかるし。と、思っていた時に見つけた情報でした

サトウのご飯が山の上で食べれるなんて棚ぼたです(私にとっては)

原理としてはサトウのご飯の容器に十字の切れ込みを入れ、クッカーの上に置き、蒸気で加熱するというもの

この方法でサトウのご飯を加熱するのにちょうどいいのがチタンマグポットのサイズ(サトウのご飯の容器よりも大きいクッカーではうまく加熱できないから)

でも早速試してみると慣れが必要で、やりすぎるとお米がクッカーに落下するし、なかなか手強い。

そこで導入したのが無印でみつけたセイロシート

これをクッカーとサトウのご飯の間にかますことでお米の落下を防ぎます。結論としては上記による加熱効果は低くなるものの、落下は防止できるので採用となりました

より詳しい方法は私よりもUL ski Hikerさんが紹介しているのでそちらをご覧ください

アルファ米に比べて重たくなるサトウのご飯ですが、味は格別ですよ

タイベック製の収納袋はランタンになる

中にヘッドランプを入れた状態

おまけみたいなものですが、チタンマグポットに付属している収納袋はタイベック製で、中にヘッドランプなど入れるとシェードとして使用することができます。

ヘッドランプはスポットライトとしては優秀ですが、テント内でのリラックスタイムにはスポットライトよりも全体を照らすランタンの方がいいです。かといって別でランタンを持ってくか迷うようなシチュエーションでは活躍してくれます

アルコールストーブ用スタンドDXとの組み合わせて広がる実用性

先ほども少し触れましたが、アルコールストーブ用スタンドDXと組み合わせることで実用性が上がります

このアイテムのおもしろいところはアルコールストーブと使う時は燃焼効率を上げることができ、小枝なんかを燃料に利用して仕様できるスタンドであること

アルコールストーブ用スタンドDXは私が持っている焚火台(だと思っている)の中で最小です(重量は52g)

チタンマグポットはこのスタンドと一緒に使えるよう設計されているため、ピッタリとハマるように底面に段差があります(このスタンドはチタンマグポットの中に収納可能)

チタンマグポットを使用する前にスタンドは持っていました。詳しいレビューはこちら

おわりに

ULクッカーの定番、エバニューのチタンマグポットを紹介しました

軽量化を目指す人にとって実用性と携行性のバランスの両立は難しいところ。実用面では調理しやすさ(素材や形状)やハンドル(ありなし)が関わってくるためなかなか一つに絞ることは難しいかもしれません(なにせ私はエバニューのクッカーだけで8つ持っていますから)

湯戻し調理をベースに使うクッカーを探しているということであれば、チタンマグポットは実用性と携行性のバランスが高いレベルで両立できたクッカーだと感じました

自身のスタイルにあったクッカーを見つけて登山やハイキング、キャンプを楽しみましょう!

最後まで読んでいただきありがとうございました

ではまた!

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opo85
キャンプ、登山、釣り、ウインタースポーツなどアウトドアが大好きな30代。小さい頃から大好きだったキャンプを中心にアウトドアを楽しんでいます。
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