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【イスカ・エアプラス】450か630「どっちにするか」迷っている人へ

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こんにちはopoです(opo_85)

イスカ・エアプラス450にするか630にするかで迷っている

寒さが対策が必要になる季節のシュラフ(寝袋)を選ぶ時、3シーズン用にするか、4シーズン用にするかは必ず悩むポイントです(私はそうでした)

イスカのシュラフで言えば、エアプラス450が630かどちらにするかってところ。

そんな人に向けて、この記事ではイスカのエアプラス450と630を比較しながらおすすめの使用シーンを紹介していきます。私自身、どちらのシュラフも使ったことがあり、よりリアルな使い分けなどを具体的にお伝えします。

エアプラスシリーズは保温性と通気性のバランスがよく、私がこれまで使用してきたシュラフの中ではトップクラスの寝心地です。

ざっくり自己紹介
  • キャンプ歴20年以上
  • 渓流釣り(テンカラ)5年目
  • アルプスから低山まで山登り
  • 装備はできるだけ軽く、ULなスタイルで(現在ベースウエイト4.5kg)←装備について詳しくはこちら

結論

結論としては、シュラフは暖かい方がいいです。したがって、冬に使用することをベースとして450にするか630にするかで迷うなら、エアプラス630にした方が後悔はないでしょう。

しかし、そんな簡単ではないのがシュラフ選び。シュラフの保温力は本体の断熱性能だけでなく、着用するウェアや、シュラフカバー、インナーを使用することで保温性は大きく変わります。

寒さの感じ方は人それぞれであり、耐性も異なってしまいますが、私自身がエアプラス450&630を使用した体験からそれぞれ「おすすめな人」を先にお伝えします。

シュラフ選びで悩んでいる人の参考にしていただければと思います。

エアプラス450がおすすめなのはこんな人

  • 初夏〜秋までの標高2,500m以上の山岳地帯でテント泊をする人
  • 初春、晩秋、初冬の丹沢や奥多摩など標高1,500mほどの場所で使用する人
  • 標高の低い場所で真冬のキャンプに行く人
  • 3シーズン用としてひとつ目のシュラフを探している人

エアプラス630がおすすめなのはこんな人

  • 残雪期、晩秋〜初冬の北アルプスなど標高が2,500mを超える場所で使用する人
  • 厳冬期の八ヶ岳など標高2,000mほどの場所で使用する人
  • 標高1,000m以上での冬のキャンプや雪中キャンプで使用する人
  • ひとつのシュラフでオールシーズンカバーしたい人
  • 寒さに弱い人

それぞれの使用感やおすすめシーンについては後半で紹介します。まずはエアプラス450&630のスペック比較と、エアプラスシリーズの特徴からみていきましょう。

イスカ エアプラスシリーズの特徴

イスカの最上位モデル「エアプラス」シリーズは「かるく」「ちいさく」「あたたかく」のコンセプトを高いレベルで実現されたモデル。

中綿には820FP(フィルパワー)の高品質なホワイトグースダウンが使われ、高いロフトを生み出し、優れた保温力を発揮します。

使用環境に合わせて全4モデルがラインナップされ、モデルによって着ぶくれを想定し、最適なサイズにすることで形状からも保温性が高められており、厳しい環境の中でも最適な睡眠が取れるように設計されています。

生地に使用されているのは10デニールの極薄リップストップナイロン。表地には「ナイロン66」が採用され、IS規格での最高評価の5級を獲得した「超はっ水」生地が使われています。撥水性の高い生地が採用されつつも高い通気性を誇り、睡眠中の蒸れを軽減してくれます。

ナイロン66は世界初の合成繊維として知られ、米国デュポン社の研究者カロザースが発明。天然の絹糸に替わる合成繊維を作る目的で開発された素材。

ポリアミド系樹脂の中では結晶化度が高く、耐熱性、機械的強度に優れた素材です(引用:Wikipedia)

エアプラス450&630のスペック比較

エアプラス450と630の大きさ比較
エアプラス450エアプラス630
最低使用温度-7℃-15℃
平均重量840g1030g
ダウン量450g630g
ダウン820FP ホワイトグースダウン820FP ホワイトグースダウン
収納サイズφ16 × 32cmφ20 × 34cm
サイズ(レギュラー)78(肩幅)×213(全長)cm80(肩幅)×213(全長)cm
構造ボックス構造台形ボックス構造
生地10デニールリップストップナイロン10デニールリップストップナイロン
参考価格66,000円85,800円
2025年3月調べ

シュラフは寒さを基準に選ぶことが基本

何もしていなくとも汗をかいてしまうような夏場はともかく、寒さが気になりだすシーズンにシュラフの軽量化を図り、スペックを落とすのは愚行です(この愚行を繰り返し、寒に耐える夜を数えきれないほど体験した私が言うのだから間違いありません)

シュラフは必ず想定する「もっとも低い温度」を基準に選ぶことが失敗しない鉄則です。

ウェアの着用や、薄手のシュラフの二枚重ね、カバー、インナーなどで保温力をブーストさせることはできるため、シュラフ単体のみでのスペックから使用環境を断定するのは難しいですが、少なくとも小手先の保温力ブーストを前提に選ぶのはおすすめしません。

単体で安心して眠れるスペックのシュラフを選びましょう。

シュラフの選び方をもっと知りたいと言う人はこちらで詳しく解説をしていますのでご覧ください。

エアプラスのおすすめポイント

ここからはエアプラスシリーズに共通するおすすめポイントを解説します。

実際にイスカの社員さんに聞いたカタログには載っていない秘話も交えながらエアプラスの魅力をお伝えします。

上質なダウン820FP

画像提供:Isuka

エアプラスに使用されているダウンは2024年9月より、800FPから820FPにアップデートされました。

もともと使用していたホワイトグースダウンから変更はないとのことで、イスカさんに直接経緯を聞いてみたところ、2024年まではダウンの品質検査において、検査結果の数値の最小値として絶対に品質が保証できる数値(800FP)を表記していましたが、再度検査を重ねた結果、820〜850FPの品質が確保できることが判明し、品質が820FPを下回らなかったことからFP表記をアップデートしたそうです。820FPという結果は検査した中では最小値の結果であり、実際にシュラフに封入されているダウンは820FP以上のダウンが入っています。

触ってみるとわかるフワフワなダウンで、実際に中に入るとみるとしなやかな体が包まれるような質感です。

通気性の高さ

画像提供:イスカ

エアプラスを使用して驚きだったのが保温性よりも通気性の高さです。(保温力の高さはダウン量からある程度想定内だったため)

以前使用していた冬用のシュラフだと、寝ていると多少の蒸れを感じることがあったのですが、エアプラスシリーズは蒸れを感じませんでした。

どのメーカーを見てもそうですが、シュラフの通気性の高さはどうしても公式サイトのスペック上では分からないところ。

私も実際に使ってみるまで分かりませんでしたが、エアプラスの1番のおすすめポイントはこの通気性の高さで、高い通気性を実現しているのがダウンの品質と、使用する生地、そして製造のテクノロジーです。

まず天然のグースダウンには高い「調湿性」が備わっています。一般的に「保温」がメインの役割であるダウンですが、保温と調湿をしてくれることでシュラフ内を最適な湿度に保ってくれます。

そして生地には極薄の10デニールのリップストップナイロンが採用され、IS規格での最高評価の5級を獲得した「超はっ水」生地が使われています。撥水性の高い生地が採用されつつも高い通気性を誇り、調湿性を兼ね備えたダウンと合わせてシュラフ内を快適にしてくれます。

ダウンと同様に使用していた生地についてもアップデート。もともとは「15デニールクラス」という表記から「10デニール」に変更されました。

使用されている生地は縦糸に20デニール、横糸に10デニールを使用し生地にしてため、中間をとって「15デニールクラス」としていましたが、最薄値の10デニール表記に変更になりました。

最後にもうひとつ、通気性を高めるために製造における高いテクノロジーも使われています。ボックス構造の隔壁には軽量で通気性に優れたメッシュ素材を使い、シュラフ内の湿度の偏りを防いでいます。

山岳地帯で使うなら通気性の高いモデルを選ぶのがおすすめ

山岳地帯での使用を前提としたシュラフの場合、濡れることを防ぐためにカバーの使用が前提とされます。仮にシュラフ本体の通気性が悪い場合、カバーと併用することで「蒸れ」を促進させてしまい、寝ていて不快になってしまったり、内部結露の原因になりますが、エアプラスは本体の通気性が高いことでカバーとの併用でも蒸れを抑え、シュラフ内を快適な湿度に保ってくれます。

快適に眠れるのって保温性も大事ですが、「蒸れにくさ(通気性)」も大事なんだということを教えてくれたのがイスカのシュラフです。

ジッパースライダーの開閉しやすさ

ジッパーに生地に噛んでしまうことが多く、ストレスを感じることがあったのですが、イスカのシュラフは生地が噛むことがなく、非常にスムーズに開閉が可能です。

小さいことかもしれませんが、出入りの際にジッパーが生地に噛んでしまうのってストレスですよね。

見た目からは特に工夫も感じないシンプルなジッパーだったため、イスカさんに聞いてみたところ、生地に噛みにくくなっているのはジッパーに沿って糸を通しているからだそうです。

点線の箇所に沿って糸を通すことで生地への噛み込みを防いでくれていて、見た目には分からない工夫でより使いやすくなっており、ユーザーにとって使いやすいシュラフになっています。

それぞれの使用シーンを具体的に紹介

エアプラスシリーズのおすすめポイントを紹介してきましたが、ここからはエアプラス450&630を使ってみた具体的な使用シーンを紹介します。

どちらにするか悩んでいる人にとって、具体的なシーンを想定しながらベストなシュラフを選ぶ参考にしていただければと思います。

エアプラス450の使用感

エアプラス450の使用シーン
  • 初夏〜秋までの標高2,500m以上の山岳地帯でテント泊
  • 初春、晩秋、初冬の丹沢や奥多摩など標高1,500mほどの場所で使用
  • 標高の低い場所の真冬キャンプ

使用最低温度はマイナス7℃で、3シーズン用のシュラフの最上位モデルになるエアプラス450。保温性と携帯性のバランスがよく、一年を通して使用できる期間が長く、最初のシュラフとしておすすめです。

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初夏〜秋までの標高2,500m以上の山岳地帯で使用

9月の北アルプス「双六小屋」

年間でもっとも気温が高くなるのが7〜8月、9月初旬。

この頃であっても北アルプスなどの高所では夜は一桁台まで気温は下がります。氷点下にならない環境ではエアプラス450ではややオーバースペックになってしまうケースもありますが、寒さに対しての安心感は高く、また薄着でも眠ることができるため、防寒着を減らしたり薄手のタイプに変更することも可能になることから夏場の使用にもおすすめです。

初春、晩秋、初冬の丹沢や奥多摩など標高1,500mほどの場所で使用

12月、奥多摩の三条の湯でテント泊

標高が1,000m〜1,500mほどの場所であれば初冬や早春の使用も可能なエアプラス450。

12月の初旬にに三条の湯を訪れたときは夜の気温が手元の温度計でマイナス3℃。ここまで冷え込んでくると、薄着でシュラフに入ると寒さを感じますが、フリースなど着用することで寒さを感じずに眠ることができました。

標高の低い場所の真冬キャンプ(標高1,000mくらいまで)

2月の富士五湖「本栖湖」でのキャンプ

多くのキャンプ場が密集する「富士五湖エリア」の本栖湖で冬キャンプしたときは、寒波到来によりマイナス5℃ほどの環境でしたがダウンウェア着用の上、インナーシュラフを併用することで眠れましたが、ぬくぬくと眠れるような状況ではありませんでした。

エアプラス450の単体で快適に使用できる限界は0℃〜マイナス3℃くらいかなと感じます。0℃を下回る環境では対策が必要になります。

とはいえ、個人的な体感としては標高の低い場所(〜1000mくらいまで)であればエアプラス450は一年を通して使える万能シュラフです(真夏は暑い)

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エアプラス630の使用感

エアプラス630の使用シーン
  • 残雪期、晩秋〜初冬の北アルプスなど標高が2,500m以上の場所で使用
  • 厳冬期の八ヶ岳など標高2,000mほどの場所で使用
  • 標高1,000m以上での冬のキャンプや雪中キャンプで使用
  • 寒さに弱い人が冬キャンプで使用

4シーズン対応のシュラフとしてラインナップされているのがエアプラス630です。エアプラス450よりも180g多くダウンが封入されているため、高い保温力があり、最低使用温度はマイナス15℃。このレベルであれば残雪期や初冬の標高の高い場所での使用が可能となります。

より過酷な環境での使用を想定する際に選択肢に入ってくるモデル。

エアプラス630はウェアを着用することによる着ぶくれでダウンの圧迫を防ぐために肩幅のサイズがエアプラス450よりも若干大きい仕様になっているため、より低温環境での使用が可能です。

また、保温力を向上させる付帯機能も充実。

エアプラス630にはフードの周りにもダウンが封入されたフードチューブがあり、冷気をシャットアウトしてくれます。

すでに夏用のシュラフを持っている人なら、間違いなくエアプラス630がおすすめです。

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残雪期、晩秋〜初冬の北アルプスなど標高が2,500m以上の場所で使用

11月初旬、初冠雪した直後の北アルプス・燕岳で使用したときは夕方5時でマイナス10℃、かなり冷え込みましたが、防寒着を着用することで快適に眠ることができました。

肩幅は80cmありエアプラス450より大きめで、薄着で寝ると隙間ができてスースーしてしまうことがあるため、しっかりと着込んでシュラフに入ることで保温力を最大限に発揮してくれます。

厳冬期の八ヶ岳など標高2,000mほどの場所で使用

厳冬期の八ヶ岳では気温はマイナス15〜20℃近くまで冷え込むこともあり、体感としてはエアプラス630を使用する限界はこのあたりだと感じています。(おおむね公式のスペック通り)

とは言っても単体での使用ではなく、結露対策としてカバーの使用に、上下ダウンウェアの着用、厚手のソックスなどウェアを着用することはマストです。

マイナス20℃よりも過酷な環境で使用するにはシュラフのグレード上げるか、中にシュラフを重ねるなど対策が必要だと感じます。

標高1,000m以上での冬のキャンプや雪中キャンプで使用

冬キャンプでも標高が低い場所ならエアプラス450でも対応できますが、寒さに弱い人はエアプラス630の方が安心でしょう。

冬に使うシュラフは保温力が高ければ高いほどいいです。極寒でのキャンプを最高の思い出にするためには「寒さ」を感じる瞬間を1秒でも少なくすることが重要。ぬくぬくできるシュラフをひとつ持っておくだけで冬キャンプの不安はグッと少なくなります。

おわりに

イスカのエアプラス450&630を紹介しました。

標高や季節、訪れる地域によって環境が異なるため、シュラフ選びは簡単ではありません。判断を誤り、断熱性が足りなければ辛い夜になりますし、オーバースペックのシュラフでは宝の持ち腐れ。無駄に重たい荷を背負うことにもなります。

ひとつのシュラフでオールシーズンをカバーするのは難しく、一年を通してアウトドアを楽しむ際には複数のシュラフが必要になってきます。自身のレベルに見合ったシュラフを選んで山での快適な睡眠を手に入れましょう!

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キャンプ、登山、釣り、ウインタースポーツなどアウトドアが大好きな30代。小さい頃から大好きだったキャンプを中心にアウトドアを楽しんでいます。
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