レビュー:【アルトラ ローンピーク9+】二足目を購入するほど山も街も欠かせなくなったベストシューズ

ALTRA(アルトラ)のブランドを代表するシューズ「LONE PEAK(ローンピーク)」がモデルチェンジされました。ついに9まできたローンピーク。と、言っても発売されたのは1年くらい前ですが。
自分が初めて出会ったのが「7」で、かれこれ2年ほど愛用し、無積雪期のアルプスから低山まで歩き回ってローンピークの良さは体感していましたが、今回の新作「LONE PEAK 9+」はこれまでのローンピークとは一線を画すアップデートだったため、発売してすぐに購入。そこから新しくなったLONE PEAK 9+(ローンピーク9+)を約1年とちょっと、山でも街でもたっぷりと履き続けて感じたことをレビューします。
ALTRA LONE PEAK 9+の主な特徴

2025年2月にアップデートされたALTRA LONE PEAK 9+ は、旧作のアウトソールに使用されていたMaxTrac™から刷新し、Vibram Megagripが搭載されたことであらゆるコンディションで優れたグリップ力を発揮し、改良された靴底のラグパターンにより、従来モデルに比べ高いグリップ性能を実現。リップストップメッシュが採用されたアッパー部分は縫い目のないオーバーレイパーツが採用されることで耐久性が強化されただけでなく、高い通気性が確保しつつ、中足部や踵周りのフィット感が向上されています。
足指を自由に動かすことができるゆとりのあるフットシェイプは歩行時に本来の人間の自然な歩行を可能にし、LONE PEAKらしいナチュラルな履き心地に。2重構造のトゥガードが広範囲にわたって足先を保護し、トレイルでのトラブルからしっかりと足を守ります。
従来と同じアルトラEGOミッドソールフォームを採用しつつ、踵からつま先まで25mmに統一されたスタックハイトは足裏感覚での歩行を実現。足元の負担を軽減し、長時間の使用でも快適な履き心地を提供してくれます。
主なスペックと評価
| 項目 | ALTRA LONE PEAK 9+ |
|---|---|
| 公式重量 | 重量:327.7g(Mens US10.5 / 28.5cm) |
| ドロップ | 0mm |
| スタックハイト※1 | 25mm |
| アッパー | リップストップメッシュアッパー |
| ミッドソール | Altra EGO™ |
| アウトソール | Vibram® Megagrip |
| フットシェイプ | オリジナル |
| 評価 | |
| 快適性 | ★★★★★ |
| 重量 | ★★★★☆ |
| グリップ | ★★★★★ |
| クッション性 | ★★★★★ |
| プロテクション | ★★★☆☆ |
| 安定性 | ★★★☆☆ |
※1:スタックハイトとは、足裏から地面までの距離を指す数値です。
おすすめポイント
- 圧迫感を感じないフットシェイプによる履き心地
- 優れたグリップ力
- つま先の圧迫感はないのに、歩行中の「ズレ」が起こりにくい構造
- 濡れてもすぐに乾く抜群の速乾・通気性
- 長時間の歩行でも疲れにくい、クッション性の高さ
- 厚すぎないソールのスタックハイトが感じさせてくれる大地との一体感
気になったポイント
- インソールのクッション性に柔らかさを感じる
- 重荷を背負った時の不安定さ
ALTRA ローンピーク9+でトレイルを歩いたインプレッション

ローンピーク9+を使ってみて感じたことをお伝えします。テストではローンピーク7とローンピーク9+を片足ずつ履いてみて比べたりもしてきましたので参考にしてみてください。

心地よい履き心地

アルトラのシューズを履いたことがある人にとっては言わずもがなかもしれませんが、とにかく履き心地が良く、その理由は靴つま先が広がるような形状になっていること。自然な足の形状を邪魔しないようにラスト(足形)が形成されているため、圧迫感を感じることがなく、靴の中で指を動かすことができます。他のシューズとインソールの形状を比べてみるとより分かりやすく、アルトラのインソールは親指部が1番長く、指の位置がワイドになっているのが分かります。

アルトラのシューズはかかとからつま先までの幅が異なる様々な足に対応するように設計されており、足が自然に収まるスペースを確保し、より快適な走りを実現できるようモデルによって3つの異なる足形パターンがあり、それぞれ「オリジナル」「スタンダード」「スリム」があります。
ローンピーク9+はもっとも最も広いスペースが確保されている「オリジナルシェイプ」で、シューズの中で足指を動かせるゆとりが設けられているためシューレースを締めても圧迫感を感じない足形になっています。
チョイスするサイズを適正にすることで足のトラブルの原因となる厄介なトラブルを回避できる快適さ・履き心地のよさを備えていました。
かかと部のホールド力は大幅に向上されている

ローンピーク7はかかと部が浅く感じ、また柔らかく、ホールド力にやや頼りなさを感じたのに対しローンピーク9+はかかと部のホールド力が大幅に改善されており、少し硬めになっていることでよりしっかりとフィットしてくれると感じました。
サイズ感について

ローンピーク7のときはジャストサイズを履いていましたが、2足目となるLONE PEAK 9+は0.5cm上のサイズをチョイス。その理由としては、シューレースを締めることで足のズレが起こりにくいことを7を履いたことで分かり、指周りにもう少しゆとりが欲しいと思ったからです。
この判断は自分にとってはメリットになりました。ハイキング中も指を自由に動かせるスペースがあるため、指先をしっかりと広げ、グリップすることができていると感じます。
各サイトを調べると、1cm〜1.5cmくらい大きめをおすすめしているショップやサイトもありますが、自分の場合は足の大きさに対してそこまで幅が広くないため、ジャスト〜0.5cm大きめがベストだと判断しました。
それと日本人の足形の多くが親指が1番長いエジプト型なのに対し、自分は人差し指が1番長いギリシャ型なため、人差し指が当たらないようサイズをチョイスしています。
ローンピークを初めて購入する人は必ずフィッティングを確かめてから購入した方がいいです。
ゆとりのあるフットシェイプながら、歩行中の「ズレ」が起こりにくい構造
これまで登山靴に履き慣れた人にとって、アルトラのフットシェイプに不安を感じるかもしれません。ですが、ローンピーク9+はつま先にゆとりがありつつもズレにくく、トレイルでの下りでもしっかりと足とシューズをホールドしてくれます。
それを実現しているのがシューレースの構造です。足と靴がズレるのを防ぐことができるように配置されていることでズレにくくなっています。

自分は専門家ではないため、詳しい解説は割愛させていただきますが、ローンピーク9+はローカットシューズですが足の距骨(きょこつ・足首の付け根の部分の骨)をしっかりとホールドしてくれる構造になっているため、ローカットながら高いホールド力・フィット感で、ローカットに不安に感じる人もローンピーク9+のホールド力・フィット力なら不安はなくなると思います。
必要に応じて追加できるアイレット(穴)と平紐で緩みにくいシューレース

ローンピーク9+は平紐が採用されており、アイレット(シューレースを通す穴)も平紐用に対応した形状になっています。
長距離ランナーに適していると言われるアンダーラップ(穴の下から上に靴ヒモを通す方法)で靴紐を通しやすくなっており、アンダーラップは圧迫感を少なくしてくれる効果があるシューレースの通し方です。
よりホールド力を高めたい人はやや広い位置に配置された追加のアイレットを使うことでより外側からホールド力を高めることができるため、早いスピードでの行動時や急な斜面の多い環境で利用することでホールド力の調整が可能になっています。
ローンピーク9+は足首の付け根あたりにサブホールも設けられているため、かかとの幅が細くシューズがフィットしずらい人は、「ヒールロック」と呼ばれる結び方にすることでホールド力を高めることができます。追加のアイレットを使い、ヒールロックの結び方をしようとすると靴紐の長さが短くなってしまうため靴紐の交換をした方がいいかもしれません。ヒールロックの結び方について詳しくはアシックスのホームページが図解でわかりやすいです。

追加のアイレットを使い、ヒールロックの結び方をしようとすると靴紐の長さが短くなってしまうため靴紐の交換をした方がいいかもしれません
悪路での優れたグリップ力

アウトソールはビブラムメガグリップで、ローンピーク9+の目玉と言っていいところ。ビブラムソールを使ったローンピーク9+は濡れた岩や路面からぬかるみまで悪路の強さは想像以上でした。深い溝のラグパターンと足の大きさよりもかなり広く形作られた接地面が、安定性を高めてくれることでより路面状況に影響されず安心して歩くことができました。

ローンピークシリーズにビブラムメガグリップが採用されたのはローンピーク9+初めてです
ヌカるんだコンディションや積雪路も歩きましたが、冬結路やヌカるみのひどい場所などでは滑ることはあっても(どんなシューズでも滑ります)、積もったばかりの雪や、圧雪された雪、すこし水分を含んだ土など「これは滑るかな」と思うようなシーンでしっかりとグリップしてくれました。

基本的には文句のつけようのないグリップ力ですが、気になった点としては装備が重たくなったときの安定感。ローンピーク9+はローカットで軽量なため、数日分食料を背負うようなシーンでさらに重たい荷物を背負って岩稜帯を歩くような山行では足元はもう少ししっかりとしたミッドカット、またはハイカットのシューズの方が安心できます。
ローンピーク9+を使ってアルプスの縦走やロングトレイルを歩きたいと思っている人は装備を軽量化することはマストです。
かかと部に切れ込みが入ったことで歩きやすさが向上

旧作(セブン)との違いとして、かかと部のアウトソールに切れ込みが入ったこと。オリンパスシリーズなどですでに採用されていた形状で、接地面積が広くなることで安定性は損なわずに、切れ込み入っていることでかかとが引っかかるのを防いでくれます。
ロンピーク7でトレイルを歩いていると、かかと部のでっばりが引っかかってしまうことがありましたが、ローンピーク9+は切れ込みが入っていることで引っかかることが格段に減りました。
非防水だけど、高い速乾・通気性

リップストップメッシュのアッパーは通気性が高く快適です。このあたりは歴代のローンピークの良さをしっかりと引き継いでいて、長時間の行動でも蒸れを感じることはありません。汗を留まらせることなく放出してくれ、靴の中は常にストレスフリー。
靴の中が蒸れにくいことで足の皮膚がふやけにくく、トラブルが起こりにくいです。実際に自分がこれまでローンピークを履いていて靴擦れなどトラブルは一度もありません。
ただ、防水性能が備わっていないため(防水モデルもあります)、雨や水たまりに入ってしまった際にはダイレクトに足が濡れてしまいますが、通気性、速乾性の高いローンピーク9+は仮に濡れてしまってもすぐに乾くため、不快感を感じることなく快適に歩き続けることができますから、非防水シューズに慣れてしまうとヤミつきになります。
長時間の歩行でも疲れにくい、クッション性の高さ

ラインナップされるアルトラのシューズの中ではソールの薄いローンピーク9+ですが、ミッドソールに採用されているEGOミッドソールフォームは高いクッション性を確保してくれており、長時間の歩行でも疲れにくく感じました。
山で走ることはあまりしない自分。歩行レベルの衝撃であれば特に問題は感じませんが、トレイルランニングなどスピードを求めるような使い方になるとローンピーク9+の25mmのソールではクッション性が足りず膝や腰への負担が多少大きくなると感じました。
衝撃を吸収してくれるEGOミッドソールフォーム、そして必要以上に足を圧迫させないラスト形状が長時間の行動やランニングでの足の負担を軽減してくれています。ローンピークを愛用するようになってから、下山後に登山靴を脱いだ時の開放感を感じることがなくなりました。
小石などが入らないよう、対応したゲイターの装着が可能

ローカットシューズの弱点として、行動中に靴の中に小石などが入ってしまうことがありますが、ローンピーク9+は前後にゲイター装着用のアタッチメントが配置されていることで、対応したゲイターであれば容易に装着することができます。
ローンピーク7はシューレースにフックを引っかけることができる構造になっていましたが、ローンピーク9+は専用のホールが設けられています。
ローンピークで北アルプスを歩くことについて

自分が登山を初めたころは非防水のローカットシューズで山に入ることは論外とされていた時代です。山岳用の登山靴は堅牢で防水性が高く、ソールの硬い靴であることが一般的でした。
自分はローンピークで北アルプスの山々を歩いていますが、必ずしもガチガチの堅牢な登山靴こそがベストだとは思っていません。しかし、訪れる場所や背負う荷物の量によってはソールの硬いがっしりとした登山靴の方がいいこともあります。
これまでの経験から、どんな山行でローンピークを使い、どんな山行でハイカットの登山靴を使うか自分なりの考えをまとめます。
- 凍傷のリスクが低い
- 急峻な岩稜帯や難所が少ない
- 装備が軽い
- 凍傷のリスクが高い(積雪や気温)
- 難所が多く、急峻な岩稜帯を歩く
- 背負う荷物が重たい
防水シューズと非防水シューズについて「濡れに対する考え方」
一般的に多くの登山靴が防水仕様になっていることから、非防水シューズを登山用として使用することに対しては賛否が分かれるところですが、防水シューズの場合、雨など外からの濡れに対するプロテクトは強いものの、濡れてしまうと乾きにくいデメリットもあります。
万が一内部が濡れてしまえばすぐに乾かすのは難しく、常に濡れた状態になってしまうため、非防水シューズの方に分があることも多く、一概にどちらがいいとは言えません。濡れに対するアプローチをどうするかは個人の考え方によって変わってくるでしょう。自分は凍傷などのリスクが避けられるシーンであれば通気性の高さから積極的に非防水シューズを取り入れています。
おわりに
アルトラのローンピーク9+を紹介しました。
9+が発売して1年以上経つため、そろそろ10の発売を待ちたくなるところですが、履き心地と使いやすさに惚れ込んでしまい、二足目を購入してしまった自分。
普段の通勤から、低山ハイク、夏のアルプスまで一年中ローンピーク9+を履いて生活をし、二足目を買い足した自分としては、買って損はないと自信を持っておすすめできる一足です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。ではまた。



















