そんな私の悩みを解決してくれるかもしれない寝袋がイスカ・エアドライト140か160でした
この記事ではエアドライト140と160の仕様の違いや、実際に試してみて感じたことをレビューします
そんな悩みを持っている人はぜひこの記事を読んでみてください
エアドライト140か160を購入しようと思った経緯

私は一年を通してキャンプや登山を楽しんでいます(キャンプ歴は20年以上)
そんな中でよく困るのが、中途半端な気温・季節での寝袋の選択です
極端に寒い真冬や、猛暑になる真夏の方が寝袋選びは簡単で、
例えば、真冬なら冬用寝袋にインナー、カバーととにかく寒さ対策!みたいにズバッと判断できるので持ち物はシンプルです
(夏ならインナーをメインにカバーだけでOK)みたいな感じです
中途半端な時期ほど持っていく装備選びには悩みます(楽しいところでもありますが)
イスカは昭和47年(1972年)に創業された日本のアウトドアブランドです
歴史は日本の登山用品の大手モンベルよりも古く、私自身も登山を始めた小学生の頃から馴染みのあるブランドです
寝袋(シュラフ)をメインに、スタッフバッグやレインバッグカバー、スパッツ、クーラーなどを取り扱っています
イスカの企業情報について詳しくは公式ホームページをご覧ください
結論:私が選んだのは「エアドライト140」

エアドライト140と160を実際に触って、比較して、試してみた結果、
私は、
「エアドライト140」にしました
私がエアドライト140にした理由については後半で解説します(選んだ理由を早く知りたい方は後半まで飛ばしちゃってください)
さっそく140と160の仕様や特徴を詳しくみていきましょう
エアドライト140・160の基本情報

どちらもエアドライトシリーズなので共通点も多くあります
まずはエアドライト140と160の共通点について解説します
エアドライト140・160の共通点
二つのモデルの共通点は以下の通り
- ダウンの品質(フィルパワー)
- 使用している生地
- シングル構造
- フードレスの形状
- 寝袋のサイズ
ダウンの品質:750FPダックダウン

エアドライトシリーズには750フィルパワー(FP)の高品質なダックダウンが使用されています
出典:イスカ
フィルパワーとはダウンの性能を評価する基準の一つで、一定の条件下でダウン30gの復元力を表したものです。FPの数値が大きほど性能が高く、同じ重量で多くの空間を満たすことができます。
イスカでは世界基準であるIDFL(International Down And Feather Laboratory)でフィルパワーを計測しています[引用:イスカ HP]
寝袋に使用している羽毛は、皮膚が進化する過程変化したものであり、哺乳動物の体毛にあたります。羽毛には「フェザー」と「ダウン」があり、軽量、コンパクトな機能を求める寝袋にはダウンを主に使用しています。
またダウンにはグース(ガチョウ)とダック(アヒル)があり、一般的にはグースの方がダックに比べてダウンボールが大きく、かさ高性に優れていると言われており大量の空気を取り込むことによって高い保温力を発揮します。
グースダウンは羽枝、小羽枝が細くて柔らかいために、ドレープ性、保温性、耐久性にも優れた特性を持っています[引用:イスカ HP]
使用している生地:15デニール・ナイロン

生地には15デニール(D)リップストップナイロンを使用されています
デニールとは合成繊維の糸の太さを表す単位です
デニール数が高くなるほど糸が太くなり、太い糸で織った生地は強度が高くなります
薄い生地には強度を確保するために格子状に繊維が縫い込まれたリップストップナイロンが使われています
15デニールは極薄の部類に入る薄い生地です
生地には撥水加工がしてあるのでダウンの弱点である「水濡れ」にも対策されています
出典:イスカ
熱と圧力によるダウンプルーフ加工が通気性を確保しつつ、ダウンの抜けを防いでくれます
シングル構造
寝袋の中に入っているダウンは偏ってしまったりしないように筒状になった生地の中にダウンが封入されています
冬用の寝袋は、台形のボックスキルト構造にする事で保温性能を最大まで高めたりしています
反対に夏用の寝袋は、軽量化させるためにシンプルな丸い筒状のシングル構造が採用される事が多いです

エアドライト140と160はいずれもシングル構造です
フードの無い形状



どちらも熱を逃さないようにドローコードが付いていて、絞れるようになっています
サイズ:肩幅70cmでタイトめな作り

長さは180cmあるため、高身長の人でも肩まで入ることができます
タイトさを感じるのは肩幅です
イスカのマミー型の寝袋は、肩幅が78cm(カタログ記載)なのに対し、エアドライト140/160は70cmとタイトなサイズ感になっています

寝袋は体と密着することでより高い保温力を発揮してくれますが、同時にタイトすぎると窮屈さを感じてしまいます
スペック比較

エアドライト140 | エアドライト160 | |
---|---|---|
サイズ | 70(肩幅)x 180cm | 70(肩幅)x 180cm |
収納サイズ | φ10 × 18cm | φ11 × 19cm |
重量 | 312g(実測) | 375g(実測) |
ダウン量 | 140g | 160g |
ダウン | 750FPダックダウン | 750FPダックダウン |
最低使用温度 | 8℃ | 8℃ |
140と160の大きな違いは3つ、「ジッパー」「ダウン量」と「カラー」
スペックも特徴も似ているエアドライト140と160ですが違いは大きく三つです
- エアドライト160にはジッパーが搭載(140はジッパーなし)
- わずかに違うダウン量
- イスカの言えばコレ「モデルによって決まったカラー」
エアドライト160にはジッパーが搭載(140はジッパーなし)

エアドライト160には足元までジッパーが付いているので出入りが楽で、一般的な寝袋と同じように使用することができます

さらにジッパーはダブルジッパーになっているので温度調節にも活用することができます
ジッパー無しの140は出入りが大変

ジッパーのついていないエアドライト140は出入りが少し大変です
靴下を履くように体を寝袋に入れていくので時間がかかります
わずかに違うダウン量

エアドライト140と160は封入されているダウンの量を表しています
二つのモデルはダウンがそれぞれ140gと160gのダウンが入っていて、エアドライト160の方が、触った感じは少しフワフワ感を感じます
ここで一つ疑問が、
ダウン量が違うのにカタログでは最低使用温度が同じになっているんです
ダウン量が違うのに最低使用温度が同じなのはなぜ?メーカーに聞いてみた

ダウン量が違う(20g)のに対して、最低使用温度が同じなことについてメーカーの方に問い合わせてみました
メーカーからの返答は以下のような内容でした
私も問い合わせてみて初めて知ったのですが、頭部のない寝袋は検査機関での測定ができないそうです
イスカのマミー型の寝袋は東レの人工気象室でのテスト結果とフィールドテストを繰り返した結果から数値をだしているそうです
封筒型に関しては測定ができないため、フィールドテストを基にしたデータで目安として設定されている使用温度になっています
イスカの言えばコレ「モデルによって決まったカラー」

イスカは各モデルによってカラーが決まっています
エアドライト160はカラーはブルーストーンしかありません
エアドライト140はダークネイビーしかありません

エアドライト140は入り口の色が黄色でわかりやすいのも特徴です
違いから生まれる重量と収納性の差
「ダウンの量」「ジッパーの有無」から重量と収納サイズにも違いが生まれます


エアドライト140は312g、エアドライト160は375gでした(実測)
ダウン量が少なく、ジッパーがない分、エアドライト140の方が軽量です

収納サイズも比べてみるとエアドライト140の方がコンパクトになることが分かります
エアドライト140/160のメリットとデメリット
エアドライト140と160を比較した時のメリットとデメリットは以下のようになります
エアドライト140 | エアドライト160 | |
メリット | ・軽量 ・収納サイズがコンパクト | ・ジッパーがついていて出入りがしやすい ・ジッパーの開閉で温度調整が可能 |
デメリット | ・ジッパーがないので出入りに慣れが必要 | ・重い ・収納サイズが大きい |
どっちにするかは求める「便利さ」で決まる
共通点も多く、スペックにもそこまでの差はない両者ですが、どっちにするかの決め手は、
便利さを求めるか・携帯性を求めるか
優先順位をどっちにするかで選ぶ方を決めやすくできます
まとめ
- ダウンの品質(フィルパワー)
- 使用している生地
- シングル構造
- フードレスの形状
- タイトめのサイズ
- エアドライト160にはジッパーが搭載(140はジッパーなし)
- わずかに違うダウン量
- カラー
エアドライト140 | エアドライト160 | |
重量 | 312g | 375g |
収納サイズ | φ10 × 18cm | φ11 × 19cm |
こんな人には140がおすすめ

- とにかく1gでも軽量にしたい人
- できるだけ荷物をコンパクトにまとめたい人
- 冬用の寝袋の保温力のブーストに使いたい人
- 組み合わせ次第で使い方を広げられる多様性を求めている人
- エマージェンシー用に携帯したい人
こんな人には160がおすすめ

- 荷物は軽量にしたいけど、利便性も求めたい人
- 寝袋としての使用をメインに考えている人
- 冬用の寝袋の保温力のブーストに使いたい人
- 旅などで使用したい人
私がエアドライト140にした理由
冒頭でも結論としてお伝えした通り、私は実際にエアドライト140と160を試してみて、エアドライト140にしました
エアドライト140にした理由は以下の通りです
- 夏場の山岳地帯での使用で、ウエアとの併用することで、できるだけ軽量・コンパクトに装備をまとめたかった
- ウエアとの併用することを前提としていたので、胸までをサポートできればよかったからジッパーがないことに問題を感じなかった
- すでにメインの寝袋は持っているので、保温力のブーストとして使いたい
- ジッパーのない寝袋でも慣れることで不便さは感じなかった
エアドライト140の使用感についてさらに詳しいことはこちらで解説しています!
おわりに
イスカのエアドライト140と160の比較解説でした
自分のレベルや用途にあったベストな道具をみつけてアウトドアを楽しみましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました
みなさんの寝袋選びの参考になれば嬉しいです