冬用のスリーピングバッグを探している人におすすめなのがナンガ・オーロラライト600DXです
おすすめの理由としては、
私も使っているから!(しかもかなり満足しています)
この記事ではナンガ・オーロラライト600DXは冬キャンプでは寒いのかをレビューします
前半では基本情報の解説、後半は使用感のレビューなので、「基本情報は大体わかっている」って人は目次から後半に飛んじゃってください!
ナンガについて
1941年に初代社長・横田駒三(よこた こまぞう)が「横田縫製」を創業、布団の製造が原点
近江真綿を使用した敷き布団の製造が盛んな地から生まれた滋賀県の寝袋メーカーです
1988年にNANGAの原点となる寝袋の縫製を開始
1995年から社名がナンガに変更
現在では寝袋の製造だけではなく、ダウンジャケットなども製造しています
ナンガの歴史についてもっと詳しく知りたい人はナンガホームページへ
ナンガの寝袋は、これからキャンプを始めたい初心者から経験者までおすすめできるブランドです
ナンガオーロラライト600DXの特徴
ここからはオーロラライト600DXの基本的な特徴を解説していきます
- 防水透湿生の高いオーロラテックス生地を使用
- 760FPの高品質なDXダウンを使用
- 驚きのコンパクトさ!
- 重量1100g!軽量な冬用シュラフ!
- 最大限の保温力を発揮するための構造・付帯機能
さっそく詳しく見ていきましょう
防水透湿生の高いオーロラテックス生地を使用
オーロラライトシリーズ共通で、最大の特徴と言ってもいいのが使われている「生地」です
防水透湿生の高い「オーロラテックス」を使用しています
多孔質ポリウレタン防水コーティング加工を施したナイロン生地。防水性を高めると蒸気透湿性が低下するという問題を高レベルで解決した素材。2レイヤ地で20,000mm・透湿性6,000g/m2/24hrs、という高レベルの防水透湿性能を持っています[引用:NANGA]
オーロラライトは極薄15D生地を使用
デニールとは糸や繊維の太さを測る単位です
数値が大きいほど太い繊維が使われているので強度が高くなりますが、同時に生地は厚くなります
「リップストップ」は生地の強度を高めるために格子状に織り込まれた生地のことです
身をもって感じた防水性の高さ
テント内が結露してしまい、そこに寝袋が触れることで濡れてしまった時でも、オーロテックスの生地なら全く問題ありませんでした
760FPの高品質なDXダウンを使用
760FPのスペイン産ダックダウンが600グラム入っているので真冬の雪中キャンプでも対応することができるスペックです
オーロラライト600DXの快適使用温度はマイナス4℃、下限温度がマイナス11℃なのでかなり寒い環境でも使用することができます(体験談については後半で)
FP(フィルパワー)はダウンの測定基準で、「ダウンの強度」「その圧力に対する反発力」「かさ高さ」を数値で表したものです
フィルパワー数値がが高いダウンの方が膨らむので少量のダウンでも高い保温力を発揮します
保温力を最大限に発揮するボックスキルト構造
驚きのコンパクトさ!
冬用のスリーピングバッグとしてはものすごくコンパクトです!
オーロラライト450DX、オーロラライト600DX、オーロラ750STDと比べるとこんな感じ
オーロラライト450DXはさらにコンパクトですが、下限温度がマイナス5℃なので山岳地帯での冬キャンプでの使用は難しくなってきます
オーロラライト600DXは450DXより若干大きくはなるものの、対応温度のスペックは高くオーロラ750STDと比べても収納時の大きさの差は歴然
バックパックひとつでキャンプに行く私にとって「コンパクトさ」は道具選びの時の重要なポイントとなっています
オーロラ750STDはリーズナブルな価格でスペックの高いスリーピングバッグですが、軽さコンパクトさを考えるならおすすめはオーロラライトシリーズです(UDDBAGシリーズも軽量!)
オーロラライト600DXのコンパクトさは冬キャンプで防寒着などかさばりがちな装備をコンパクトにしてくれます
私が前に使っていたオーロラ750STDはすごくいいスリーピングバッグでしたが、コストをケチって選びました
使っていく中でやっぱりコンパクトさの重要さに気づき、結局オーロラライト600DXを買い直すことになりました(コストをケチったはずなのに最終的に2倍のコストがかかりました)
コンパクトになるけど収納には苦労する!
慣れればどうってことないですが、ものすごいボリュームのある寝袋を小さな収納袋に入れるので思った以上に大変です!
キレイに丸めて入れるのは難しいので、力技で押し込んでいきます
収納袋を回転させながら押し込んでいくのと、押し込む前にダウンの空気を抜きながら押し込むとスムーズに収納できます
重量1100g!軽量な冬用シュラフ!
重量は1100グラムと軽量です
冬はどうしても装備が多く、かさばりますが、オーロラライト600DXは重量が軽量なため、装備を軽くしたい人や、バックパックひとつにまとめて行動したい人におすすめです
冬用寝袋のオーロラライト750DXや900DXと比べても重量の差は大きいです
600DX | 750DX | 900DX |
約1,100g | 約1,280g | 約1,400g |
構造・付帯機能
ナンガに限らず、どのシュラフメーカーも冬用の寝袋はテクノロジーを駆使し、付帯機能を付けて保温性能を高めています
ダウンの保温性能を活かすボックスキルト構造
表地と裏地の間に通気性のあるメッシュを配置し片寄りを防ぐために縦横にボックスを設定しています
出典:ナンガHPより
ショルダーウォーマー、ドラフトチューブで冷気をシャットアウト
出典:ナンガHPより
スリーピングバッグに入っている時に冷気が入ってきやすいのは顔まわりとジッパーの部分です
顔の部分から入ってくる冷気は首や肩を冷やし、寒さを感じます
それを防ぐためにショルダーウォーマーがあって、スリーピングバッグが体に密着することで冷気の侵入を防いでくれます
ジッパー部分もダウンが入っていないので冷気を感じやすい場所ですが、チューブ状にダウンを封入することで冷気が入ってくることを防ぎ、保温効果を高めています
冬用寝袋にはチタンスパッタリング材で輻射熱効果
生地の間に極薄のチタニウム素材をコーティングすることで輻射による蓄熱効果を得ることができるようになっています
出典:ナンガカタログより
チタンスパッタリング材は600グラム以上のオーロラライトシリーズの顔まわりと足元に入っていて、人の体から放出する熱を跳ね返し、保温効果を高めてくれます
オーロラライト600DXスペック
ダウン | スペイン産ダックダウン90-10% (760FP) |
快適温度 | -4℃ |
下限温度 | -11℃ |
収納サイズ(cm) | φ17 × 31cm |
重量(g) | 約1,100g |
生地 | 表地:15D オーロラテックス® 裏地:15D リップストップナイロン |
構造 | ボックスキルト構造 |
ダウン量 | 600g |
付帯機能 | ショルダーウォーマー、ドラフトチューブ、チタンスパッタリング材 |
価格(税込) | ¥58,300 |
レビュー | アマゾンレビューを見る 楽天レビューを見る |
ヨーロピアンノームについて
ナンガの寝袋はヨーロピアンノーム(EN13537)の規格で統一の対応温度が算出されています
EN(ヨーロピアンノーム)とはEU諸国の統一規格として制定されている規格の総称で、寝袋の温度表記はEN13537によって同一基準で算出された温度表記で示されます
「EN13537で測定した寝袋はみんな同じ基準で算出しているからメーカーによって差はないよ」
「だから、自分が必要とする寝袋が探しやすかったり、メーカーを越えての寝袋のスペック比較がしやすくなってるよ」
ってことです
ちなみにヨーロピアンノームの温度表記では「コンフォート(快適温度)」「リミット(下限温度)」「エクストリーム(限界温度)」の3つです
(横にスクロールできます)
コンフォート | 一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度 |
リミット | 一般的な成人男性が寝袋の中で丸くなり、8時間寝られる温度 |
エクストリーム | 一般的な女性がスリーピングバックの中でひざを抱えるくらい丸くなった状態で6時間までなら耐えられる温度 |
ヨーロピアンノームでの温度の算出はヨーロッパの人型のマネキンによる測定なので、あくまでも目安として考えておきましょう
1番迷ったのはオーロラライト750DXとどちらにするか・オーロラライト600DXにした理由
私がオーロラライト600DXを購入するにあたって1番迷ったのが
オーロラライト750DXにするか、600DXにするかでした
どちらにするかについての詳しい解説ははこちらの記事を覧ください
- 自身の使用するシーンやキャンプする環境では600DXがベストだと判断!
- 重量、収納性を重視
- 防寒対策を楽しめる
氷点下になる冬キャンプでも対応できる使用温度
私は冬でもキャンプをします
関東周辺のキャンプ場に行くことがほとんどですが、山岳地帯に行く事もあり、マイナス10℃くらいの環境でキャンプをすることもあります
そんな環境で使うことを想定してスリーピングバッグを選んだ時に使用温度のスペックとして下限温度がマイナス10℃くらいのスリーピングバッグがぴったりと考えました
オーロラライト600DXの快適使用温度はマイナス4℃、下限温度はマイナス11℃です
寒さに不安のある人はワンランク上のグレード(オーロラライト750DX)を選ぶことをおすすめします
真冬のキャンプにおいてオーバースペックで困ることはありませんから
スリーピングバッグの温度表記はEN13537規格に計測され、表記されています
ENとはヨーロピアンノームの事で、EU諸国における統一規格として制定されている規格の総称で、ヨーロピアン・スタンダードとも呼ばれます
ヨーロピアンノームの表記では、コンフォート(快適使用温度)、リミット(下限温度)、エクストリーム(限界使用温度)で基準になる温度表記がされていて、この基準が寝袋を選ぶのに大きく影響してきます
コンパクトさとスペックのバランス
使用温度がマイナス10℃くらいの環境で、できるだけ軽量・コンパクトなスリーピングバッグとしてオーロラライト600DXはピッタリなスリーピングバッグでした
スリーピングバッグ単体での使用なら、オーロラライト750DXを選んでいたと思いますが、私は環境に応じてインナーやカバーを使うことを考慮していたのでオーロラライト600DXにしました
実際に使ってみた感想:体験談
さて、ここまでオーロラライト600DXの特徴やスペックを解説してきましたが、一番気になるのって、
実際に使ってみてどうか?
ですよね
ここからは私がハンモックやタープ泊、テント泊などさまざまな環境でキャンプをしてみてどうだったかをお伝えしていきます
マイナス4℃:1月のハンモック泊での使用
インナーシュラフ | なし |
カバー | なし |
ウエア | 上:アンダー+フリース 下:アンダーのみ |
1月に大寒波が来ている時にハンモックでキャンプをしてきました
ハンモックにはアンダーキルトを使用し、それだけでは寒いと思ったので上半身をクローズドセルマットを敷いて、カバーやインナーは使用せず、オーロラライト600DXだけで寝ましたが、
全く寒さを感じることなく、朝まで眠ることができました
朝方に温度計を見た時にマイナス4℃でしたが全く寒さを感じなかったのでもっと寒くても全然問題ないように感じました(もっと寒い場合はスリーピングバッグよりもハンモックのアンダーキルトのスペックが心配)
マイナス1℃:2月のテント泊で使用
インナーシュラフ | なし |
カバー | なし |
ウエア | 上:アンダーのみ 下:アンダーのみ |
2月にしては異例の暖かさだった中でシングルウォールのピラミッドテントを使ってキャンプをしてきましたが、
やっぱり余裕でした(マイナス4℃でも平気だったのでこれは予想通り)
なんならちょっと暑いくらいで、着ていたフリースを脱いで、上下アンダーのみで寝ましたが朝まで快適に眠ることができました
マイナス5℃:2月のタープ泊での使用
2月にタープ泊をしてきました
インナーシュラフ | なし |
カバー | なし |
ウエア | 上:アンダー+フリース 下:アンダーのみ |
気温がマイナス5℃まで下がったのですが、オーロラライト600DXのみで寝たところ、
寒さは感じませんでした!
その時の服装は下はアンダータイツのみで、上はアンダーとフリースを着て、靴下と帽子を被って寝ました
下限温度がマイナス11℃のオーロラライト600DXならマイナス5℃くらいなら全く寒さを感じずに寝る事ができます
マイナス8℃:厳冬期の八ヶ岳・本沢温泉でのテント泊
厳冬期の雪山登山、八ヶ岳の本沢温泉でテント泊した時にオーロラライト600DXを使用しました
インナーシュラフ | あり |
カバー | なし |
ウエア | 上:アンダー+フリース 下:アンダーのみ |
外気温はマイナス8℃まで下がるような環境でのキャンプでしたが、オーロラライト600DXにシートゥサミットのインナーシーツを使って寝ましたが、
余裕でした
服装は下はアンダータイツに靴下で、上は厚手のアンダーにフリースを着てニット帽をかぶって寝ました
寒かったらSOLのエスケープヴィヴィを追加しようと思っていましたが使うことなく朝まで過ごすことができました
マイナス15℃:厳冬期の八ヶ岳・黒百合ヒュッテでテント泊
2024年の2月に八ヶ岳の天狗岳に登った時にも寝袋はオーロラライト600DXを使いました
マイナス15℃くらいまで下がったのですが、ぬくぬくと寝ることができました!
寝た時にきていたウエアなどはこんな感じ
インナーシュラフ | あり(ダウン量140gの夏用寝袋) |
カバー | なし |
ウエア | 上:アンダー+化繊ウエア 下:アンダーを2枚重ねて |
ソックス | 厚手ソックスを重ねて |
マイナス18℃:3月の八ヶ岳・赤岳鉱泉でのテント泊
2024年3月に赤岳鉱泉でテント泊をしてきました!
2月に行った黒百合ヒュッテではかなりぬくぬくに過ごせたので今回はインナーなしの単体での使用
インナーを使用しない代わりに、ウエアにダウンパンツを履くことで寒さ対策をしました
インナーシュラフ | なし |
カバー | なし |
ウエア | 上:アンダー2枚+フリース 下:アンダー+ダウンパンツ |
ソックス | 厚手ソックスを重ねて |
カバーがあった方がいいと思った瞬間
オーロラライトシリーズは防水生地が使われていて、カバーを使わなくても使用できる寝袋ではありますが、これまで使ってきた中で「カバーあった方がいいな」って思ったことがあります
黒百合ヒュッテや赤岳鉱泉でテント泊をした時、朝起きると寝袋の生地が凍りついていました
寝袋の中には影響はなかったのですが、凍った状態で収納し、袋から再び出した時は寝袋の記事はかなり湿っていて、ダウンのロフトが回復しにくかったです
ナンガの寝袋が「寒い」口コミに対して思うこと「原因と対策」
「ナンガ 寝袋」と検索すると予測変換で「寒い」が上位にきます
ナンガの寝袋を使っている私が実際に体験したことのある「寒い原因」とその対策を紹介します
寒さの原因として考えられるのは4つ
- 地面の冷えが断熱できていない
- 隙間から入る冷気を遮断できていない
- 寝る時の服装は適正か
- 環境に対してスペックが合っていない
レビュー・口コミ紹介
オーロラライト600DXに関するアマゾンのレビューは96%が星4または星5の高評価です!
2024年1月21日 お値段通り、質は十分
満足しています。
冬キャンプに耐えられる寝袋用として購入しました。値段が高いので、購入時は随分と悩みましたが、今では重宝しています。雪のない冬山で、タープ+Touring DomeST(Coleman)で、この寝袋があればぐっすり眠れます。さすがにテントの裾は落ち葉で覆って隙間風を防ぎましたが…。また当初の考えにはなかったのですが、家族が風邪などに掛かった時、感染を防ぐ為、自分だけ別室でこの寝袋で寝ていました。室内だと冬でも汗かくぐらい暖かいです。2021年3月5日 軽くとても暖かい
冬キャンプ用に購入。最初、付属の袋にしまう事がかなり難しかったですが、回しながら押し込んでいくと上手く収納できました。とても軽く暖かさもバッチリです。
引用:アマゾン
オーロラライト600DXはこんな人におすすめです
オーロラライト600DXの特徴からこんな人におすすめです
- 冬キャンプから雪山登山まで幅広く使える寝袋が欲しい人
- カバーなしで単体でも使いたい人
- 保温力と携帯性のバランスが取れた寝袋を探している人
逆にこんな人にはおすすめできません
- 厳冬期の3000m級の山での使用を考えている人
- 北海道で真冬に暖房なしでキャンプをする人
- 本州の平地で暖房を使ったキャンプをする人
厳冬期のアルプスなどでの使用ではスペックが不足しているのでさらに高いスペックのスリーピングバッグが必要です
また、北海道など日本の北部でのキャンプ(暖房なし)をする人もオーロラライト600DXではスペックが足りないでしょう
本州の平地で暖房器具を使ったキャンプをする人にとってはオーバースペックとなってしまうのでこれまたおすすめできません
コストを抑えて購入するなら「さかいやスポーツ」別注がおすすめ!
オリジナルのオーロラライトよりもリーズナブルな値段で購入するなら「さかいやスポーツ」が別注で作っているオーロラライトがおすすめです!
オリジナルよりも価格が安く、使用温度は同じなのでスペックは申し分なし!
違いは生地で、さかいや別注のオーロラライトの方がちょっとだけ厚い生地を使用しています
さかいやスポーツは東京の神保町にある創業70年を超える老舗アウトドアショップです
私が使っているオーロラライト600DXもさかいやスポーツ別注です!
さかいやスポーツ別注のオーロラライトについて詳しい比較解説はこちら
おわりに
オーロラライト600DXのレビューを解説してきました
スリーピングバッグは道具の中でも効果なものですが、快適にキャンプをするには必要不可欠
あなたに合ったスリーピングバッグを見つけて冬も快適にキャンプをしましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました
何かみなさんの道具選びの参考になればうれしいです