ナンガの冬用の寝袋を選ぶときにオーロラライト「600DX」か「750DX」どちらにするかで悩む人は少なくないはずです
私もどちらにするかで迷い、悩みました
寒い思いはしたくないし、予算のことももあるし、なかなか決めるのが難しい・・・
この記事ではナンガオーロラライト600DXか750DXどちらにするかで迷っている人に向けて比較・解説をします
寝袋を選ぶ時に抑えておきたい事
冬用の寝袋としてオーロラライト600DXしたわけですが、ここで寝袋を選ぶときに抑えておきたいことについて少し解説させてください
- 対応温度(ヨーロピアンノーム)について
- 使用目的(キャンプか登山か?)
対応温度(ヨーロピアンノーム)について
寝袋には、極地での使用を考えられた保温力の高い寝袋もあれば、酷暑の中での使用をするための涼しい寝袋もあります(言わずもがなですが・・・)
それぞれの寝袋には「対応温度」が算出されています
対応温度が一目でわかる代表的なのが、「ヨーロピアンノーム(EN13537)」です
EN(ヨーロピアンノーム)とはEU諸国の統一規格として制定されている規格の総称で、寝袋の温度表記はEN13537によって同一基準で算出された温度表記で示されます
「EN13537で測定した寝袋はみんな同じ基準で算出しているからメーカーによって差はないよ」
「だから、自分が必要とする寝袋が探しやすかったり、メーカーを越えての寝袋のスペック比較がしやすくなってるよ」
ってことです
ちなみにヨーロピアンノームの温度表記では「コンフォート(快適温度)」「リミット(下限温度)」「エクストリーム(限界温度)」の3つです
(横にスクロールできます)
コンフォート | 一般的な成人女性が寒さを感じることなく寝ることができる温度 |
リミット | 一般的な成人男性が寝袋の中で丸くなり、8時間寝られる温度 |
エクストリーム | 一般的な女性がスリーピングバックの中でひざを抱えるくらい丸くなった状態で6時間までなら耐えられる温度 |
シュラフメーカーに聞いた!知っておきたいヨーロピアンノームの落とし穴
ヨーロピアンノームの概要だけ聞くと、統一の算出がされた数値は比較しやすくていい感じですが、あくまで目安として考えておいた方がいいです
以前に国産の寝袋メーカーの人とお話しさせていただいた事があった時に聞いたのですが、
ヨーロピアンノームの測定結果が必ずしも正確かは分からないようです
- ダウン量の少ない寝袋よりも多い寝袋の方が測定結果の保温性能が低い数値が算出された
- 静止状態のマネキンを使っての測定なので実際の使用時との違いがある(横向き状態など)
- 生地の厚さや防水性によっても測定結果が変わる
測定に関しても、ヨーロッパ人の体格のマネキンが使われているので一概に私たち日本人の体型とマッチしているかは分かりません
要するに、
目安程度に考えておいた方がいいよ
って事です
使用目的(キャンプか登山か?)
使用目的によっても選ぶ寝袋の基準は大きく変わってきます
- キャンプなのか登山なのか?
- 暖房器具は使うのか?
- 使いたい地域は?
車が乗り入れできるキャンプ場での使用なら、収納時の大きさはさほど気になりませんが、衣食住を背負う登山ともなるとそうもいきません
キャンプの場合、暖房器具(薪ストーブや電気毛布)を使うのであれば、テント内が氷点下になることもないので、もっと薄手の寝袋でも十分に対応可能になってきます
本州なのか、沖縄なのか、北海道かによっても大きく条件は大きく変わってきます。北海道での使用なら、オーロラライト750DXでも頼りないケースもあるでしょう
2月に電源サイトでキャンプをした時の事です
3シーズン用の使用温度が5℃くらいの寝袋を使い、電気毛布を敷いて寝たのですが、寝ている時は暑くて寝袋に入っていられませんでした
結局、寝袋には入らず布団のようにかけて朝まで快適に眠ることができました
オーロラライト600DXと750DXのスペック比較と特徴
それぞれのスペック比較はこの通り
750DX | 600DX | |
快適温度/下限温度 | -8℃/-16℃ | -4℃/-11℃ |
収納サイズ(cm) | φ19 × 31cm | φ17 × 31cm |
重量(g) | 約1,280g | 約1,100g |
ダウン量 | 750g (760FP) | 600g (760FP) |
構造 | ボックスキルト構造 | ボックスキルト構造 |
生地 | 表:15Dオーロラテックス 裏:15Dリップストップ | 表:15Dオーロラテックス 裏:15Dリップストップ |
価格(税込 | ¥66,000 | ¥59,400 |
レビュー | を見る | を見る |
使用ダウン、構造、生地は共通です
どちらも付帯機能としてショルダーウォーマー、ドラフトチューブ、チタンスパッタリング材が入っています
オーロラライト600DXと750DXの大きな違いは使われているダウンの量です
ダウン量の違いから保温力、重量、収納サイズが違ってきます
3シーズン用の寝袋は構造に違いがありますが、オーロラライト600DX、750DXはどちらも冬用の寝袋のため付帯機能は同じになっています
メリットとデメリット
オーロラライト600DXと750DXを比べた時のメリットとデメリットは以下の通り
メリット・デメリットを比べてみると、予算と合わせて携帯性と保温力のどちらを重視するかが選ぶポイントになってきます
私がオーロラライト600DXにした理由
私は冬キャンプもしますし、八ヶ岳あたりでの厳冬期テント泊登山もします
そんな私がオーロラライト600DXのほうを選んだわけですが、
- オーロラライト600DXの保温力で十分!
- 重量、収納性を重視
- 必要に応じて防寒対策すればいい
オーロラライト600DXにした理由についてもう少し詳しくみていきましょう
目的・用途からオーロラライト600DXの保温力で十分!
私がキャンプをするのは標高1000m〜1500mほどのキャンプ場が多く、冬にはマイナス10℃くらいになる場所でもキャンプをすることが多いです
厳冬期の八ヶ岳あたりでのテント泊が多く、そのあたりの温度帯での使用をメインに考えて選びました
富士五湖の本栖湖で標高が約900m、山中湖の標高が982mで、最低気温は-8.9℃[気象庁調べ]
厳冬期にあたる2月の最低気温の平均値は-15.5℃です
私が行くキャンプ場や登山の環境を考えると、-5℃〜-15℃前後です
それであればオーロラライト600DXでも十分対応可能です
重量、収納性を重視した
オーロラライト600DXにした一番の決め手は、
重量が軽く、よりコンパクトになるからです
UL(ウルトラライト)とまではいかなくても、装備をできるだけ「軽く・コンパクト」にしたいと思った私は、保温性も確保しつつ、重量と収納サイズを優先しました
失敗談・もともとはオーロラ750STDを使ってた
コストを重視してオーロラ750STDにしたものの、使うにつれてコンパクトさも重視したくなり、オーロラライトを買い直しました
(コストを意識してたはずが結果的に2倍近いコストがかかりました・・・)
ちなみに、オーロラとオーロラライトの違いを知りたい人はこちらの記事にまとめています
重量の比較
オーロラライト750DXと600DXでは180グラムの差があります
180グラムの差は保温力とトレードオフになるわけですが、私の場合は600DXの保温力でも十分なのでより軽量なスリーピングバッグを選びました
収納サイズの比較
数値でみると若干の違いに見えますが、直径が2センチ違うと結構違います
必要に応じて防寒対策すればいい
人によっては寝る時にダウンウエアなど着込むのは嫌な人もいると思います(それにより眠れなくなってしまうのは死活問題)
私の場合、上下ダウンウエアを着ることや、ニットを被っても問題なく眠る事ができるので、「寒ければもっているウエアを着込めばいいや」くらいに思っています
それでも寒ければ、カイロを使ったり、湯たんぽで熱源を確保することで寒さ対策できます
防寒対策についてはこの記事での解説は省きますが、詳しく知りたい人はこちら
結局どっちにする問題
ここまで600DXと750DXスペック比較や、私が600DXにした理由などを解説してきました
どちらの寝袋も一長一短、なかなかスッパリとどちらにするか決められるものでもありません
個人的には600DXをおすすめしますが(使ってるから)、
優先順位を何にするかが決め手になります
「軽さ・コンパクトさ」か「保温力」
寝袋はケチらない方がいいです!(体験談)
ただでさえ高価な買い物なので、少しでも寒さに不安があるのであれば750DXにしておく方がベター!
私の独断と偏見から、600DXと750DXがどんな人におすすめかもまとめました
オーロラライト600DXはこんな人におすすめ
- 携帯性を重視するバックパックキャンパー・ハイカー
- 春・秋などの使用も考えている人
- 必要に応じて防寒対策することも考えている人
冬用の寝袋としてコンパクトさを優先させるなら600DXがおすすめです
保温力に関してもキャンプでの使用がメインなのであれば600DXでも十分なスペック!
夏の使用は無理ですが春、秋は掛け布団として使うようにしたりで対応可能にできます
オーロラライト600DXを実際に使ってみた詳しいレビューはこちら
オーロラライト750DXはこんな人におすすめ
- 寒さに不安のある人・絶対に寒さを感じたくない人
- 厳冬期の山岳地帯での使用も考えているひと
- 3シーズン用の寝袋を持っている人
とにかく寒い思いをしたくない!って人には絶対に750DXが安心!
寝袋はケチるな!(2度目)
寒さに不安があるなら絶対に750DXにした方がいいです(保温力抜群だから)
寝袋は10年20年と使っていける道具なので使う分だけコストはかからなくなります
初期投資としては大きな買い物ですが、予算が無理できるなら750DXにしましょう!
750DXのスペックがあれば厳冬期の山岳地帯での使用も対応できるので冬山登山での使用も視野に入れている人にもおすすめ
すでに3シーズン用の寝袋を持っている人は冬用として保温力を重視するの方がより実用的にシーズンの環境に対して寝袋を選択できるようになります
オーロラライト600DX、750DXはこんな人にはおすすめできません!
最後にオーロラライト600DXも750DXどちらもおすすめできない人も紹介!
- オートキャンプで荷物の運搬が気にならない人
- 冬キャンプでは電源付きサイトの使用がメインの人
- ポータブル電源を持っている人
- 寝る時にはゆったりとリラックスして眠りたい人
オートキャンプがメインで、荷物をコンパクトにする必要がない人なら価格が安い化繊のスリーピングバッグの方が経済的にもおすすめです
また、現在では電源付きのサイトも多く、電源があればホットカーペットや電気毛布の使用ができます
電源付きサイトでのキャンプがメインの人はオーロラライト600DXや750DXのハイスペックな寝袋でなくても十分に快適に過ごせますのでおすすめできません
オートキャンプがメインで、電源付きサイトを利用するなら、ゆったりと眠ることができる封筒型が快適です
封筒型は足元が広く、マミー型よりも快適!ナンガやスノーピークからはダウン性の封筒型の寝袋があるのでそちらがおすすめです
まとめ
- 対応温度(ヨーロピアンノーム)について
- 使用目的(キャンプか登山か?)
コストを抑えたいならさかいやスポーツ別注がおすすめ!
オーロラライトシリーズを少しでも安く購入したい人には「さかいやスポーツ」の別注オーロラライトがおすすめです!
オリジナルのオーロラライトよりもコストをセーブすることができます
私が購入したのもさかいやスポーツ別注のオーロラライト600DXです!
さかいや別注オーロラライトについて詳しくはこちら
さらにコストを抑えるなら選択肢に入るのが「オーロラDX」
さらにコストを抑えたい人には「山渓」が別注で作っているオーロラDXもおすすめです
オーロラライトよりは厚い生地を使用していますが、ダウンの品質は同じ!コストを抑えたいけど、保温力が欲しい人には魅力的な寝袋です
山渓別注・オーロラDXについて詳しくはこちら
決めきれなくて困っている人へ:ナンガの寝袋は後から羽毛増量できる!
そんな人には有料ですが羽毛増量のアフターケアがあります!
値段や詳細については依頼申込をしてからになりますので詳しくはナンガホームページより確認ください
おわりに
オーロラライト600DXか750DXのスペックの比較解説でした
高価なものが多い寝袋選びは大変です
何を重視するかを決めて自信にあったスリーピングバッグを選びましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました
何かみなさんの参考になれば嬉しいです