この記事ではイスカの寝袋のラインナップされている寝袋の特徴を解説します。各寝袋のスペック一覧リストを作りましたので比較することもできます
イスカの寝袋の購入しようとしていて、どのモデルにするか迷っている人はぜひ比較してみてください
ISUKA(イスカ)
イスカは1972年(昭和47年)に創業した日本の老舗アウトドアブランドです
寝袋(シュラフ)がメインですが、それだけでなく、レインカバーやスパッツ、スタッフバック、ポンチョ、タープ、クーラーなど幅広く取り扱っています
イスカのことについてさらに詳しくは公式ホームページへ
失敗しない寝袋の選び方・ポイント
寝袋を選ぶ時には、「選ぶ時に見るべきポイント(スペック)」と「考えておくべきポイント(用途・スタイル)」があります
- 使用温度
- 収納サイズ
- 重量
- 構造
細かく見ると内部構造や使っているダウンにに違いはありますが、使用温度、収納サイズ、重量を比較するのが1番簡単です
スリーピングバッグを選ぶ際には以下の事を考えておくとぴったりなモデルを探しやすくなります
- 使用目的(登山なのか、車中泊なのか)
- 季節(夏なのか、冬なのか)
- 地域(標高低い場所か、山岳地帯か)
- キャンプスタイル(オートキャンプなのか、バックパックキャンプなのか)
詳しくはこちらの記事で解説しています
イスカの寝袋は大きく6シリーズ
イスカには大きく6シリーズのラインナップがあります
- Air Plus(エアプラス)
- Air Dryght(エアドライト)
- Down Plus(ダウンプラス)
- Alpha Light(アルファライト)
- Basic(ベーシック)
- Recta(レクタ)
Air Plus(エアプラス)
出典:ISUKA、エアプラス450
エアプラスシリーズはイスカの寝袋ラインナップの中でもっともハイスペックなシリーズで、フラッグシップモデルです
800FP(フィルパワー)の高品質なグースダウンが使用されていて、撥水加工がされた15d(デニール)の極薄ナイロンを使用しているので抜群の保温性と携帯性の寝袋です
出典:イスカ
フィルパワーとはダウンの性能を評価する基準の一つで、一定の条件下でダウン30gの復元力を表したものです。FPの数値が大きほど性能が高く、同じ重量で多くの空間を満たすことができます。
イスカでは世界基準であるIDFL(International Down And Feather Laboratory)でフィルパワーを計測しています[引用:イスカ HP]
デニールとは合成繊維の糸の太さを表す単位です
デニール数が高くなるほど糸が太くなり、太い糸で織った生地は強度が高くなります
薄い生地には強度を確保するために格子状に繊維が縫い込まれたリップストップナイロンが使われています
保温力と携帯性の良さから登山やバックパックひとつでキャンプに行く人で、極限まで装備を軽くしたい人におすすめのシリーズです
- エアプラス280
- エアプラス450
- エアプラス630
- エアプラス810
Air Dryght(エアドライト)
出典:ISUKA、エアドライト670
750FPの撥水加工をしたダックダウンが使用されていて、生地にも撥水加工してあるのでダウンの弱点の水濡れに強いシリーズがエアドライトシリーズ
寝袋に使用している羽毛は、皮膚が進化する過程変化したものであり、哺乳動物の体毛にあたります。羽毛には「フェザー」と「ダウン」があり、軽量、コンパクトな機能を求める寝袋にはダウンを主に使用しています。
またダウンにはグース(ガチョウ)とダック(アヒル)があり、一般的にはグースの方がダックに比べてダウンボールが大きく、かさ高性に優れていると言われており大量の空気を取り込むことによって高い保温力を発揮します。
グースダウンは羽枝、小羽枝が細くて柔らかいために、ドレープ性、保温性、耐久性にも優れた特性を持っています[引用:イスカ HP]
保温性、携帯性に優れるので登山やバックパックキャンプにおすすめのシリーズ
シリーズは全7種類で豊富なラインナップ
- エアドライト140
- エアドライト160
- エアドライト190
- エアドライト290/ショート
- エアドライト480/ショート
- エアドライト670/ショート
- エアドライト860
Down Plus(ダウンプラス)
出典:ISUKA、ダウンプラスポカラX
ダウンプラスは720FPのダックダウンが使用されていて、50dのマイクロファイバーポリエステル生地が使われている耐久性に優れたシリーズです
携帯性はエアプラスやエアドライトには劣るものの、保温力とコストパフォーマンスに優れているダウンプラスはオートキャンプや車中泊におすすめです
ダウンプラスシリーズはユニークなネーミングが特徴
ヒマラヤ地方の山(ニルギリ)や、アメリカのアラスカの山(デナリ)、ネパール語だったり(ポカラ)
なんとなく愛着の湧くようなネーミングです
- ダウンプラスチロルX
- ダウンプラスタトパニX
- ダウンプラスポカラX
- ダウンプラスニルギリEX
- ダウンプラスデナリ900
- ダウンプラスデナリ1100
Alpha Light(アルファライト)
出典:ISUKA、アルファライト1000EX
アルファライトは中綿に化繊(マイクロライト)が使われているシリーズ
化繊とは「科学繊維」の略で、主にポリエステルやナイロンのことです
化繊はダウンとは違い、水に濡れても保温力が劣化しなかったり、メンテナンスのしやすさから扱いやすい素材です
化繊寝袋は雨の多い季節や悪環境での使用におすすめ
ダウンとは違い、ガシガシ洗濯できちゃうのもいいところ
- アルファライト300X
- アルファライト500X
- アルファライト700X
- アルファライト1000EX
- アルファライト1300EX
化繊とダウンの特徴について詳しくはこちら
Basic(ベーシック)
出典:ISUKA、アルファライト1000EX
ベーシックシリーズはコストパフォーマンスに優れた化繊寝袋シリーズ
フルオープン設計になっているので複数の寝袋を連結することも可能
3シーズンの山小屋泊や、低山テント泊、ファミリーキャンプなど多岐にわたって使用できるのでエントリーモデルとしてもおすすめ
- ベーシックウルトラライト
- ベーシックパトロール600/ショート
- ベーシックスーパースノートレック1500
Recta(レクタ)
出典:ISUKA、レクタ500
イスカの寝袋ラインナップの中では唯一の「封筒型」の寝袋です
620FPのダウンが使われていて、広げれば一枚の布団のようになり、連結が可能です
レクタシリーズはファミリーキャンプや車中泊におすすめ
防災用品としてもおすすめのシリーズ
- レクタ350
- レクタ500
- レクタ1000
全モデル比較
全モデルの最低使用温度、収納サイズ、重量、価格のリストになります
(リストは横にスクロールできます)
モデル名 | 最低使用温度 | 収納サイズ | 平均重量 | 価格(税込) |
---|---|---|---|---|
エアプラス280 | 2℃ | φ14×24cm | 550g | ¥40,700 |
エアプラス450 | -6℃ | φ16×32cm | 840g | ¥51,700 |
エアプラス630 | -15℃ | φ20×34cm | 1,030g | ¥61,600 |
エアプラス810 | -25℃ | φ21×37cm | 1,280g | ¥71,500 |
エアドライト140 | 8℃ | φ10×18cm | 300g | ¥19,800 |
エアドライト160 | 8℃ | φ11×19cm | 360g | ¥21,450 |
エアドライト190 | 8℃ | φ12×21cm | 415g | ¥26,400 |
エアドライト290 | 2℃ | φ14×24cm | 560g | ¥33,990 |
エアドライト480 | -6℃ | φ16×32cm | 870g | ¥44,550 |
エアドライト670 | -15℃ | φ20×34cm | 1,070g | ¥57,200 |
エアドライト860 | -25℃ | φ21×37cm | 1,330g | ¥66,550 |
ダウンプラスチロルX | 6℃ | φ13×24cm | 620g | ¥20,900 |
ダウンプラスタトパニX | 2℃ | φ15×30cm | 750g | ¥25,300 |
ダウンプラスポカラX | -6℃ | φ17×34cm | 1,060g | ¥31,900 |
ダウンプラスニルギリEX | -15℃ | φ20×34cm | 1,270g | ¥38,500 |
ダウンプラスデナリ900 | -25℃ | φ22×38cm | 1,600g | ¥45,100 |
ダウンプラスデナリ1100 | -30℃ | φ24×38cm | 1,830g | ¥48,400 |
アルファライト300X | 6℃ | φ14×27cm | 640g | ¥16,500 |
アルファライト500X | 0℃ | φ18×34cm | 1,000g | ¥18,700 |
アルファライト700X | -6℃ | φ19.5×35cm | 1,300g | ¥19,800 |
アルファライト1000EX | -12℃ | φ25.5×40cm | 1,720g | ¥23,100 |
アルファライト1300EX | -20℃ | φ28×46cm | 1,960g | ¥25,300 |
ベーシックウルトラライト | 10℃ | φ12.5×22cm | 600g | ¥11,000 |
ベーシックパトロール600 | 2℃ | φ20×33cm | 1,300g | ¥9,900 |
ベーシックスーパー スノートレック1500 | -15℃ | 40×23×48cm | 2,760g | ¥20,350 |
レクタ350 | 10℃ | φ16×26cm | 840g | ¥22,000 |
レクタ500 | 7℃ | φ18×32cm | 1,060g | ¥27,500 |
レクタ1000 | 0℃ | φ23×37cm | 1,590g | ¥37,400 |
モデル名 | 最低 使用温度 | 収納サイズ | 平均重量 | 価格(税込) |
ショートサイズ比較
全てのモデルにショートサイズがあるわけではありません
ショートサイズがあるのは以下の寝袋です
モデル名 | 最低使用温度 | 収納サイズ | 平均重量 | 価格 |
---|---|---|---|---|
エアドライト290ショート | 2℃ | φ14×24cm | 530g(560) | ¥33,990 |
エアドライト480ショート | -6℃ | φ16×32cm | 830g(870) | ¥44,550 |
エアドライト670ショート | -15℃ | φ20×34cm | 1,010g(1,070) | ¥57,200 |
パトロール600 | 2℃ | φ20×33cm | 1,120g(1,300) | ¥9,570 |
イスカの寝袋の適応身長
イスカの寝袋にはレギュラーサイズとショートサイズがあります
レギュラー | ショート |
182cm | 170cm未満 |
レギュラーサイズでは182cmまでが適応身長になっています
182cm以上の人は使えないのか?そんなことはありません
そんなことはありません
身長によって変わってくるので一概に「絶対使えるよ」とは言えませんが、多少なら問題は感じにくいです
適応身長よりも大きいと、寝た時に寝袋がつっぱってしまう状態となるため、ダウンが潰れてしまい、保温力が低下してしまいます
適応身長よりも10cmも20cmも大きい場合には影響がでてきてしまうと思いますが、〜5cmくらいなら影響は感じないと思います(実体験)
体格ががっしりしている人は身長は適応範囲でも、肩がつっぱってしまうこともあるのでがっしり系の人は必ず試してみてからの方がいいです
つっぱってしまう場合にはロングサイズなどがあるブランドの寝袋にしましょう
カラーが選べないのが残念
イスカの寝袋は色を選ぶ事ができません
例えば、エアドライト670ならカラーはタンしか選べません
出典:ISUKA、エアドライト670
好きにカラーが選べないのは残念なところです
他ブランドとの比較がしにくいのが残念なところ
イスカの寝袋は寝袋の温度表記が他者と異なり、「最低使用温度」になっています
これが結構やっかいで、
他ブランドの寝袋との比較がしにくいんです
寝袋はEU諸国の統一規格「ヨーロピアンノーム」いによってEN13537方式で算出されています
統一された検査基準によって検査された温度表示は
- コンフォート(快適使用温度)
- リミット(下限温度)
- エクストリーム(限界温度)
の3つが算出されます
各温度表示が意味するのは以下の通り
コンフォート | リミット | エクストリーム |
一般女性が楽な姿勢で寒さを感じることなく 使用できる温度 | 一般男性が体を丸めた姿勢で寒さを感じることなく 使用できる温度 | 一般女性にとって低体温症になる危険のある 最低使用温度 |
イスカの寝袋もいくつかのモデルをヨーロピアンノームでの測定検査を行っているようですが、全てのモデルは測定結果はカタログにもホームページにも記載されていません
理由は蓄積したデータや経験に基づいた算出をしているから
(以下イスカカタログより引用)
ヨーロピアンノームは一定基準での検査になるため、寝袋の比較がしやすくはなりますが、タイトさや通気性の劣るシェル素材などがデータアップされる結果になる事があるようです
イスカではそう言ったことも踏まえ、「最低使用温度」とすることで快適睡眠を実現できる余裕を残して表記しています
最低使用温度は蓄積したデータや経験に基づいて、設計上の仕様や素材から算出されています
おすすめスリーピングバッグ5選
絶対寒い思いをしたくないキャンパー/冬の2000m級の山岳でも使うならエアプラス630
最低使用温度がマイナス15℃のエアプラス630はキャンプでの使用において最強クラスともいえるスペックです
エアプラス630にインナーやカバー、ウエアなどを着込む事でさらに低温環境でも対応していく事が可能!
800FPの高品質なダウンが使われているので軽量・コンパクトなので登山や釣りでの使用にも適している寝袋です
3シーズン用だけどほぼ4シーズン使えるエアドライト480/ポカラX
エアドライト480、ポカラXは最低使用温度がマイナス6℃のスリーシーズン用の寝袋です
「一つの寝袋で一年中使いたい」そんな人にはおすすめの寝袋です
「軽さ・携帯性」を重視するならエアドライト480を、「コスパ」を重視するならポカラXがおすすめ
中途半端、でも何かと便利なのがエアドライト160
夏季登山や、今持っている寝袋を厳冬期の登山でも使う時の保温力のブーストとしてエアドライト160がおすすめ
寝袋が肩までをカバーする形状なので軽さとコンパクトさが魅力、重量が360グラムなので装備をできるだけ軽くしたいミニマリストにぴったりなモデルです
3シーズンがメイン:コストパフォーマンスに優れた化繊寝袋アルファライト500
コストパフォーマンスに優れたアルファライト500Xは化繊寝袋なので雨に強いのが魅力
雨の多い時期や、悪天候の中での使用におすすめです
おわりに
イスカのスリーピングバッグ全モデル比較・2023年版として解説してきました
寝袋は道具の中でも1、2を争う高価な道具です
しっかり比較をして自分に合ったベストな寝袋を見つけましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました
何かみなさんの寝袋選びの参考になれば嬉しいです