キャンプ歴20年以上の私がこれまで体験してきた中でツラかった思い出の上位に入るのが、
「寒さ」に関することです
冬も快適にキャンプをするなら保温力の高いスリーピングバッグ(寝袋)は欠かせません
冬用のスリーピングバッグを探している人におすすめなのがナンガ・オーロラライト600DXです
この記事ではオーロラライト600DXの特徴やスペックを解説しつつ、実際に私が使ってみて感じたことも紹介します
スリーピングバッグを探しているみなさんの参考になれば嬉しいです
ナンガについて
1941年に初代社長・横田駒三(よこた こまぞう)が「横田縫製」を創業、布団の製造が原点
近江真綿を使用した敷き布団の製造が盛んな地から生まれた滋賀県の寝袋メーカーです
1988年にNANGAの原点となる寝袋の縫製を開始
1995年から社名がナンガに変更
現在では寝袋の製造だけではなく、ダウンジャケットなども製造しています
ナンガの歴史についてもっと詳しく知りたい人はナンガホームページへ
これからキャンプを始めたい初心者から経験者までおすすめできるブランドです
ナンガオーロラライト600DX:特徴
真冬のキャンプにも対応できるスペック
760FPのスペイン産ダックダウンが600グラム入っているので真冬の雪中キャンプでも対応することができるスペックです
オーロラライト600DXの快適使用温度はマイナス4℃、下限温度がマイナス11℃なのでかなり寒い環境でも使用することができます(体験談については後半で)
FP(フィルパワー)はダウンの測定基準で、「ダウンの強度」「その圧力に対する反発力」「かさ高さ」を数値で表したものです
フィルパワー数値がが高いダウンの方が膨らむので少量のダウンでも高い保温力を発揮します
収納サイズφ17 × 31cm!コンパクトさ
冬用のスリーピングバッグとしてはものすごくコンパクトです!
オーロラライト450DX、オーロラライト600DX、オーロラ750STDと比べるとこんな感じ

オーロラライト450DXはさらにコンパクトですが、下限温度がマイナス5℃なので山岳地帯での冬キャンプでの使用は難しくなってきます
オーロラライト600DXは450DXより若干大きくはなるものの、対応温度のスペックは高くオーロラ750STDと比べても収納時の大きさの差は歴然
バックパックひとつでキャンプに行く私にとって「コンパクトさ」は道具選びの時の重要なポイントとなっています
オーロラ750STDはリーズナブルな価格でスペックの高いスリーピングバッグですが、軽さコンパクトさを考えるならおすすめはオーロラライトシリーズです(UDDBAGシリーズも軽量!)
オーロラライト600DXのコンパクトさは冬キャンプで防寒着などかさばりがちな装備をコンパクトにしてくれます
私が前に使っていたオーロラ750STDはすごくいいスリーピングバッグでしたが、コストをケチって選びました
使っていく中でやっぱりコンパクトさの重要さに気づき、結局オーロラライト600DXを買い直すことになりました(コストをケチったはずなのに最終的に2倍のコストがかかりました)
重量1100グラム、カバーなしで使えるスリーピングバッグでこの軽さ!
重量は1100グラムと軽量です
オーロラライトシリーズは生地に防水透湿素材のオーロラライトを使用しているので防水性が高く、カバーなしでも使うことができるスリーピングバッグです
表地に15D(デニール)のオーロラライトが使用されていて、裏地には強度を高めるためにリップストップナイロン(15D)使用しています
デニールとは糸や繊維の太さを測る単位です
数値が大きいほど太い繊維が使われているので強度が高くなりますが、同時に生地は厚くなります
「リップストップ」は生地の強度を高めるために格子状に織り込まれた生地のことです
冬キャンプではテントの中は外気温との差で結露します
テント内の結露は寝袋を濡らす原因になりますが、オーロラライトなら防水生地なので濡れても安心です

構造・付帯機能
ダウンの保温性能を活かすボックスキルト構造
表地と裏地の間に通気性のあるメッシュを配置し片寄りを防ぐために縦横にボックスを設定しています
出典:ナンガHPより
ショルダーウォーマー、ドラフトチューブで冷気をシャットアウト
出典:ナンガHPより
スリーピングバッグに入っている時に冷気が入ってきやすいのは顔まわりとジッパーの部分です
顔の部分から入ってくる冷気は首や肩を冷やし、寒さを感じます
それを防ぐためにショルダーウォーマーがあって、スリーピングバッグが体に密着することで冷気の侵入を防いでくれます
ジッパー部分もダウンが入っていないので冷気を感じやすい場所ですが、チューブ状にダウンを封入することで冷気が入ってくることを防ぎ、保温効果を高めています
冬用寝袋にはチタンスパッタリング材で輻射熱効果
生地の間に極薄のチタニウム素材をコーティングすることで輻射による蓄熱効果を得ることができるようになっています
出典:ナンガカタログより
チタンスパッタリング材は600グラム以上のオーロラライトシリーズの顔まわりと足元に入っていて、人の体から放出する熱を跳ね返し、保温効果を高めてくれます
オーロラライト600DXはこんな人におすすめです
オーロラライト600DXの特徴からこんな人におすすめです
- 携帯性を重視するバックパックキャンパー・ハイカー
- オールシーズンの使用も考えているミニマリスト
- 必要に応じて防寒対策することも考えている人
- 3シーズンのアルプスなどの登山での使用を考えている人
逆にこんな人にはおすすめできません
- 厳冬期の3000m級の山での使用を考えている人
- 北海道で真冬に暖房なしでキャンプをする人
- 本州の平地で暖房を使ったキャンプをする人
厳冬期のアルプスなどでの使用ではスペックが不足しているのでさらに高いスペックのスリーピングバッグが必要です
また、北海道など日本の北部でのキャンプ(暖房なし)をする人もオーロラライト600DXではスペックが足りないでしょう
本州の平地で暖房器具を使ったキャンプをする人にとってはオーバースペックとなってしまうのでこれまたおすすめできません
1番迷ったのはオーロラライト750DXとどちらにするか・オーロラライト600DXにした理由
私がオーロラライト600DXを購入するにあたって1番迷ったのが
オーロラライト750DXにするか、600DXにするかでした
どちらにするかについての詳しい解説ははこちらの記事を覧ください
- 自身の使用するシーンやキャンプする環境では600DXがベストだと判断!
- 重量、収納性を重視
- 防寒対策を楽しめる
氷点下になる冬キャンプでも対応できる使用温度
私は冬でもキャンプをします

関東周辺のキャンプ場に行くことがほとんどですが、山岳地帯に行く事もあり、マイナス10℃くらいの環境でキャンプをすることもあります
そんな環境で使うことを想定してスリーピングバッグを選んだ時に使用温度のスペックとして下限温度がマイナス10℃くらいのスリーピングバッグがぴったりと考えました
オーロラライト600DXの快適使用温度はマイナス4℃、下限温度はマイナス11℃です
寒さに不安のある人はワンランク上のグレード(オーロラライト750DX)を選ぶことをおすすめします
真冬のキャンプにおいてオーバースペックで困ることはありませんから
スリーピングバッグの温度表記はEN13537規格に計測され、表記されています
ENとはヨーロピアンノームの事で、EU諸国における統一規格として制定されている規格の総称で、ヨーロピアン・スタンダードとも呼ばれます
ヨーロピアンノームの表記では、コンフォート(快適使用温度)、リミット(下限温度)、エクストリーム(限界使用温度)で基準になる温度表記がされていて、この基準が寝袋を選ぶのに大きく影響してきます
コンパクトさとスペックのバランス
使用温度がマイナス10℃くらいの環境で、できるだけ軽量・コンパクトなスリーピングバッグとしてオーロラライト600DXはピッタリなスリーピングバッグでした
スリーピングバッグ単体での使用なら、オーロラライト750DXを選んでいたと思いますが、私は環境に応じてインナーやカバーを使うことを考慮していたのでオーロラライト600DXにしました
実際に使ってみた感想:体験談
オーロラライト600DXの特徴と選んだ理由を解説してきました
ここからは実際に使ってみて感じた事を紹介します
いろんな状況で使ってみたので参考になればうれしいです
マイナス4℃:1月のハンモック泊での使用

1月に大寒波が来ている時にハンモックでキャンプをしてきました
ハンモックにはアンダーキルトを使用し、それだけでは寒いと思ったので上半身をクローズドセルマットを敷いて、オーロラライト600DXで寝てみました
雨の中でのキャンプでしたが、夜中から雪に変わっていたみたいで起きたら一面真っ白
結果は、
全く寒さを感じることなく、朝まで眠ることができました


朝方に温度計を見た時にマイナス4℃でしたが全く寒さを感じなかったのでもっと寒くても全然問題ないように感じました(もっと寒い場合はスリーピングバッグよりもハンモックのアンダーキルトのスペックが心配)
マイナス1℃:2月のテント泊で使用


2月にしては異例の暖かさだった中でシングルウォールのピラミッドテントを使ってキャンプをしてきました
氷点下5℃以下にになる事を期待していたのですが、寝る前でも気温がマイナス1℃と思ったよりも下がらなかったのでインナーなどは使わずに、オーロラライト600DXのみで寝ました
全く寒さを感じることはありませんでした
なんならちょっと暑いくらいで、着ていたフリースとズボンを脱いで、上下インナーのみで寝ましたが朝まで快適に眠ることができました
マイナス5℃:2月のタープ泊での使用

2月にタープ泊をしてきました


気温がマイナス5℃まで下がったのですが、オーロラライト600DXのみで寝たところ、
寒さは感じませんでした!
その時の服装は下はアンダータイツのみで、上はアンダーとフリースを着て、靴下と帽子を被って寝ました
下限温度がマイナス11℃のオーロラライト600DXならマイナス5℃くらいなら全く寒さを感じずに寝る事ができます
マイナス8℃:厳冬期の八ヶ岳・本沢温泉でのテント泊


厳冬期の雪山登山、八ヶ岳の本沢温泉でテント泊した時にオーロラライト600DXを使用しました


外気温はマイナス8℃まで下がるような環境でのキャンプでしたが、オーロラライト600DXにシートゥサミットのインナーシーツを使って寝ましたが、
寒さは感じませんでした!
服装は下はアンダータイツに靴下で、上は厚手のアンダーにフリースを着てニット帽をかぶって寝ました
寒かったらSOLのエスケープヴィヴィを追加しようと思っていましたが使うことなく朝まで過ごすことができました
ナンガの寝袋が「寒い」口コミの原因と対策
「ナンガ 寝袋」と検索すると予測変換で「寒い」が上位にきます
ナンガの寝袋を使っている私が実際に体験したことのある「寒い原因」とその対策を紹介します
寒さの原因として考えられるのは4つ
- 地面の冷えが断熱できていない
- 隙間からの冷気
- 寝る時の服装
- 環境に対してスペックが合っていない
寒いのは地面の冷気を遮断出来ていないから
これは私自身の実体験ですが、スリーピングバッグに入っていて寒さを感じた事がある時ってほとんどが
地面からの冷えなんです
原因はスリーピングマットが地面の冷えを遮断できていなくて、地面と設置している部分が寒さを感じてしまうんです
ダウンのスリーピングバッグはダウンが膨らむ事(ロフト)でデッドエアーを溜め込み保温力を発揮します
ですがスリーピングバッグに入ると地面と設置している箇所は体の重みでダウンのロフトが潰れてしまい、保温力がない状態になってしまいます
地面からの冷えを防ぐために欠かせないのがスリーピングマットです
スリーピングバッグが掛け布団だとすると、スリーピングマットは敷布団です
快適に寝るためにはどちらも同じくらい重要です
2月にキャンプをした時に寒くて一睡もできなかったことがありました
気温に対して十分なスペックのスリーピングバッグを使用していたのですが、断熱性が低いスリーピングマットを使っていたためです
地面からの断熱ができず、寒くて眠れませんでした
身をもって重要さを知った体験でした
隙間からの冷気をしっかり遮断!
私はこれをやりがちなんですが、スリーピングバッグの機能をちゃんと使わないとスペックが十分でも寒さを感じることがあります
マミー型のスリーピングバッグは顔まわりのドローコードを絞ると口以外を全て包み込めるようになっています
そうすることで冷気をシャットアウトすることができます
ですが、ドローコードを絞らないと顔まわりから冷気が入ってきて肩や首に寒さを感じる原因になってしまいます
楽しくお酒を飲んで寝るとドローコードを絞るのをつい忘れてしまいます
その結果、夜中に肩が寒くて起きる事も
最悪なのはなんとなく寒さを感じながら朝まで過ごしてしまい、寝不足になることです
基本的な事になってしまいますが機能はしっかりと使いましょう
薄着は厳禁
私は寝る時は薄着の方が好きです
ですがキャンプの時は薄着すぎると寒さを感じます
と安心して薄着で寝るのは厳禁です。寒さを感じる原因になります
先に解説した通り、ダウンはロフトによって保温力を発揮します
寝ている時の姿勢によっては寝袋がつっぱるような状態になることもあります
つっぱるとダウンのロフトは潰れてしまうので保温力がなくなり、そこから冷えを感じます
寝ている時の体勢を制御することは難しいのである程度着込んで寝ましょう
寝ている時にヒザを立てて寝ていたらその部分だけロフトがなくなっていて保温力がなく、気がついた時にはヒザがキンキンに冷えていたことがありました
その時はインナーだけで寝ていました(ダメな例なので気をつけて)
環境に対してスペックが合っていない
最後に紹介する原因が
環境に対してスペックが足りていない事です
マイナス5℃の環境で使用下限温度0℃のスリーピングバッグでは当然寒さを感じてしまいます
スリーピングバッグの使用温度を下回る環境でのキャンプは対策をしても効果がないこともあるのでキャンプに行く時には事前にしっかりと調査して、環境に合った道具を使うか道具に合った環境のキャンプ場に行くようにしましょう
マイナス8℃ほどまで下がった環境で使用下限温度がマイナス5℃のスリーピングバッグで寝た時はインナーとカバーをしても寒さを感じました
その時は持っている服を全て着て、バックパックを足に被せてなんとか眠ることができました
オーロラライト600DXスペック
ダウン | スペイン産ダックダウン90-10% (760FP) |
快適温度 | -4℃ |
下限温度 | -11℃ |
収納サイズ(cm) | φ17 × 31cm |
重量(g) | 約1,100g |
生地 | 表地:15D オーロラテックス® 裏地:15D リップストップナイロン |
構造 | ボックスキルト構造 |
ダウン量 | 600g |
付帯機能 | ショルダーウォーマー、ドラフトチューブ、チタンスパッタリング材 |
価格(税込) | ¥58,300 |
レビュー | アマゾンレビューを見る 楽天レビューを見る |
安く購入するなら「さかいやスポーツ」別注がおすすめ!
オリジナルのオーロラライトよりもリーズナブルな値段で購入するなら「さかいやスポーツ」が別注で作っているオーロラライトがおすすめです!
オリジナルよりも価格が安く、使用温度は同じなのでスペックは申し分なし!
違いは生地で、さかいや別注のオーロラライトの方がちょっとだけ厚い生地を使用しています

さかいやスポーツは東京の神保町にある創業70年を超える老舗アウトドアショップです
さかいやスポーツ別注のオーロラライトについて詳しい比較解説はこちら
まとめ
- 真冬のキャンプにも使用できるスペック
- 収納サイズφ17 × 31cm!冬用コンパクトさ
- 重量1100グラム、カバーなしで使えるスリーピングバッグでこの軽さ!
- ドラフトチューブ・ショルダーウォーマー、チタンスパッッタリング材などの寒さ対策された付帯機能
- ダウンの保温性を発揮するためのボックスキルト構造
- 携帯性を重視するバックパックキャンパー・ハイカー
- オールシーズンの使用も考えているミニマリスト
- 必要に応じて防寒対策することも考えている人
- 3シーズンのアルプスなどの登山での使用を考えている人
おわりに
オーロラライト600DXのレビューを解説してきました
スリーピングバッグは道具の中でも効果なものですが、快適にキャンプをするには必要不可欠
あなたに合ったスリーピングバッグを見つけて冬も快適にキャンプをしましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました
何かみなさんの道具選びの参考になればうれしいです