この記事では、イスカのダウンシュラフ「エアプラス」と「エアドライト」の特徴や違いを解説します
後半では「エアプラス」と「エアドライト」の比較リストも作成しましたので参考になればうれしいです!
日本の寝袋ブランドISUKA(イスカ)
イスカは昭和47年(1972年)に創業された日本のアウトドアブランドです
寝袋(シュラフ)をメインに、スタッフバッグやレインバッグカバー、スパッツ、ソフトクーラーなどを取り扱っています
イスカの企業情報について詳しくはこちら
イスカのフラッグシップモデル「エアプラス」
出典:ISUKA
「エアプラス」シリーズはイスカのダウンシュラフの中で最上位のフラッグシップモデルです
「かるく」「ちいさく」「あたたかく」のコンセプトを高いレベルで実現されたモデルで、800FP(フィルパワー)の高品質なホワイトグースダウンが使用され、付帯機能、構造にはイスカのテクノロジーが存分に使われています
- エアプラス810
- エアプラス630
- エアプラス450
- エアプラス280
アウトドアを楽しむすべての人におすすめな「エアドライト」
出典:ISUKA
「かるく」「ちいさく」「あたたかく」のコンセプトはそのままに、より気軽に使えるようにコストを極限まで抑えられたモデルで、コストを抑えつつも750FP(フィルパワー)のダウンを使用し、性能は申し分なし。登山者からキャンパーまで幅広く使う事ができるモデルです
- エアドライト860
- エアドライト670(ショートサイズあり)
- エアドライト480(ショートサイズあり)
- エアドライト290(ショートサイズあり)
- エアドライト190
- エアドライト160
- エアドライト140
エアプラスとエアドライトの共通点と違いについて
どちらのモデルも名前に「エア」がついていて、「かるく」「ちいさく」「あたたかく」のコンセプトを基に作られているわけですが、共通点もあれば違いもあります
- 生地
- 構造や付帯機能
- スペックによって着ぶくれに対応された細かいサイズの違い
- 使用されているダウンの品質
- 重量
- 価格
- ラインナップ・ショートサイズ
エアプラスとエアドライト共通点
エアプラスもエアドライトも本体の生地には15デニールの極薄リップストップナイロンを使用しています
D(デニール)とは生地の厚さの単位のことで、数値が大きい方が厚手、小さくなると薄くなります
構造や付帯機能もエアプラス、エアドライトともに共通で、3シーズンと4シーズン(冬用)モデルで異なるところはあるものの、どちらもイスカのテクノロジーが詰め込まれた寝袋になっています
イスカの寝袋の構造や付帯機能について詳しくは公式ホームページをご覧ください
イスカの寝袋はモデルや対応温度によってサイズを変えているのも共通の特徴です
例えば、薄手の3シーズン用の寝袋では肩幅は78cmで作られていますが、4シーズン用の厳冬期にも対応するような寝袋では着込むことも想定され、肩幅は84cmで作られています
エアプラスとエアドライトの違い
エアプラスとエアドライトは、封入されているダウンの品質が違います
エアプラスの方がより高品質なホワイトグースダウンが使用されています
エアプラス | エアドライト |
800FPホワイトグースダウン | 750FPダックダウン |
出典:ISUKA
ダウンの測定基準で、「ダウンの強度」「その圧力に対する反発力」「かさ高さ」を数値で表したものです
数値が高いほど高品質と言われていて、同じダウン量ではFP数値の高い方が保温力が高いです
使用されたダウンの違いが生む「重量」と「価格」の違い
使用されるダウンから生まれるのは「重量」と「価格」の違いです
エアプラスで使用されているダウンの方が高品質で、使用するダウン量が少なくても保温力が高いため、重量が軽くなりますが、高品質であるがゆえに価格は高くなります
エアプラス、エアドライトの同等モデルでの比較をしてみるとこんな感じ
エアプラス | エアドライト | 差 |
---|---|---|
エアプラス280:550g | エアドライト290:560g | 10g |
エアプラス450:840g | エアドライト480:870g | 30g |
エアプラス630:1,030g | エアドライト670:1,070g | 40g |
エアプラス810:1,280g | エアドライト860:1,330g | 50g |
モデル名になっている数値は使用されている「ダウンの量」を表しています
重量の差は使っているダウン量の分だけ差があり、エアドライトの方が重くなっています
エアプラス | エアドライト | 差額 |
---|---|---|
エアプラス280:¥40,700 | エアドライト290:¥33,990 | ¥6,710 |
エアプラス450:¥51,700 | エアドライト480:¥44,550 | ¥7,150 |
エアプラス630:¥61,600 | エアドライト670:¥57,200 | ¥4,400 |
エアプラス810:¥71,500 | エアドライト860:¥66,550 | ¥4,950 |
価格を比較してみると分かるのが、3シーズンモデルの方が価格差が大きく、4シーズンモデルの方が価格差が小さいことです
ダウン量の差は4シーズンモデルの方が大きいのに価格差は3シーズンモデルの方が大きくなるという不思議な結果になりました
ラインナップの違い
エアプラスとエアドライトではラインナップされているモデル数が違います
エアプラス | エアドライト |
---|---|
エアプラス810 エアプラス630 エアプラス450 エアプラス280 | エアドライト860 エアドライト670(ショートサイズあり) エアドライト480(ショートサイズあり) エアドライト290(ショートサイズあり) エアドライト190 エアドライト160 エアドライト140 |
エアプラスはショートサイズの展開はなく、4種類なのに対し、エアドライトは7種類のラインナップがあり、ショートサイズも合わせると全10種類から選ぶことができます
エアプラスとエアドライトのラインナップとスペック比較
エアプラスとエアドライトの使用温度や重量、収納サイズ、価格を総合的に比べてみるとこんな感じになります
エアプラス | エアドライト |
---|---|
エアプラス810 最低使用温度:-25℃ 収納サイズ:φ21×37cm 平均重量:1,280g 価格(税込):¥71,500 | エアドライト860 最低使用温度:-25℃ 収納サイズ:φ21×37cm 平均重量:1,330g 価格(税込):¥66,550 |
エアプラス630 最低使用温度:-15℃ 収納サイズ:φ20×34cm 平均重量:1,030g 価格(税込):¥61,600 | エアドライト670 最低使用温度:-15℃ 収納サイズ:φ20×34cm 平均重量:1,070g(1,010g) 価格(税込):¥57,200 |
エアプラス450 最低使用温度:-6℃ 収納サイズ:φ16×32cm 平均重量:840g 価格(税込):¥51,700 | エアドライト480 最低使用温度:-6℃ 収納サイズ:φ16×32cm 平均重量:870g(830g) 価格(税込):¥44,550 |
エアプラス280 最低使用温度:2℃ 収納サイズ:φ14×24cm 平均重量:550g 価格(税込):¥40,700 | エアドライト290 最低使用温度:2℃ 収納サイズ:φ14×24cm 平均重量:560g(530g) 価格(税込):¥33,990 |
エアドライト190 最低使用温度:8℃ 収納サイズ:φ12×21cm 平均重量:415g 価格(税込):¥26,400 | |
エアドライト160 最低使用温度:8℃ 収納サイズ:φ11×19cm 平均重量:360g 価格(税込):¥21,450 | |
エアドライト140 最低使用温度:8℃ 収納サイズ:φ10×18cm 平均重量:300g 価格(税込):¥19,800 |
比較して分かること
エアプラスとエアドライトを比較してみると見えてくるものがあります
- エアドライトはダウン量を増やすことで使用温度を確保している
- 収納サイズは同じ
エアドライトはダウン量を増やすことで使用温度を確保している
エアプラス、エアドライトの同等モデルでの比較をしてみると、最低使用温度が同じになっています
エアプラス | エアドライト |
---|---|
エアプラス280:2℃ | エアドライト290:2℃ |
エアプラス450:-6℃ | エアドライト480:-6℃ |
エアプラス630:-15℃ | エアドライト670:-15℃ |
エアプラス810:-25℃ | エアドライト860:-25℃ |
モデル名になっている数値は使用されている「ダウンの量」を表しています
使用するダウンの量が同じであればエアプラスの方が高品質なダウンを使っている分、保温力は高くなりますが、エアドライトはエアプラスよりも多くのダウンを封入することで保温力を確保しています
収納サイズは同じ
エアプラス、エアドライトでは収納サイズも変わらない事が分かります
エアプラス | エアドライト |
---|---|
エアプラス280:φ14×24cm | エアドライト290:φ14×24cm |
エアプラス450:φ16×32cm | エアドライト480:φ16×32cm |
エアプラス630:φ20×34cm | エアドライト670:φ20×34cm |
エアプラス810:φ21×37cm | エアドライト860:φ21×37cm |
両者の重量では違いがあるものの、収納された時のサイズは同じになります
スペックを比較してみるとエアプラスの「うまみ」が目立たない
ここまで比較してみて私が正直に感じるところとしては、エアプラスを選ぶ「メリット」があるのか?
という事です
重量はわずかに軽いエアプラスですが、重量の差以上に価格差が大きく(エアプラス高い)、使用温度が同じである以上、最上位モデルであるエアプラスは価格が高い事が目立ってきてしまい、「良さ」を感じる事ができないのが残念なところです
イスカで働く方とお話しさせていただく機会があったので、思い切ってエアプラスの強みがなんなのか?と差別化はどうしているのか?を聞いてみました!
エアプラスとエアドライトの違いは「ダウン」ですが、このダウンにはかなりの違いがあるそうです!
エアプラスに使っている「グースダウン」の特徴は、
- 羽毛が根元まで密になっていて保温性が高い
- しなやかな羽毛で折れにくく耐久性が高い
- 草食の鳥なのでもともと獣臭がほとんどない
- 羽毛そのものが持つ撥水性能がダックダウンに比べて極めて高い
そして、グース(がちょう)の方がダック(あひる)に比べて育てるサイクルも長くかかることから高級なダウンである事が大きな違いだそうです!
まとめ
- 山岳地帯で使うための寝袋を探している人
- 厳冬期の山岳地帯での使用をしたい人(4シーズンモデル)
- 1gでも軽い寝袋がいい人
- 山岳地帯での使用のほかに、キャンプでの使用も考えている人
- コストを重視する人
- コスパを意識しつつも、保温力や軽さ・コンパクトさも外せない人
結論:軽さを突き詰めるならエアプラス!コスパ重視ならエアドライト!
結論としては、装備を1gでも軽くしたいグラムカッターなハイカーやキャンパーであればエアプラスがおすすめで、コストを抑え、コンパクトさを求めつつ、保温力が欲しい人であればエアドライトを選ぶのがいいのかなと思います
私がエアドライトにした理由
私は3シーズン用のシュラフとしてエアドライト290を使っているのですが、エアドライトにした理由は「コスパ」と「保温力」、「収納性」のバランスが良かったからです
3シーズン用のシュラフを購入するにあたって優先したのは「コンパクトさ」と「保温力」でした
前にも言った通り、「保温力」と「コンパクトさ」ってエアプラスもエアドライトも同じなんですよね(ここを差別化してくれていたらエアプラスにしていたかも)
重量はエアプラスの方が軽いんですけど、エアドライト290の場合、10gしか軽くありません
装備はできるだけ軽く、ULを意識している私ですが、ストイックに軽量化をしているわけではないので10gの差は許せる範囲内でした
保温力と収納サイズが同じで、重量が10g重いけど、価格は6710円も安い!!
これが私がエアドライトにした理由です
4シーズン用(冬用)のシュラフとなるとちょっと話が変わってきます
エアプラス810とエアドライト860で比較してみると、重量差は50g、価格差は4950円になります
冬は特に装備が多くなり、重たくなりますから、ちょっとでも軽い道具にしておく事で総重量を軽くできますし、冬用のハイスペックな寝袋ともなれば4950円くらい多くだしてもいいかなとも思えます
イスカおすすめモデル・3選
ここまで読んでいただきありがとうございます
イスカのシュラフ、「エアプラス」と「エアドライト」の「違いと共通点」と「比較」をしてきました
ここからはエアプラスとエアドライトを調べ尽くした私が独断と偏見によるおすすめ寝袋を3つご紹介します
最低使用温度マイナス15℃!冬用寝袋ならエアプラス630
出典:ISUKA
冬用寝袋を選ぶならエアプラス一択です!
エアドライトもいいのですが、やっぱり冬は装備も重くなるし、ちょっとでも軽い道具を選びたいところです
冬用シュラフであればエアプラスとエアドライトの価格差も小さく、「どうせなら高品質な寝袋にしよう」と思えるはず
エアプラス630は最低使用温度がマイナス15℃で、超ハイスペックでありながら、重量は1030gと軽量!
超軽量3シーズン寝袋:エアドライト290
出典:ISUKA
3シーズン用ならエアドライト290がおすすめです
最低使用温度2℃で、夏場のアルプスでの使用は問題なくでき、インナーやカバーを使用すれば春や秋も快適に過ごせます
重量は560gと軽量なので装備を軽量・コンパクトにまとめる事ができます
クセ強め!フードレス、ジッパーレスのエアドライト140!
出典:ISUKA
そんな人にはエアドライト140がおすすめ
フード部分がない封筒型で、ジッパーもついていないクセの強いシュラフですが、「軽さ・コンパクトさ」に振り切っています
重量は300gで最低使用温度は8℃と夏場の使用をメインに考えている人や、冬場のインナーとしても使いたい人におすすめできる寝袋です
エアドライト140について詳しくはこちら
おわりに
イスカのダウンシュラフ「エアプラス」と「エアドライト」の比較解説でした
寝袋は高価な道具なので、比較して自分の用途に一番合う寝袋を見つけましょう!
どちらのシリーズにするか悩んでいる人の参考になれば嬉しいです
ではまた!