この記事では、一見すると違いがなんなのか分かりにくい、「山渓別注オーロラDX」と「オリジナルのオーロラやオーロラライト」の違いや、スペックを比較解説します
何かみなさんの寝袋選びの参考になれば嬉しいです
山渓ってなに?
山渓とは1968年創業の老舗アウトドアショップです
大分駅前で「山とスキーの専門店」として創業し、1992年にはウォーキング、キャンプ、カヌーなど、アウトドアスポーツ全般を取り扱うようになりました
そんな老舗アウトドアショップ、「山渓」が別注で制作している寝袋が本日紹介する寝袋です
オリジナルとのとの違い
では早速、山渓別注のナンガ・オーロラDXがオリジナルとの違いを見ていきましょう
「山渓ナンガオーロラDX」「オーロラライト」「オーロラ」
呼び方がややこしいのでここからは
山渓別注ナンガオーロラDXを「山渓別注」
純正品をそれぞれ「オーロラライト」「オーロラ」
と呼んでいきます
山渓別注はオーロラとオーロラライトのいいところ取り!
山渓別注の寝袋ははナンガオリジナルのオーロラとオーロラライトシリーズのいいところ取りした寝袋なんです!
ナンガのオーロラとオーロラライトをくっつけたような寝袋となっています
- 使っているダウンが「オーロラライト」と同じ
- 使っている生地が「オーロラ」と同じ
それでは違いを詳しく見ていきましょう
山渓別注は760FPのスペイン産ダックダウンを使用
ダウンはDXダウンを使っています
スペイン産ダックダウンを使った760FPの高品質のダウンで、オーロラライトに使われているダウンと同じです
オーロラは650FPのダウンを使用していますので、山渓別注はオーロラよりも高品質なダウンを使っている分、使用温度はハイスペックな寝袋となっています
(使用温度の比較は後半でします)
FP・フィルパワーとは
ダウンの測定基準で、「ダウンの強度」「その圧力に対する反発力」「かさ高さ」を数値で表したものです。数値が高いほど高品質と言われます。詳しくはこちら
日本繊維製品品質技術センターより
オーロラライトよりも生地が厚い
生地は表地に40dnオーロラテックス、裏地に40dnナイロンを使用しています
これはオーロラと同じ生地となります
オーロラライトは生地が15dnなので、オーロラライトと比較した場合には山渓別注の生地が厚く、オーロライトよりも重量の重くなります(差は僅かですが)
より薄手の生地を使っているために重量が軽いのが特徴です
オーロラテックスとは
オーロラテックスはナンガが開発したオリジナルの生地です
多孔質ポリウレタン防水コーティング加工を施したナイロン生地。防水性を高めると蒸気透湿性が低下するという問題を高レベルで解決した素材。2レイヤ地で20,000mm・透湿性6,000g/m2/24hrs、という高レベルの防水透湿性能を持っています。
ナンガ・ホームページより
dn(デニール)とは
デニール合成繊維の糸の太さを表す単位です
1デニール(dn)=9,000mの長さで重量が1gの糸です
例えば9000メートル100グラムの場合は100dn(デニール)になります
デニール数が高くなるほど糸が太くなり、太い糸で織った生地は強度が高くなります。
山渓別注のメリット
- 価格が安くコストパフォーマンスに優れている
- 高品質なダウンを使用していてハイスペック
- 豊富な種類、ロングサイズもあり!
価格が安く、コストパフォーマンスに優れている
オーロラライトと比べて価格が安く、コストパフォーマンスに優れています
山渓オーロラDXは大量オーダー・単一カラー、受注生産で作ることで製造時に大幅なコストカットをすることで高いスペックで低価格での販売ができています
(リストは横にスクロールできます→)
モデル | オリジナル | 山渓別注 | 差額 |
---|---|---|---|
900DX | ¥71,500 | ¥49,800 | ¥21,700 |
750DX | ¥66,000 | ¥44,800 | ¥21,200 |
600DX | ¥59,400 | ¥39,800 | ¥19,600 |
450DX | ¥47,300 | ¥34,800 | ¥12,500 |
350DX | ¥41,800 | ー | ー |
280DX | ー | ¥23,800 | ー |
760FPのDXダウンが使用されていてハイスペック
山渓別注はネーミングこそ「オーロラ」となっていますが、使用しているダウンはオーロラライトと同じ760FPのDXダウンが使用されています
そのため、使用温度はオーロラライトと同じです
モデル | 快適使用温度 | 下限温度 |
---|---|---|
900DX | -10℃ | -19℃ |
750DX | -8℃ | -16℃ |
600DX | -6℃ | -11℃ |
450DX | 0℃ | -5℃ |
280DX | 8℃ | 4℃ |
温度表記:ヨーロピアンノームについて
EN(ヨーロピアン・ノーム)とは、EU諸国における統一規格として制定されている規格の総称で、ヨーロピアン・スタンダードとも呼ばれます
スリーピングバックに関する温度表記についてはEN13537で算出が定義されています
今までは各メーカーが独自の方法で算出されていた使用温度を、同一基準で示しています
ナンガホームページより
EN13537とは、決められた環境・手順で検査を行う検査方法のことです
ヨーロピアンノームの表記は「コンフォート(快適使用温度)」「リミット(下限温度)」「エクストリーム(限界温度)」を同基準で明確に数値で確認することができます
寝袋のスペックを比較するための目安にしやすい数値です
それと重量や収納サイズを比較すれば自分に合った寝袋が探しやすくなります
快適使用温度や下限温度の条件についても細かく設定されています
ヨーロピアンノームの表記やEN13537の検査方法についてより詳しく知りたい方はナンガ・ホームページよりご覧ください
豊富な種類:ロングサイズもあり!
900DX、750DX、600DX、450DX、280DXと豊富なラインナップです
寝袋のサイズもレギュラー、ロングサイズの2種類があるので、自身の体型に合わせて寝袋を選ぶことができます
身長が高い人や体格が大きい人はロングサイズを!
レギュラーサイズの適応身長は178cm(肩幅80cm)です
身長が高い人や体格の大きい人はロングサイズがおすすめ!
身長が高い人がレギュラーサイズを使うと寝袋に入ったときにつっぱってしまい、ダウンのロフトを潰してしまう可能性があります
ダウンが潰れてしまうと本来の保温力が発揮されずに冷えを感じてしまう原因になってしまうので気をつけましょう
山渓別注のデメリット
- 購入してから納期に時間がかかる
- オーロラライトと比較すると重く、収納サイズも大きい
受注生産のため、納期に時間がかかる
山渓オーロラDXシリーズは受注生産のため、購入してから納期まで時間がかかります
楽天市場などで実際に見ていただけると分かりやすいのですが、商品名のところに大体の納期が記載されています
受注してから納期まで数ヶ月あったりするのですぐに使いたい人は諦めるしかありません
山渓オーロラDXの購入を考えている人は早めに購入しておくことをおすすめします
実際に私も過去に山渓オーロラDXを購入しようとしたんですが、納期がだいぶかかってしまうために諦めました
詳しい納期については購入後にいつ頃になるかが連絡きます
オーロラライトと比較すると重く、収納サイズも大きい
山渓オーロラDXはオーロラライトに比べて
収納サイズが大きく、重いのがデメリットです(比較表はこの後)
その差は若干ではありますが、とにかく装備を軽量に、コンパクトにしたいと考えている人はオーロラライトがおすすめです
それでも山渓オーロラも十分コンパクトになる寝袋なのでそこまでこだわらない人には山渓オーロラDXはおすすめです
スペック比較
使われているダウン量が同じ「ナンガオーロラ750」、「ナンガオーロラライト750DX」、「山渓オーロラ750DX」をそれぞれ比較したのが以下の通りです
(リストは横にスクロールできます→)
山渓別注750DX | オーロラ750 | オーロラライト750DX | |
ダウン | 760FP | 650FP | 760FP |
生地:表地 | 40dオーロラテックス | 40dオーロラテックス | 15dnオーロラテックス |
生地:裏地 | 40dnナイロン | 40dnナイロンタフタ | 15dnリップストップナイロン |
収納サイズ | φ22×32cm | φ22×32cm | φ19×31cm |
重量 | 1,400g | 1,490g | 1,290g |
快適使用温度 | -8℃ | -6℃ | -8℃ |
下限温度 | -16℃ | -14℃ | -16℃ |
価格(税込) | 44,800円 | 44,000円 | 66,000円 |
山渓別注オーロラDX・スペック一覧
山渓別注オーロラDXの各スペックは以下の通り
(リストは横にスクロールできます→)
900DX | 750DX | 600DX | 450DX | 280DX | |
---|---|---|---|---|---|
快適温度 | -10℃ | -8℃ | -6℃ (-4℃) | 0℃ | 8℃ |
下限温度 | -19℃ | -16℃ | -11℃ | -5℃ | 4℃ |
収納サイズ | φ22×34cm (φ21×41cm) | φ22×32cm (φ19×31cm) | φ18×30cm (φ17×31cm) | φ17×29cm (φ14×30cm) | φ15×25cm |
重量 | 1,550g (1,400g) | 1,400g (1,280g) | 1,250g (1,100g) | 1,000g (865g) | 840g |
価格 | 49,800円 (69,300円) | 44,800円 (63,800円) | 39,800円 (58,300円) | 34,800円 (45,100円) | 23,800円 |
()の中の数値はナンガ・オーロラライトの数値です
比べてみると分かるように、
オーロラライトの方が収納サイズは小さく、コンパクトで軽量ですが、価格はかなり高いです
保温力は同じなので納期まで待てる人や、多少重く、週のサイズが大きくなってしまうのが気にならない人は山渓別注のオーロラDXにする価値はあります
価格も安く予算を抑えることができるのも魅力的です
山渓別注オーロラDXラインナップ
快適使用温度がマイナス10℃!最強の冬用寝袋900DX
快適使用温度がマイナス10℃、下限温度がマイナス19℃と冬用として一番ハイスペックな寝袋が900DXです
本州の標高の低い場所でのキャンプであればオーバースペックな900DXは絶対に寒さを感じたくない心配性な人におすすめ!
この寝袋を持っていれば冬でもパンツ一丁で寝ることだってできちゃいます
冬用寝袋を探している寒がりな人には750DX
厳冬期に標高の高い場所でも使える寝袋を探している人には750DXがおすすめです!
快適温度が-8℃、下限温度が-16℃なのでハイスペック!
何より寒さへの不安や、安心が欲しい人にこのスペックは申し分なしです!
キャンプがメインなら600DXでも十分!
寝袋の使用目的がキャンプがメインなら600DXでも十分に快適に眠ることができます
快適温度がマイナス6℃、下限温度がマイナス11℃のハイスペックな寝袋でありながら、4万円を切る価格で購入できるのは破格とも言えます
ほぼ4シーズン使える450DX
山渓オーロラDXシリーズで一番おすすめなのが450DXです
ほぼ4シーズン使える寝袋で、年間を通して出番が一番多い寝袋になってくれることと、価格です
私が使っている3シーズン用の寝袋はオーロラライト450DXです
インナーシーツやカバーとの組み合わせで冬の使用も可能!
実際に使っていて本当におすすめできる寝袋です
はじめての寝袋としてもおすすめ!
ナンガオーロラライト450DXについて詳しく知りたい方は過去の記事もご覧ください
3シーズンで夏がメインなら280DX
夏場の使用がメインだったり、山小屋での使用を考えているなら280DXが活躍します
重量は840gと軽量で、収納サイズもコンパクトなので、バックパックひとつで行動する人やULキャンパーにもおすすめの寝袋です
体格のがっしりした人や、長身の人にはロングサイズ!
レギュラーサイズの適正身長が175cmまで、最大肩幅80cmなので、長身の人や、体格のがっしりした人にはロングサイズがおすすめです
ロングサイズは価格は少し高くはなりますが、無理にレギュラーサイズを使用すると窮屈だったり、突っ張ってしまいダウンが潰れ、本来の保温力を発揮できないなんて事にもなりかねません
まとめ・こんな人におすすめ
要するに山渓別注のオーロラは、
ナンガ・オーロラライトよりも少し、重いし、嵩張るけど保温力は同じだけど、価格がやすい寝袋です
そしてナンガ・オーロラと大体同じくらいの価格・収納サイズありながら、より品質のいいダウンを使用していて、軽量な寝袋です
- 品質のいい寝袋をできるだけ安く欲しい人
- 重量やコンパクトさよりも保温力重視の人
- 納期まで待てる人
おわりに
いかがでしたでしょうか
山渓別注のナンガ・オーロラDXと純正品の違いについての解説でした
納期を待てる人であれば低価格で高いスペックの寝袋が手に入るので個人的には「買い」だと思っています
価格、保温力、重量、コンパクトさ、どれを重視するかは人それぞれだと思います
自分に合った寝袋を見つけてキャンプに出かけましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました
何かみなさんの道具選びの参考になれば嬉しいです