北アルプスの「蝶ヶ岳」に1泊2日で登ってきました!
この記事では、三股登山口から蝶ヶ岳に登り、蝶槍まで行って戻ってくるピストンルートの紹介をします
蝶ヶ岳・2677m
蝶ヶ岳(ちょうがたけ)は標高2677mの山で、常念山脈の稜線上、常念岳の南にあります
百名山や二百名山ではありませんが、「日本百高山」、「信州百名山」に選出されています
登山ルート
/ opoさんの蝶ヶ岳の活動データ | YAMAP / ヤマップ
プラン | 1泊2日 |
行動時間 | 9時間30分〜10時間 |
歩行距離 | 約15.2km |
標高差 | 約1327m |
DAY1 |
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三股駐車場(5:57) → 三股登山口(6:08) |
三股登山口(6:10) → ゴジラのような木(6:45) |
ゴジラのような木(6:50) → まめうち平(7:50) |
まめうち平(7:50) → 蝶ヶ岳(10:30) |
蝶ヶ岳(12:01) → 蝶槍(12:54) |
蝶槍(13:00) → 蝶ヶ岳ヒュッテテントサイト(13:49) |
DAY2 |
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蝶ヶ岳ヒュッテ(7:23) → まめうち平(8:56) |
まめうち平(8:56) → ゴジラのような木(9:19) |
ゴジラのような木(9:25) → 三股駐車場(9:58) |
行動時間が、DAY1は約6〜7時間、DAY2の下山が約3〜4時間ほどなので余裕のあるプランになっています
ゆっくりと景色を楽しみたい人や、体力に不安のある人、初心者にもおすすめのルートです!
三股駐車場
三股登山口には無料で利用できる駐車場があります
第一駐車場は舗装されている駐車場で、50台以上の車が駐車できそうな広いスペースがあります
第一駐車場から約700mほど下ったところには第二駐車場があり、舗装はされていませんが、広いスペースで第一駐車場よりも多くの車を駐車する事ができます
私が登ったのは平日でしたが、朝5時に到着した時点で第一駐車場にはかなりの車が駐車していました
土日ともなると混雑するので到着は早めにしましょう
三股登山口 → ゴジラのような木
駐車場を出発すると、登山口までは林道が続きます
車が通れる道幅なので危険もなく歩けますが、林道には「落石注意」の看板がいたるところにあるので落石には注意が必要な場所みたいです
駐車場から10分ほどで三股登山口に到着です
ここでは登山届けが提出できるほか、トイレ(最終)がありますので済ませましょう
登山道に入るとすぐに分岐があります
三股登山口は蝶ヶ岳に登るだけでなく、常念岳を目指すこともできます(駐車場が混むのはそれが理由)
分岐を過ぎてからしばらくは緩やかな登りで、登山道はしっかりと整備されているため歩きやすく、静かな樹林帯歩きを楽しめます
本沢を渡るために吊り橋を通過しますが、この吊り橋は思った以上に揺れるので、高所恐怖症の人にとってはちょっとした難所と言えるかもしれません
雨などによる増水時には通行禁止の注意喚起があります
増水時には迂回して常念岳に向かうルートしか通行できません
吊り橋を通過した後は徐々に登りが急になってきますが、登山道が整備されているので歩きやすかったです
吊り橋を渡って10分ほどで水場があります
蝶ヶ岳までの登山道ではここが最終水場となっているので、不足しないよう、補充をしておきましょう
2023年は雨が少なく、北アルプスでは雨が少なく、雨水を利用している山小屋では渇水のため節水を呼びかけていたり、提供ができないかもしれないから、各自で用意するよう呼びかけています(蝶ヶ岳ヒュッテも)
行動する時には水の確保ができるか確認したうえ、必要な水を携帯しましょう
水場からはまた登りが急になりますが10分ほどで「ゴジラのような木」に到着します
ここにはベンチもあるので休憩するにもぴったりな場所です
ゴジラのような木 → まめうち平
ゴジラのような木をテンション高めで通過するとしばらくは気持ちのいい樹林帯歩きが楽しめますが、登山道は急な登りになってきます
登りは急になりますが、段差の間隔がせまい階段になっているので歩きやすく、下半身への負担は少なくて済むのがありがたいところ
ゴジラのような木からだいたい1時間10ほどで「まめうち平」に到着します
まめうち平にはスペースがあり、複数のベンチも設置されているので休憩するのにおすすめです
まめうち平を過ぎると次にベンチがあるのが間隔があくのでここで休んでおきましょう
まめうち平から蝶ヶ岳までがキツい登りになります
私の行動食はだいたい「柿の種」と「バタピー」のミックスです
長時間運動する登山ではカロリー消費が激しいため、定期的にカロリー摂取をする必要がありますが、その時にできるだけ高カロリーの食べ物を選ぶ事で効率的にカロリーを摂取できます(しかもおいしい)
以前、行動食を食べず、水分もとらずに夢中で登り続けてしまった時に、手足が痺れ、足がつってしまい動けなくなってしまった事がありました
幸い症状は軽かったのでしばらく休んだ後、行動できるようになりましたが、適度な休憩と、カロリー摂取をしっかりすることの重要さを身をもって体験しました
異変に気づき、カロリー摂取をしてからでは遅いので気をつけましょう!
まめうち平 → 蝶ヶ岳
まめうち平を過ぎてしばらくは傾斜の緩やかな区間となり、山歩きを楽しめます
平坦な所ではヌカるみやすいのか木道が設置されているので歩きやすいです
標高2000m地点、距離的にはだいたい半分くらいですが、しんどさではここからが一番の頑張りどころとなります
緩やかだった傾斜は急になり、いくつもの階段が続きます
傾斜は急になりますが、標高を上げることで常念岳の眺望はよくなってきますので、景色を楽しみながら登りましょう(でもやっぱりけっこうキツかった・・・)
登り続けること1時間20分、ようやく第二ベンチに到着しました(第一ベンチがどこだったかは不明。まめうち平?)
まだまだ登りは続くのでしっかりと休みましょう!
登るにつれてだんだんとゴロゴロとした石が目立つようになり、悪路になってきます
第二ベンチからさらに登り続けること約45分、標高2500m地点の最終ベンチまでやってきました
出発からここまで約4時間、登り続けた私の下半身がこのベンチを見た時に歓喜に満ち溢れてくるのを感じたのは間違いではありません
ばっちり腰掛けて休みました
最終ベンチからは常念岳がだいぶ近くに見えるようになり、「最終」という名のベンチからも山頂が近いことを推測し、力が湧いてきます(あと少し!)
と思っていたのですが、ここからまだ30分以上はかかるので喜びすぎると痛い目に遭います(私)
標高2500mあたりを過ぎた頃から木々は秋の様相になり、高さも低くなってくるので秋を感じながら歩く事ができます
蝶ヶ岳山頂まであと少し、最後の分岐点にやってきました(大滝山分岐)
ここまでくると、もう山頂付近が見え始めます(キツかった登りももうじき終わる)
分岐点から10分ほど歩くと蝶ヶ岳ヒュッテの建物と、稜線の先に尖ったものが・・・
ようやく蝶ヶ岳ヒュッテに到着です!!!
蝶ヶ岳ヒュッテまではお隣の常念岳しか見えませんが、稜線まで登ってくればあとは絶景天国です!3000m級の山々が目の前にひろがる光景は圧巻でした
蝶ヶ岳/蝶ヶ岳ヒュッテ(テント場)
山小屋から山頂までは5分もかかりません
標高2677m、蝶ヶ岳山頂に到着です
蝶ヶ岳山頂からは北アルプスを代表する山々がしっかり丸見えの状態です
穂高連峰(前穂高、奥穂高、北穂高)、大キレット、槍ヶ岳の景色はいつまで見ていても飽きません
北アルプスの景色に圧倒され過ぎて、満足ですが、蝶ヶ岳の山頂からは富士山や南アルプス、八ヶ岳も見えます
主役にもなれるはずの山々ですが、蝶ヶ岳山頂から見る北アルプスの壮大な景色の前では遠くにちょこんと見える富士山やらはおまけに思えてきます
蝶ヶ岳ヒュッテ
営業期間 | 4月23日〜11月3日 |
宿泊 | 収容人数100名 素泊まり:10000円〜 |
テント | 予約不要:1名2000円(トイレチップ込み) |
予約 | 小屋泊は要予約 テントは予約不要 |
予約方法 | ネット/電話(0263-58-2210) |
水場 | なし ※小屋で購入可能(1L/200円) |
公式HP | 蝶ヶ岳ヒュッテ |
本日は蝶ヶ岳ヒュッテのテント場でキャンプをして、翌日に下山をします
テント場は30張りほどできるフラットなスペースがあり、麓が見えるスペースが人気でした
飲料水は小屋に入って右側に蛇口があり、お金を投函して買う事ができます
蝶ヶ岳ヒュッテ → 蝶槍
さて、一泊するという事で、受付を済ませてテントを設営し、寝袋や食料などをテントにデポ(置いて)して荷が軽くなった状態で「蝶槍」を目指します
蝶槍は、蝶ヶ岳から常念岳へと続く稜線上にある小さなピークの一つで、標高は2655mです
蝶槍までの稜線歩きはアップダウンもありますが、傾斜は緩やかで、さえぎるものがないのでどこからでも景色を楽しむ事ができます(どこ向いてても絶景天国です)
景色が良すぎて見惚れてしまい、足元をみないで何度もつまづいてしまいました(ついつい写真を撮りたくなってしまい、同じような絵面の写真が大量生産されてしまいます)
ゆっくりと景色を楽しみながら50分ほどで蝶槍に到着します
蝶ヶ岳ヒュッテに戻るまでの稜線の景色もまたよくて、気持ちよく歩く事ができます
帰りは40分ほどで戻る事ができ、戻ってからは昼寝をしたり、ビールを飲んだり、くつろぎの時間を楽しみます
麓から担いだビールを飲みながら景色を堪能するのは最高でした
ビールは山小屋でも購入できますが、「最初の一本は担いできたビール」を飲むのがこだわりです(2本目からは購入します)
下山コース:蝶ヶ岳ヒュッテ → ゴジラのような木
翌朝、朝食を済まして、撤収をしたら下山します
下山は登ってきた道をひたすらに下り、三股を目指します
コースタイムが5時間ほど増えますが、常念岳を登ってから三股に下山するルートもあります
私も当初はその予定だったのですが、天気が崩れる予報に変わってしまったため、やむなくピストンルートに変更して下山をしました
登りでは余裕がなくて楽しめなかった登山道の紅葉の色づきを楽しみながら下山をします
前日の登りを思い出しながら下山しますが、ヒーヒーと言っていた下半身の筋肉たちは下山での負担にまたブルブルと震え出します(ただの疲労による痙攣)
登りの方が筋力への負担がかかりますが、下山ではスピードをコントロールし、制御しながら歩くので登りとはまた違ったキツさがあります(膝がカクカクし始めます)
標高が低い所ではまだほとんど色付いていませんでしたが、山頂付近ではキレイに紅葉している木を楽しむ事ができます
北アルプスの紅葉の見頃は9月の下旬〜10月上旬と言われていますが、今年の紅葉の見頃はもう少し先のようです
常念岳の景色を横目に下山します
第二ベンチまでは悪路も多く、急な階段も続くのでスピードが出やすい下りでは特に注意をしながら歩きました
標高2000m、まめうち平付近になると一旦傾斜は緩やかになるのでブレイクタイム
呼吸を整えて、休憩をしつつ、下山します
テント泊したことにより疲労も回復したのか、登りでは3時間45分かかったところを約2時間で下山してくる事ができました(しっかり寝たことによる疲労回復を実感)
ゴジラのような木 → 三股駐車場(9:58)
ゴジラのような木からしばらくはまだ急な階段がありますが、徐々に傾斜は緩やかになり、歩きやすくなります
ゴジラ木から30分ほどで登山口まで戻ってくる事ができました
登山口から駐車場までは10ほどで到着。蝶ヶ岳ヒュッテから3時間弱で下山する事ができました
テント泊の魅力
私は日帰りでの低山登山をするのがメインではあるのですが、今回改めてテント泊登山の魅力に取り憑かれてしまいました
山の上に泊まる事で、特別な景色や体験を楽しむ事ができます
時間帯で表情を変える山々
日没前の時間帯には昼間に見ていた景色とはまた違った表情を楽しむ事ができます
登山では基本的に明るい時間の行動になるので、日帰りでは日没前まで山頂にいることはできませんが、テント泊なら日が沈むのをゆっくりと楽しむ事ができます
夜のテント村と麓の夜景
日が沈んで、あたりが暗くなるとテント場のテントが一斉に光り出します
この光景はテント場にテントが多くあればあるほどキレイで、涸沢ヒュッテのテント場が有名です(500張り)
山頂から麓が見える場合には夜景も楽しむ事ができます
天体観測
夜に空を見上げればそこには満点の星空が広がります
普段の生活では見る事ができないような星の数で、また圧巻の景色で
ご来光
朝にも楽しみが残っています
日の出時刻にはご来光をみる事ができ、登ってくる太陽や、日の光りによって赤く染まるモルゲンロートを楽しむ事ができます
私が行った日の日の出時刻hは雲が多く、赤く染まるか微妙なところだったのですが、少しだけ赤く染まってくれました
最寄りのコンビニ
登山口は麓から離れているので高速IC付近のコンビニで買い出しをしてから登山口に向かいましょう
長野自動車道・安曇野ICから登山口に向かうならファミリーマート JAあづみ烏川店が道中にあり、寄りやすいコンビニです
立ち寄り湯
ほりでーゆ〜四季の郷
登山口駐車場から麓まで向かう道中にある「ほりでーゆ〜四季の郷」で日帰り入浴ができます
ほりでーゆ〜四季の郷はホテルですが、日帰りでの入浴も可能な施設で、登山口からのアクセスは抜群です
料金 | 大人:600円 子供:350円 |
開館時間 | 10:00~21:30(最終受付20:30) |
休館日 | 記載なし・要確認 |
公式ホームページ | ほりでーゆ〜四季の郷 |
シャクナゲの湯
登山口からは少し離れますが、シャクナゲの湯もおすすめで、隣にはファーマーズマーケットのVif穂高があり、食事やお土産などを購入することができます
料金 | 大人:平日600円 土日祝700円 子供:400円 |
開館時間 | 9:30~21:30(最終受付20:30) |
休館日 | 第1水曜日(祝祭日の場合は翌日) |
公式ホームページ | シャクナゲの湯 |
おわりに
三股登山口から登る蝶ヶ岳ピストンルートの紹介でした!
北アルプスは登山をする人なら必ずと言っていいほど憧れる山々ですが、難易度も高く、チャレンジしにくくもあります
難易度の高い北アルプスの山の中でも初心者にも挑戦しやすい蝶ヶ岳に登って経験を積んではどうでしょうか(山頂で待つのは絶景天国)
最後まで読んでいただきありがとうございました
ではまた!