バックパックひとつでキャンプや登山に行くには、頑丈さや扱いやすさに加え、軽さも重要になってきます
この記事ではペグの役割や素材、形状などの種類を解説します
ペグの役割
どんな環境でもキャンプをするために必携品となるのが「ペグ」です
ペグの役割は大きく2つ、
- 耐候性の向上
- 設営のための道具(非自立テントやタープ)
自立式のテントの場合、ペグがなくても設営は可能だし、ペグダウンしなくても中に荷物を入れたりすることでキャンプはできます
地面にペグを刺すことを「ペグダウン」と言います
タープを設営する時や、非自立式テントを設営する時にはペグダウンをしないと設営ができません
ペグダウンしなくても設営できるテントのことを「自立式テント」と呼び、ペグダウンしないと設営できないものを「非自立式テント」と呼びます
(自立式のテントで代表的なのはドームテントです)
自然の中でキャンプをするにはあらゆる天候に備える必要があります
もう少し詳しく見ていきましょう
耐候性の向上
キャンプに行く時は天気はいつも晴れとは限りません
標高が高い山岳地帯では天候は変わりやすく、晴れていても、急に雨が降ってきたり、風が強かったりします
どんな環境の中でもキャンプをするためにペグが活躍してくれます
ペグは風に飛ばされないためのアンカー
風が強い日にはテントやタープが風で煽られたりする事がありますが、しっかりとペグダウンをしておく事で風を受けても大丈夫になります
自立式のドームテントであっても、強風で煽られてしまえば、ペグダウンしてなければ吹き飛んでしまう可能性だってあります
テント・タープをシワなく設営する事で防水性を最大限に発揮する
大体のテントやタープには防水加工の施された生地が使われています
防水加工された生地でも、ヨレヨレの状態では、その効果が半減されてしまうこともあり、浸水や、雨漏りの原因になってしまうこともあります
ガイライン(ロープ)を使ってペグダウンをして、テントをピンと張ることで、生地の持つ防水効果を最大限発揮することができるようになります
設営のための必需品(非自立式テント・タープ)
ペグを使わないと設営できないタイプのテントもあり、そういったテントのことを「非自立式テント」って呼びます
タープも一枚の生地なので、屋根として使うためには、必ずロープとペグを使わないと設営ができません
非自立式テントやタープを使用する場合にはペグがないと始まりません
キャンプで使うペグと登山で使うペグの違い
車でキャンプに行く場合には、ペグはそれほどこだわる必要もなく、強いて言うなら、「頑丈さ」を重要視すればOKです(長さについては後述します)
一方で、登山で使用するペグには、「頑丈さ」に加え、「軽さ」が重要になってきます
登山だけでなく、バックパックひとつで行動する徒歩キャンパーにとっても装備の軽さは行動しやすさに繋がるので無視できないでしょう
ペグに「軽さ」を求めると、「頑丈さ」が損なわれてしまい、使用しててもすぐに曲がってしまう事もあります
登山用に使うペグは「軽さ」と「頑丈さ」のバランスが取れたペグを選ぶ必要があります
おすすめの長さは?
ペグは長い方が地中深くまでささるので、その分強度があがり、抜けにくくなります
ですが、長くなると携帯性が悪くなるのがデメリットです
テントやタープの大きさによって長さの適性が変わってくる
テントやタープは大きくなればなるほど風の影響を受けやすくなります
ソロで使うテントやタープよりも、ファミリー用の大人数で使うテントやタープの方が風を受けた時の負荷が大きくなります
大型のテントやタープを設営した時に短いペグでは抜けやすいので、長いペグを使用することで、ペグを抜けにくくし、耐候性を高めます
- 砂地など、抜けやすい地面でのテントやタープの設営時
- 大型のテントやタープの設営時
ソロキャンプなら15cmペグで問題なし
1人〜2人用のテントやタープなら、15cmほどのペグでも十分です
ペグに使われる素材について
ペグに使われる素材には、スチールや、ステンレス、アルミ、チタン、マグネシウムなどの金属だけでなく、プラスチックやカーボンなどを使用したペグもあります
用途によってペグの素材を選ぶとすると、
頑丈さがピカイチのスチール製やステンレス製がおすすめです!
軽さと頑丈さのバランスが取れたペグを選ぶ必要があります。アルミやチタン、カーボンなどの素材で作られたペグがおすすめです!
チタンやカーボンなどは、軽量で頑丈なのがメリットですが、その分高価になってくるので、お財布との相談も必要になってきます
ペグの種類
ペグに使われる素材も様々ですが、形状にもいくつか種類があり、特徴が変わってきます
この記事では代表的な5種類の形状を紹介します
- Vペグ
- X・Yペグ
- ピンペグ
- スティックペグ
- ネイルペグ
私は、いつもキャンプに行く時には数種類のペグを持っていくようにしています
岩場だったり、砂地、硬い地面などでも対応できるようにするために、数種類のペグを持っていくようにしています
それではペグの形状について詳しく見ていきましょう
Vペグ
Vペグは、その名の通り、V字になっているペグのことです
V字になっていることで、ペグの剛性を高め、曲がりにくくなっています
Vペグのいいところは、複数のペグを重ねて収納できるので、省スペースにできることです
比較的どんな地面にもペグダウンしやすく、抜けにくさを感じます
DAC J-stakeペグ
Vペグでおすすめなのが、DAC社のJ-stakeペグです
アルミペグですが、強度があり、曲がりにくいのが特徴
一本の重さも10.5gと軽量です(チタン製のペグにも負けない重量です)
10本セットで2860円なのでコスパもいいペグです(2023年7月時点)
トークス チタニウムV-Shaped ペグ
軽さと頑丈さを求めるなら、チタンペグもおすすめです
トークスのチタンペグは重量が実測で10.5gと軽量で、チタン性なので強度はピカイチです
デメリットとしてはチタン性と言う事もあり、価格が高いことです
アライテント ジュラルミンペグ
そんな人におすすめなのが、アライテント ジュラルミンペグです
長さは短めですが、太いので、使っていても抜けにくく感じます
ジュラルミンは、アルミや銅、マグネシウムなどによるアルミニウム合金の一種ことです
重量は実測で14gと紹介しているペグの中では重いですが、コスパのいいペグです
1本165円なので、トークスのチタンペグと比べても抜群のコスパです
(価格は2023年7月時点)
X・Yペグ
X・YペグもVペグと同様、X・Y字の形状になっているペグのことです
こちらも強度を高めるための形状で、曲がりにくくするためにX・Y字の形状になっています
形状がVペグよりも複雑なので、砂地ではX・Yペグの方が抜けにくく、頼りにできるペグです
Vペグのように決まった向きがなく、どの向きでペグダウンしてもしっかりとロープを張ることができます
MSR ミニグランドホグステイク
MSR ミニグランドホグステイクはY字ペグです
重量が10gと軽量なアルミ製のペグで、直線的なY字ではなく、湾曲していることで抜けにくくなっているのが特徴です
ミニグランドホグステイクは15cmですが、19cmのタイプもあります
NEMO スウィープステーク
NEMOのユニークな機能の付いたペグ
蓄光するプラスチックが付いていて、これをスライドさせることで、ペグに付いたドロや土などを簡単に落とすことができる仕組みになっています
蓄光するので視認性も高くなるし、面倒なペグの汚れ落としも簡単にできるし、おもしろい発想のペグです
重量は16gですが、機能を考えると意外とアリなペグです
ピンペグ
ピンペグは細いピンのような形状をしているのが特徴です
VペグやX・Yペグに比べると強度は劣りますが、軽く、細いのがメリットです
岩場などで活躍する反面、ピンペグは砂地では使い物にならない事もありますので、ピンペグしか持っていかないのはおすすめしません
バーゴ チタニウム ウルトラライトステイク
バーゴ チタニウム ウルトラライトステイクは重量わずか6gの超軽量ペグです
メインのペグとして使うには頼りないですが、サブとして何本か持っていくと役に立つことがあります
スティックペグ
スティックペグはピンペグとよく似ていますが、ピンペグよりは太く、ヘッドがコンパクトになっています
重ねたりはできませんが、ヘッドがコンパクトになっているので省スペースで収納することができます
砂地や柔らかい地面では弱いものの、岩場や硬い地面でもしっかりとペグダウンでき、抜けにくさも感じます
アライテント スティックペグ
スティックペグなら、アライテントのスティックペグがおすすめです
この形状のペグとしては曲がりにくく、強度があるので強く叩いてもOK(限度あり)
1本あたりのコストが安いのもおすすめのポイント
ネイルペグ
出典:アマゾン
ネイルペグの「ネイル」とは、「クギ」を意味します
釘のような形状をしているペグで、基本的に向きがないのが特徴
形状から、ピンペグや、スティックペグと特徴が似ていますが、ネイルペグは決まった向きがなく、どの方向からペグダウンしてもロープを張ることができます
TOKAS トークス ネイルペグ
ネイルペグは他の形状のペグに比べて種類が少ないです
トークスのネイルペグはチタン性なので強度もあり、おすすめです
持っていくペグの本数は?
ペグはハードに使うものなので、使用時に曲がってしまい、使えなくなってしまう事も想定しておかなければいけません
紛失してしまったり、曲がってしまった時の予備として、テントを設営してペグダウンできる最大数に必要なペグにプラス2、3本持っていくようにしています
ペグは細いので目立ちません
それゆえに無くしやすいキャンプ道具として上位に入ってきます
私がペグを無くさないようにするために心がけているのが、
- 必ず1箇所にまとめること
- 使った本数を把握すること
- 先にロープを外さない
この3つを意識するだけでペグの紛失はグッと減らすことができます
タープ設営用のペグは余裕をもって持っていくのがおすすめ
タープを設営する時には、風によってタープが煽られるとペグが抜けやすくなってしまうので、強風時などには1箇所に2本のペグを使用したり、ロープを増やしてペグダウンします
余裕をもって、多めに用意するようにしています
ペグダウンができない時の対策
ペグダウンができない状況って結構ありますよね
そんな時に役に立つ対策も紹介します
地面が硬い時や、岩場での対策
地面が硬すぎてペグダウンできない時や、大きな岩があってペグダウンできない時には、
ペグと岩(石)を使ってテントを固定します
用意するのはしっかりとした岩と、ペグです
ペグを横向きにし、ロープを通します
ペグに岩(石)を置いたら固定完了です
ダメではありませんが、ゴツゴツ、ザラザラとした岩の表面が摩擦により、ロープを傷つけてしまう可能性があるので、私はできるだけペグに通して使っています
砂地や雪上での対策
砂地や雪上などではVペグやピンペグは抜けやすく、役に立たない時もあります
そんな時は平な形状のペグを使う事で、抜けにくくなり、砂地でもしっかりと設営ができます
砂地や雪用のペグを持っていない場合は、スーパーで売っているビニール袋に砂や石を入れて代用することで対策できます
ビニールは破けるリスクがあるので、二重にして破れにくくしましょう
ビニール袋ではどうしても不安な人は、土嚢袋もコスパが良くておすすめです
繰り返し使えるのもメリットで、中身をだせばコンパクトになります
海辺などでキャンプする時や、雪中キャンプの時にはビニール袋を携帯しておくと便利です
竹の定規を使って自作ペグを作成
コスパを抑えたい人には自作ペグの作成もおすすめです
竹の定規を使って簡単に自作することができます
私は100cmの竹定規を20cmに切り分けて作成しました
まとめ
- 耐候性の向上
- 設営のための道具(非自立テントやタープ)
- Vペグ・・・重ねることができて省スペースで収納可能
- X・Yペグ・・・Vペグよりも強度が高いけど、収納性は悪い
- ピンペグ・・・Vペグが刺さらない時に刺さる事も
- スティックペグ・・・ピンペグ同様、細いので刺さりやすい(砂地では抜けやすい)
- ネイルペグ・・・使う向きが限定されない、細いので刺さりやすいが抜けやすい
- 長いペグの方が抜けにくいのがメリットだが、その分大きくなるので携帯性は悪くなる
- 1人〜2人用のテントやタープなら15cmほどで十分に対応可能
- ファミリー用のテントやタープにはペグも長くした方が風を受けた時に抜けにくい
おわりに
登山・キャンプの必携品「ペグ」の役割と種類についての解説でした
テントはその日に快適に眠るための家です
テントの倒壊が不安では眠る事もできません
しっかりとしたペグを選んで安心してキャンプ・登山にいきましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました
何かみなさんの参考になれば嬉しいです
ではまた!
登山やソロキャンプでおすすめのペグが知りたい