ナンガの寝袋(シュラフ)を選ぶ時に誰もが悩むポイントではないでしょうか?(私はめっちゃ迷いました・・・)
この記事ではオーロラライト600DXと450DXのスペックや特徴を比較解説します
オーロラライト600DXと450DX、両方を使ったことのある私が実際に使ってみて感じたメリット・デメリットも合わせて紹介します
この記事を読めばあなたにはどちらが合っているか分かります
結論:どっちかにするかはマイナス5℃以下で使うのかどうかで決める!
まず初めに両方を使った経験のある私の結論です
どちらにするかは、
- マイナス5℃以下の環境で使うかどうか?
- 寝袋をいくつ所有するか?
を、基準にすると決めやすいです
と言うのも、用途によってどっちがいいかは大きく変わってきます
- マイナス5℃以下の環境で使う寝袋を探している
- オールシーズンを一つの寝袋で済ませたい
- 3シーズン用の寝袋はすでに持っている
- マイナス5℃よりも高い気温で使う
- 冬はキャンプをしない
個人的な考えとしては、薄手の寝袋を選んで寒さで凍えるのは愚行です(私が寒さで凍えた経験は数え切れません・・・)
保温力の高い寝袋でぬくぬくと眠る方が安心感も満足感も高いでしょう
寝袋は装備の中でも1、2を争う高価なギアなのでそれぞれの特徴やスペックを比べた上でしっかりと比較してベストな寝袋を選びましょう
それではここからは450DXと600DXの比較や、違い、特徴などを詳しく解説していきます
オーロラライト450DXと600DXのスペック比較
オーロラライト450DXと600DXのスペック比較は以下の通りです
(横にスクロールする事ができます)
450DX | 600DX | ||
快適使用温度 | 0℃ | -4℃ | |
下限温度 | -5℃ | -11℃ | |
ダウン | スペイン産ダックダウン (760FP) | スペイン産ダックダウン (760FP) | |
生地 | 表地:15D オーロラテックス 裏地:15D リップストップナイロン | 表地:15D オーロラテックス 裏地:15D リップストップナイロン | |
構造 | 上面:ボックスキルト構造 下面:シングルキルト構造 | 台形ボックスキルト構造 | |
付帯機能 | ドラフトチューブ | ショルダーウォーマー、ドラフトチューブ、 チタンパッタリング材 | |
ダウン量 | 450g | 600g | |
総重量 | 約865g | 約1,100g | |
収納サイズ | φ14×30cm | φ17×31cm | |
価格 | 45,100円(税込) | 58,300円(税込) |
ナンガの寝袋は「ENヨーロピアンノーム」という規格の総称で、寝袋に関しての温度表記については「EN13537」という公平な検査機関での算出がされていて、今までは各メーカーが独自で算出していた温度表記を同一基準で表記したものです
同一の検査で算出された公平な温度表記になっているから、比較しやすくなったよ
ってことです
ただし、この検査で算出された温度表記については、「絶対」ではなく、あくまで比較などの時の基準で考えるようにしましょう
ナンガ・寝袋ラインナップでの位置付けの違い
ナンガのカタログを見ると、450DXと600DXが3シーズン用と4シーズン用の寝袋の境になっています
言い換えると、
寝袋と位置付けられます
3シーズン用と4シーズン用の寝袋では構造や付帯機能に違いがあります
詳しくみていきましょう
450DXと600DXの3つの違い
- ダウン量
- 構造
- 付帯機能
ダウン量の違い
出典:NANGA
ナンガの寝袋はモデル名に数値が入っていて、それがダウン量を表しています
450DXなら、ダウン量が450gでDXダウンを使用
と、言った感じで慣れてくるとモデル名をみただけでダウン量とダウンの品質が分かるようになっています
ダウン名 | FP |
---|---|
SPDX | 860FP |
UDD | 770FP |
DX | 760FP |
FP(フィルパワー)とはダウンの測定基準でダウンの強度や反発力を数値化したものです
FPの数値が高いほど高品質なダウンと言えます
ダウン量の違いが生む差は「保温力」と「携帯性」
同じ品質のダウンを使っている450DXと600DXではダウンの量の違いから保温力に違いが生まれます
同時にダウンの量は重量や収納サイズにも直結してきます
- ダウンの量が多い → 保温力は高いけど、重く、収納サイズが大きくなる
- ダウンの量が少ない → 保温力は低くなるけど、軽く、コンパクトになる
150g多い600DXの方が保温力が高いが重く、収納サイズが大きくなってきます
構造の違い
細かいところを見ていくと構造にも違いがあります
シングルキルト構造
非常にシンプルで重量を抑えられる縫製方法です。表地と裏地を直で縫い合わせることで、軽量かつ小型に。サマータイプなどに採用されている構造です
出典:NANGA
ボックスキルト構造
ダウンの保温性能を活かすために最も効率的な方法。表地と裏地の間に通気性のあるメッシュを配置し片寄りを防ぐために縦横にボックスを設定しています。
出典:NANGA
台形ボックスキルト構造
ボックス同士が支えあう構造で、ダウンのロフトを最大限に引き出し、片寄りを抑えることで放熱量を軽減させ、効率的に保温することができます。
出典:ナンガ
冬用寝袋である600DXは保温力を最大限に発揮するために台形ボックスキルト構造になっていて、450DXは3シーズンで使うことを想定していることから軽量さ、小型さを重視して上面と下面で構造を変えています
付帯機能の違い
付帯機能も450DXと600DXで違いがあります
450DX | 600DX |
ドラフトチューブ | ショルダーウォーマー、 ドラフトチューブ チタンスパッタリング材 |
3シーズン用である450DXにはジッパーからの冷気の侵入を防ぐ「ドラフトチューブ」は備わっていますが、肩の部分からの冷気をシャットアウトする「ショルダーウォーマー」はついていません
ナンガの冬用寝袋でダウン量が600g以上の寝袋は「チタンスパッタリング材」が入っていて、体の熱を輻射して保温力を高める機能が備わっています
出典:ナンガカタログより
450DX、600DXのメリット・デメリット
450DXと600DXの二つの寝袋を比較したときのメリット・デメリットです
(横にスクロールする事ができます)
450DX | 600DX | |
---|---|---|
メリット | ・年間で使える時期が長い ・軽量・コンパクト ・安価(600DXに比べて) | ・安心の保温力 ・冬の山岳地帯での使用も可能 ・保温性能を高めるための付帯機能 |
デメリット | ・保温力が中途半端 ・夏に使うには暑い ・冬用寝袋と使用時期がかぶってしまう | ・使える時期が短い(冬限定) ・収納サイズが大きく、重い ・高価(450DXに比べて) |
ここからはオーロラライト450DXと600DXがどんな人におすすめなのかを解説します
条件としては「単体使用」で使ったときのおすすめになります(インナーやカバー。暖房器具などを使うことを考慮するとややこしくなるので)
450DXがおすすめな人
3シーズンの寝袋として広くカバーできる保温力を備えているのがオーロラライト450DX
マイナス5℃くらいまでなら使用することができるので、平地でのキャンプならこれ一つで大丈夫なケースも多いです
ですが、あくまでの3シーズンの使用が基本。冬用の寝袋としては少し頼りなく、冬もオーロラライト450DXで対応していくのは経験者向け(インナー、カバーの併用、ウエアの着用など対策ありきなら対応していける)
冬用としてオーロラライト450DXを選ぶのはおすすめしません
オーロラライト600DXに比べて保温力では頼りない反面、「携行性」にはメリットがあり、マイナス5℃まで使える寝袋でありながら1kgを切る軽さは魅力です
これらを踏まえてオーロラライト450DXがおすすめな人はこんな人です
- 3シーズンをメインでキャンプをする人
- 季節に応じて寝袋を使い分けようと考えている人
- 軽量・コンパクトさを重視する人
- 冬の使用では状況に応じてインナーやウエアで対策できる人
- これからキャンプを始める人(まだ寝袋を持っていない人)
450DXについてもう少し詳しく解説している記事もありますのでよかったらご覧ください
600DXがおすすめな人
オーロラライト450DXに比べ保温力が高い分、使用は冬に限定されますが、冬キャンプでも安心して使用することができます。平地での冬キャンプならよっぽどのことがない限りまず寒さを感じることはないでしょう(少なくとも私はこの寝袋を使用したキャンプで寒さを感じたことはありません)
山岳での使用を考えている人もよほど厳しい環境でなければ対応可能で、実体験ベースとしていうなら、冬の八ヶ岳でマイナス15℃以下の環境でも快眠することができたのもおすすめポイント
重量は1,100gですが、冬用の寝袋としては軽量でコンパクトです
寝袋の収納サイズは保温力と比例しますが、マイナス15℃で使用できる寝袋として考えるのであれば最軽量クラスと言っても言い過ぎではないと感じます
- 冬用寝袋を探している人
- マイナス15℃の環境でも使える寝袋を探している人
- 山岳地帯での使用も考えている人
- 一つの寝袋でオールシーズンをカバーしたい人
タープ泊やハンモック泊で使ってみて感じたことなど詳しくはこちら
一つの寝袋でオールシーズン対応するとしたら・・・
年間を通してキャンプや登山で快適に眠るためには季節に合わせて最低でも2つの寝袋を使い分けるのがおすすめです
ですが、もし、一つの寝袋で一年中使うとしたら、オーロラライト600DXをおすすめします
一つの寝袋を一年中使うなら「寒さ」の方に標準を合わせた方が失敗を減らせます
暑ければ脱げばいいし、寝袋を布団のように使ったりすることで対処できますが、寒さに対しては着込んだところで限界はあります
オーロラライト600DXでは夏場は暑さを感じますが、マイナス18℃の環境でも眠ることができる保温力はおすすめポイントです
750DXの方が保温力は高いですが、ライトユーザーならオーバースペック気味。オーロラライト600DXは最も対応できる領域の広いバランスの取れた寝袋だと感じます
冒頭でもお伝えした通り、私は私は3シーズン用として450DXを、冬用として600DXを使っていましたが、
両方持つ必要はありません(私は失敗しました・・・)
450DXと600DXはダウン量が150gしか違わないので使用に適した温度帯が近いです
ですので2つの寝袋を使い分けたいと思っている人は冬用により保温力の高い寝袋を選ぶか、夏用に薄手の寝袋を用意するのがおすすめ
(ちなみに私は悩んだ挙句、オーロラライト450を手放しました)
コスパを抑えてオーロラライトを購入する方法
だれでもそう思いますよね
できるだけコストを抑えてオーロラライトを購入する方法はあります
さかいやスポーツとの別注で作っているオーロラライトはオリジナルのオーロラライトよりもリーズナブルな価格で購入する事ができます
さかいや | オリジナル | |
---|---|---|
350DX | 31,800円 | 38,500円 |
450DX | 37,800円 | 45,100円 |
600DX | 45,800円 | 58,300円 |
750DX | 51,800円 | 63,800円 |
比べてみるとさかいや別注のオーロラライトの方がかなりコストパフォーマンスに優れています
オリジナルの600DXを買うよりも安く750DXが買えてしまいます
一般的に女性の方が寒さを感じやすいとされています
オリジナルを購入する価格でワンランク上のモデルを購入できるので寒さを感じやすい人にも「さかいや」別注がおすすめです!
さかいや別注のオーロラライトについて詳しくはこちら
おわりに
ナンガ オーロラライト450DXと600DXのスペック比較とメリットデメリットの解説でした
どちらにするか決めることができたでしょうか?
寝袋選びのポイントは「ぬくぬく眠れるか」です。寒さで凍えることのないように寝袋を選びましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございます
450DXと600DXで迷っているみなさんの寝袋選びの参考になれば嬉しいです