そんな三拍子揃ったテントを探している人におすすめなのが「ゼインアーツ・ヤール1」です
ゼインアーツ・ヤール1を北アルプスで使用してみてよかったのでレビューします
- ゼインアーツ・ヤール1のスペックやサイズ感
- 使用感(レビュー)
快適なダブルウォールテントでありながら最小重量は860g!しかも4万円でお釣りがくるゼインアーツ・ヤール1はエントリーモデルから上級者まで満足して使うことのできるテントでした
- キャンプ歴は20年以上
- 渓流釣り(テンカラ)5年目
- アルプスから低山まで山登り
- 装備はできるだけ軽く、ULなスタイルで(現在ベースウエイト4.5kg)←装備について詳しくはこちら
ゼインアーツ・ヤール1
ゼインアーツ(ZANE ARTS)とは
出典:ZANE ARTS
ZANE ARTSは2018年に北アルプスの玄関口でもある長野県松本市で誕生したアウトドアブランド。アウトドアアクティビティの中でもキャンプシーンにおいて人気を呼んでいるのがゼインアーツが作るテントです
そんなゼインアーツが初めて作った山岳用テントがヤールです(一人用と二人用がある)
私が使用しているのが一人用の「ヤール1」です
ヤール1の基本情報
名前 | ZANE ARTS YAR1(ゼインアーツ ヤール1) |
---|---|
構造 | 吊下型・ダブルウォール式ドームテント |
就寝人数 | 1人 |
サイズ | 間口210×奥行90×高さ95 cm |
収納サイズ | φ13.5×37cm |
最小重量 | 860g(フライシート、インナーテント、フレームのみ) |
総重量 | 1,150g(バック、ロープ、ペグ、フットプリント含む) |
フライシート素材 | フライシート:15Dナイロンリップストップ・シリコーン & PU加工(耐水圧1,500mm) |
インナーテント素材 | ウォール : 7Dナイロンリップストップ ボトム : 20Dナイロンリップストップ・シリコーン& PU加工(耐水圧1,500mm) |
付属品 | ペグ(12本) 2mロープ×4本(2mmダイニーマ) ポールリペアパイプ |
ヤール1の特徴
ヤール1の魅力
使ってみて感じたこと
実際に北アルプスの唐松岳・双六岳で使ってみて感じたことをレビューしていきます
ドームテントであることで居住性が高いのはお墨付きなのであえて言いません!
山の上の天候にも対応できる機能
ヤール1はクロスフレームのドームテントで全12箇所のペグダウンをすることで最大限の耐候性を発揮します
実際に北アルプスの唐松岳頂上山荘でテント泊をした時は夜に強めの風が吹くことがありましたが、インナーテントとフライシートをしっかりと接続し、ペグダウンをしたいたこともあり、バタつくこともなく過ごすことができました
広さもソロにぴったり
ヤール1は一人用テントで、サイズは長辺が210cm、短編が90cmです
一人が寝るスペースと荷物を置くスペースを確保することができ、小物などを入れておけるポケットや、ロープを使ってテント内に干したりできるループがついているので快適なテント生活ができます
直感で組み立てができる扱いやすさ
吊下式の構造のヤール1は組み立てが非常に簡単です
フライシートも被せて四隅の金具をポールにとめるだけ。2箇所のアジャスターを調節すれば張り具合を簡単に調節できます
直感で組み立てができてしまうほどシンプルな構造ですが、注意点は「フレームの向き」
フレームを接続している樹脂パーツは片方にしか広がらない構造になっているため、無理に広げると破損につながるので気をつけましょう
雑に収納してもOKなほど余裕のある収納袋
山岳用のテントは収納サイズを少しでも小さくするため、付属の収納袋がギリギリまで小さく設計されていることがあります
そのため撤収の際にはきれいにおりたたまないと収納できなくて、これが結構大変(雨や風の強い時は特に)
ヤール1に付属している収納袋はその悩みを一切感じない、大きめの作りになっていて、詰め込んでいくだけで収納可能
撤収にかかる時間は大幅に短縮することができます
長辺側にある出入り口
テント選びで私がこだわっているポイントでもあるのが長辺側に出入り口があること
出入りがしやすく、テント内の1番高い位置に座ることができるため圧迫感が少なく快適です
短辺側に比べて長辺側の方が角度があるので雨が入ってくるのも防げ、いいことずくめ
※非常に狭いテン場では短辺側に入り口があった方がいいこともあります。
悪天でも調理ができる前室
長辺側に設けられた出入り口のおかげで広い全室が確保されています
登山靴を置いてもまだスペースがあり、悪天候時には全室で煮炊きが可能。ヤール1は一人用なので短辺は90cmしかなく、テント内で調理するには窮屈ですが、全室があるおかげで窮屈さを感じることはありませんでした
テント内では原則として火器厳禁です。テント内での煮炊きを行う時は換気などし、十分に注意してください
テント内から操作できるベンチレーション
ベンチレーションはテント内に設けられたジッパーから手を伸ばし調節ができます
風が強く、ベンチレーションを閉じたい時には外に出なくても中から操作できるのでわざわざレインウエアを着る手間を省くことができます
インナーテントのベンチレーションは状況に応じて開閉が可能(ジッパー開けるとメッシュになってるから虫の侵入は心配なし)
フットプリント付きでオールインワン
山岳テントをはじめとするほとんどのテントがフットプリントは別売ですがヤール1は付属しています(しかも軽量)
ペグもしっかりとしたのが最大必要数の12本、張り綱も自在金具付きのダイニーマロープが4本付属し、購入後に買い足すものがなく、そのままフィールドで使うことができます
気になったところ
いいところばかりではありません
天井の高さ95cmで若干の圧迫感を感じる
ヤール1の天井は95cm。座ってみるとやや圧迫感は感じます
天井の高さが100cmや105cmくらいあると余裕を感じるのですが95cmだとギリギリって感じです
インナーテントの吊り下げフックの強度について
ヤール1のインナーテントの吊り下げ部は全部で9箇所。私が使用していたダンロップのテントは吊り下げフックが13箇所で、さらに強度を高めるためにフックをメッシュパネルで繋げることにより耐久性を高められています(その分重いですが)
対してヤール1は吊り下げフックが4箇所少なく、テントに直接縫い付けているだけなので強度面では少し不安に感じるところも
ヤール1の魅力はダブルウォールテントでありながらも軽量であることです。軽量にするためにはどうしても耐久性や快適性とのトレードオフになってしまうのでこれは仕方のないことですが。。。
ちなみに、このレビューを作成するまで、2度の使用ではまったく問題はありません。通常の使用では問題になることは少なく、暴風時のような極限の状況で使用しない限りは大丈夫だと感じます
通気性を確保するために設けられたメッシュの小ささ
入り口部分に設けられた通気性を確保するためのメッシュはかなりコンパクトなサイズ
そのため出入り口のジッパーを閉めた状態だと通気性はいいとはいえません
メッシュ部を大きくすれば通気性はよくなりますが、その分使用する生地が増えるため、軽さを重視し、通気性の確保は最低限になっています
インナーテントの出入り口を開放した状態でフライシートのみジッパーを閉じて使用したことで通気性を確保できます(虫は入りたい放題)
虫の少ない北アルプスのテント場では有効ですが、森林限界を超えない樹林帯などでは虫が多いので気温によってはテント内が蒸れやすくなりそうです
中央に位置する入り口
インナーテントへの入り口は長辺側の中央に位置しています
フライシートをペグダウンし、全室を確保した状態にすると、出入り口がすこしオフセットしてた方が出入りしやすく感じました
出入りが不便になるほどではありませんが、少し気になったところです
おわりに
ゼインアーツが作る山岳テント「ヤール1」を紹介しました
ULハイキングをするのであれば重たいダブルウォールテント選ばずにシングルウォールの軽量なテントを使うのがセオリーかもしれませんが、登山やハイキングを楽しむにあたっては安心感や、安定感も重要です
ULだからって許容範囲を超えた快適性を捨てる必要はないと考えています
ヤール1は快適さを捨てずに軽量化を実現させているテントです。
これからテントを買ってテント泊にトライする人も、古くなったテントを買い替えようとしている上級者、UL志向で軽量化をしたいけど快適さもほしいハイカーにおすすめです!
最後まで読んでいただきありがとうございました
ではまた
コスパが良くて、居住性が高くて、軽量な山岳テントを探している