私は3シーズン用の寝袋を買う時に、オーロラライト350DXにするか、450DXにするかものすごく迷いました
悩んだ結果、オーロラライト450DXにしました
この記事では、オーロラライト350DXと450DXのスペックや特徴を比較・解説しつつ、私が悩んだポイント、450DXにした理由を解説します
- オーロラライト350DXと450DXのスペック比較
- 450DXにした理由(おすすめポイント)
- 350DXがおすすめな人、450DXがおすすめな人
〈自己紹介〉
- キャンプ歴は20年以上
- 渓流釣り(テンカラ)5年目
- アルプスから低山まで山登り
- 装備はできるだけ軽く、ULなスタイルで(現在ベースウエイト4.5kg)←装備について詳しくはこちら
ナンガ(NANGA)の歴史
1941年に初代社長・横田駒三(よこた こまぞう)が「横田縫製」を創業。布団の製造が原点
近江真綿を使用した敷き布団の製造が盛んな地から生まれた滋賀県の寝袋メーカーです
1988年に国内大手アウトドアブランドから寝袋縫製依頼があり、NANGAの原点となる寝袋の縫製を開始
1995年から社名がナンガに変更
「ナンガ」という名はヒマラヤ山脈の世界9位の高峰ナンガ・パルバットに由来している
ナンガの歴史についてもっと詳しく知りたい人はナンガホームページへ
ナンガの寝袋は永久保証
ナンガのスリーピングばっくであれば「永久保証」の対象となり、期間を限定せずに永久に修理保証の対象となります
修理には有償となってしまうケースもあるようですが製品に不良があった場合には無償での修理をしてくれます(要問い合わせ)
羽毛メーカー、河田フェザーで洗浄・加工
NANGAが使用する羽毛は、羽毛加工メーカー『河田フェザー』で洗浄加工されます
環境、優れた技術、そして人の手作業を駆使してキレイな羽毛が生み出されますので品質はまず問題ありません
充実したアフターサービス
ナンガはアフターサービスが充実しているのも魅力!
永久保証の他にも様々なサービスがあります
- 古くなった寝袋を仕立て直し(古くなった寝袋を復活)
- 羽毛増量(使っている寝袋をパワーアップ)
- 寝袋のクリーニング(定期的なメンテナンスで品質を維持)
全て有料にはなりますが、こういったサービスが豊富なのは初心者から経験者まで安心ですね
アフターサービスについて申し込みや詳しくはナンガホームページより確認ください
私がオーロラライト450DXにした理由
- 3シーズン用としての保温力の高さ
- 使用基準を寒さに合わせた
- 「コンパクト」「軽さ」よりも「あたたかさ」重視
- 価格と保温力のバランス(コスト)
450DXにした理由については記事の後半で詳しく解説します(さっさとみたい人は目次から飛んじゃってください)
まずは350DXと450DXスペックの比較や詳しい理由を見ていきましょう
スペックの比較
オーロラライト350DXと450DXは同じシリーズですので使っている生地などの仕様は同じです
違いとしては大きく二つ、
- ダウンの量
- 構造
この二つの違いから重量と収納サイズも変わってきます
まずは二つの違いを見ていきましょう
詳細スペックの違い
ダウンの量
使用されているダウンはフィルパワーは同じ760ですが、使われているダウンの量が違います
350DX | 450DX |
350g | 450g |
フィルパワーとは、ダウンの品質を表すもので、
ダウンの測定基準で、「ダウンの強度」「その圧力に対する反発力」「かさ高さ」を数値で表したものです
数値が高いほど高品質と言われています
構造の違い
構造についても違いがあります
出典:NANGA HP
シングルキルト構造は、非常にシンプルで重量を抑えられる縫製方法で、表地と裏地を直で縫い合わせることで、軽量かつ小型にできる構造です
ボックスキルト構造は、ダウンの保温性能を活かすために最も効率的な方法で、表地と裏地の間に通気性のあるメッシュを配置し片寄りを防ぐために縦横にボックスを設定する構造です
軽さを重視させた350DXはシングルキルト構造なのに対し、
450DXは下面はシングルキルト構造、上面はボックスキルト構造で上下で構造を変えており、軽量化をしつつ、保温力を上げるためのハイブリットな作りになっています
悩んだポイント
どちらにするかで悩んだポイントは以下5つ
- 使用温度(季節・環境)
- 収納サイズ・重さ
- 価格(予算との折り合い)
使用温度(季節や環境)
寝袋を購入するときに一番気にするのってやっぱり使用温度ですよね
自分が使う季節・場所や状況によって「どんな保温力を備えた寝袋」にするか、そこに悩みは尽きません
350DXは快適使用温度が5℃で下限温度が0℃で、3シーズンでも気温が高い時期の使用に適しています(夏のアルプステント泊とか)
対して450DXは快適使用温度が0℃で、3シーズン用の寝袋として位置付けられていますが快適使用温度が0℃で、ある程度気温が低い環境でも使用ができます(春先や秋のアルプスとか)
購入を考えている寝袋に対して「いつ・どこで」使うのかをある程度定めてしまった方が選びやすくなります(決めれない人は考える中で最も気温が低い環境での使用をベースにするのがおすすめ)
収納サイズ・重さ
バックパックひとつに衣食住を背負うのであれば装備の重量は少しでも軽い方がいいです
重量や収納サイズの比較だけでみると使用しているダウン量が少なく、構造が違う分、オーロラライト350DXの方が軽量ですが、重量や収納サイス比較だけで選んでしまうのは早計です
装備はできるだけ軽い方がいいですが、これも使用する環境が重要になってきます。軽い方がいいからって薄手の寝袋を選んだとしても寒くて眠れないのでは本末転倒
使用する環境に合わせて、最軽量を選べるように寝袋の使用温度と合わせて比較しましょう
予算との折り合い
保温力を維持しつつ、よりコンパクトさを求めるにはより高品質なダウンが使われている寝袋を選ぶ必要があります
予算に限りがないのであれば別ですが、やっぱり価格は無視できません
インフレの影響で価格が高騰している寝袋。簡単には買うことのできない値段になっています
予算についてはお財布とよく相談する必要がありますが、記事の後半でリーズナブルに購入する方法を紹介します
450DXにした理由・使っている感想
はじめに紹介した通り、私が450DXにした理由は以下の通りです
- 3シーズン用としての保温力の高さ
- 使用基準を寒さに合わせた
- 「コンパクト」「軽さ」よりも「あたたかさ」重視
- 価格と保温力のバランス(コスト)
オーロラライト450DXの詳しいレビューは別途記事にしていますので詳しくはそちらをご覧ください
この記事では350DXか450DXにするかで悩んだ結果、450DXにした理由を解説します
3シーズン用としての保温力の高さ
快適使用温度が0℃のオーロラライト450DX
3シーズン用の寝袋としては保温力が高く、安心感があります
オーロラライトシリーズは防水透湿性の高い生地が使われているのでカバーなしでの使用もOK
タープ泊やハンモック泊のスタイルが好きな私にとって保温力と防水性のバランスは重視したポイントです
機密性の高いテントでの使用がメインなら、外気温よりも高いテント内で寝れますが、タープ泊は雨は凌げるものの、ほぼ外で寝る状態のため外気温の影響をダイレクトに受けます。保温性能が高いほうが快適に眠ることができます
単体での使用限界はマイナス5℃くらい(個人差あり)さらに低温な環境の時にはインナーシーツやカバーと併用して使用し、しっかりとウエアを着込むことでより低温の環境でも凌ぐことができます
標準を寒さに合わせた
寝袋を選ぶ際、「暑さ」に合わせるか「寒さ」に合わせるかで選択は変わってきます
もし気温が高く暑い時期に使うための寝袋を探しているのであればオーロラライト350DXが快適です
オーロラライト450DXは350DXに比べ保温力が高いので、夏場など気温が高い時には暑さを感じますが、暑い分には寝袋を布団のようにかけたり、寝袋に入らずに寝ることで対処できます
問題はやはり「寒さ」
寒い時には着込んで凍えながら夜が明けるのを待つしかありません(それは辛すぎます)
私は0℃くらいまでの環境で快適に眠れる寝袋を探していたのでオーロラライト450DXにしました
「コンパクト」「軽さ」よりも「あたたかさ」重視
装備を決める時に、軽量化を意識しすぎて寝袋のスペックを下げてしまうのは愚行です(その愚行を繰り返して痛い目に遭っているのは私ですが)
寝袋は装備の中でも重たいので寝袋のスペックを下げることで軽量化への影響は大きくなりますが、寒さで一睡もできないのは想像以上に過酷なので寝袋はコンパクトさや軽さよりも「あたたかさ」を重視するようにしています
迷ったら「あたたかい方」を。「安心できる方」を
装備を決める時や、ウエアやスリーピングギアを選ぶ時の基準にしています(安心感は道具を選ぶ時に重要なこと)
450DXでも十分「軽量・コンパクト」!
収納サイズ、重量を比較すると350DXの方が軽量でコンパクト
ですが、
450DXでも十分軽量でコンパクトです
40〜50Lのバックパックであれば450DXでも問題なくテント泊装備をパッキングすることができます
価格と保温力のバランス
道具の中でも高価な寝袋
どうしても無視できないのがコストです
寝袋の保温力と価格は総体関係にあり、保温力が高くなれば価格も上がります(上質なダウンを使う量が増えるし、構造も違うから)
予算についてはお財布に相談してみるしかありませんが、「寝袋は少しでも温かい方を買え」というのが個人的な意見(おすすめ)です
これまで「寒さ」に対して数え切れないほど辛い思いをした経験から絶対に温かい方がいいです
コストを抑えたい人におすすめ!「さかいやスポーツ別注」オーロラライト
コストを抑えたい人は「さかいやスポーツ」別注のオーロラライトがおすすめです
オリジナルのオーロラライトに比べてリーズナブルに購入できます
350DX | 450DX | |
さかいや別注 | 31,800円 | 37,800円 |
オリジナル | 45,100円 | 50,600円 |
差額 | 13,300円 | 12,800円 |
さかいやスポーツ別注とオリジナルの価格を比べてみるとびっくり。さかいやスポーツのオーロラライトならオリジナルのオーロラライト350DXを買うよりも安く450DXが購入できます(若干の仕様の違いなどはあります)
さかいやスポーツ別注オーロラライトついて、オリジナルとの違いや比較など詳しくはこちらで解説しています
私が使用している冬用の寝袋はさかいやスポーツ別注のオーロラライト(600DX)ですが、大満足の寝袋です
キャンプでの使用がメインなら「山渓」別注も候補に
登山ではなく、キャンプがメインでの使用を考えている人は「山渓」が別注しているオーロラDXもおすすめです
350DX | 450DX | |
山渓別注 | 対象なし | 34,800円 |
オリジナル | 45,100円 | 50,600円 |
差額 | – | 15,800円 |
山渓の別注オーロラDXは350DXがありませんので450DXでの比較のみになります
デメリットは納期まで時間がかかることと、若干重いことと納期まで時間がかかることです
納期が待てて、少し重いくらい問題ない人には山渓別注モデルがおすすめ!
詳しくはこちらで解説しています
オーロラライト450DXのデメリット
オーロラライト450DXは3シーズン用寝袋として最強クラスですが、デメリットもあります
- 冬用寝袋と使用時期がかぶる
- 夏用としては暑くて使えない
中途半端ともいえるスペック・冬用寝袋と使用時期がかぶる
オーロラライト450DXはマイナス5℃くらいまでの環境であれば使うことはできますが、これは平地であれば冬でも使えるくらいのスペックです
冬用の寝袋を持っている人にとってはどちらを持っていくか迷うところ。言葉を選ばずに言うと、450DXは「ちょっと中途半端な寝袋」とも言えます
冬用の保温力の高い寝袋を持っている人は450DXは選ばない方がいいと思います
冬用の寝袋を持っている人は350DXがおすすめで、冬用と3シーズン用を使い分けることで使用時期が被らずに効率よく使用することができます
冬用と3シーズン用の寝袋を持つならおすすめの組み合わせはコレです
3シーズン用 | オーロラライト350DX |
冬用 | オーロラライト600DX |
3シーズン用 | オーロラライト450DX |
冬用 | オーロラライト750DX |
モデル名の数字が近い寝袋ほど使用時期がかぶってしまうので自身の寒さへの耐性の強さを考えながらバランスを見て選ぶと失敗しにくいです
夏は暑くて使えない
保温力の高いオーロラライト450DXですが、夏場など気温が高い時期は出番が少なくなります
標高の高い山岳地帯なら使いますが、標高の低いキャンプ場での使用は暑くて使いにくいです
350DXと450DXはそれぞれこんな人におすすめ
- 軽量化を優先させたい
- コンパクトさを重視したい
- 気温が高い時期に適した寝袋がほしい
- 冬用の寝袋を持っている
ウエアと併用したり、インナーをうまく活用できる中・上級者には軽量・コンパクトなオーロラライト350DXを選ぶのもいいかもしれません
- 幅広い季節・気温に対応できる寝袋がいい
- 低温環境でも使いたい(マイナス5℃くらい)
- コンパクトさよりもあたたかさを重視したい
寒さにちょっとでも不安があるなら保温力の高い450DXがおすすめ!
おわりに
ナンガ・オーロラライト350DXと450DXどちらにするか悩み、450DXにした理由を紹介しました
キャンプや登山での睡眠は満足度に直結します!少しでもあたたかい寝袋でぬくぬくしましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました
何かみなさんの寝袋選びの参考になれば嬉しいです
オーロラライト「350DXと450DX」どちらにするか迷っている